観葉植物の剪定方法を詳しく紹介。失敗を防ぐポイントをおさえよう
剪定直後のケアから、その後のお世話までおさえておきたいポイントを紹介します。
ほどよく日光が入る場所に置く
剪定後は、ほどよく日光が当たる場所に置いてあげるとよいでしょう。剪定後の弱った植物に光合成を促して成長させます。
とはいえ、強すぎる日差しを直接あてると、葉が日焼けを起こして弱ってしまいます。室内では遮光カーテン越しの窓辺に置くなど、適度な日差しになるように工夫しましょう。
あまり日光を好まない観葉植物の場合は、逆に弱ってしまう可能性もありますから、植物の種類によって環境を整えましょう。
癒合剤を塗っておくとベター
剪定後の傷口には、癒合剤を塗っておくことをおすすめします。傷口をふさぐことで、外部からの刺激からも保護され、治りが早くなります。
さらに、病原菌が侵入することを防ぐため、剪定後に病気に感染する可能性がぐっと低くなります。
適切な水やりで成長を促そう
剪定後は、適切な水やりを行って植物の新芽の成長を促す必要があります。
観葉植物の中には乾燥している状態が好ましい品種もあるため、過剰な水のやりすぎは避けましょう。土の表面が乾燥しはじめたら水を与えることを目安にするとよいでしょう。
水やりをする際に注意するべきなのは、根腐れです。日中、とくに真夏の暑い時間に水やりを行うと、土の中の温度が上がり、根が傷んでしまいます。日が落ちたころに水やりをするなどの工夫が必要です。
観葉植物は室内で育てるため、多くの場合受け皿を敷いているでしょう。水が常に溜まった状態では、湿気がこもって根腐れしやすくなります。受け皿の水はこまめに捨てることを心がけましょう。
剪定後は水やりと合わせて、肥料も与えると新芽の成長によい影響を与えます。肥料も、やりすぎには注意しましょう。
品種によっては切った枝も成長する
剪定で間引いた枝は、その後挿し木や取り木と呼ばれる方法で育てることが可能です。剪定した本体の観葉植物とは別に、プチ観葉植物として楽しめるため、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
挿し木と取り木、それぞれの手順を紹介します。
挿し木で育てる
挿し木をする場合は、まず本体の観葉植物を剪定しましょう。余分に伸びて生い茂ってしまった部分の中でも、新しい茎を選びましょう。挿し木に使う枝は『挿し穂』と呼ばれます。
品種にもよりますが、挿し穂は先端に3枚ほど葉を残し、ほかは切り取ります。枝が長すぎる場合は、15~20cm程度に調節し、小分け用の鉢に収まるようにしましょう。
その後、挿し穂を1~2時間ほど水に浸けたら、植木鉢に植え替えて完成です。水を与え、風通しがよく明るい場所に置いてやると、種類によっては約1カ月で根を張るでしょう。
パキラやガジュマル、ポトスなど、人気のある観葉植物にも挿し木に向いている品種が多いので、チェックしてみましょう。
取り木で育てる
取り木とは、観葉植物の幹に小さな傷をつけたり皮を剥がしたりすることで、幹の途中から根を生やし、その部分を利用して繁殖させる方法です。
まず、幹に2カ所、3cmほど間隔をあけて切れ込みを入れます。決して切り離したり折れたりしないように注意しながら、枝に沿って切れ込みを一周させましょう。
その後、切れ込みに沿って幹の表皮を剥がし、枝の中の木質部を露出させます。
最後に、湿らせた水苔をひとつかみ取って、木質部を覆い隠し、乾燥しないようにビニールで包んで縛り、完成です。定期的に、水苔が乾燥しないように水をやって管理しましょう。
早いもので数週間、遅ければ数か月で根が張ります。水苔で保護したところの下部分で幹を切断し、取り木に使用する部分を確保しましょう。
取り木に向いているのは、ゴムの木やシェフレラなどです。
パキラの剪定
観葉植物として人気が高いパキラは、成長が早く剪定が必要です。生命力が強く、たとえ切りすぎても成長してくれやすい植物なので、剪定するのが初めてという初心者の人にも、安心して育てられます。
パキラの特徴と、剪定するタイミングについてまとめました。
パキラはどこで切っても芽が出てくる
パキラの枝葉は、成長するとどんどん伸びて、シルエットが崩れます。パキラは、剪定した場所のすぐ下から新芽を発芽するので、最終的にどれくらいのサイズ感にしたいかを決めてから、ハサミを入れる場所を決めましょう。
パキラにも、前述した成長点がもちろんあるため、剪定するときには成長点の少し上の部分を切り落とすとよいのですが、あまりに枝葉が生い茂ってしまった場合は、成長点を無視して思い切って剪定しても大丈夫です。
少し成長が遅くなりますが、シルエットを整えるには手っ取り早い剪定ができます。
場合によっては冬に剪定してもOK
観葉植物の剪定は、5~7月の時期が適しています。成長期の剪定であれば、新芽が発芽するのも早いため、パキラを健康に育てるためにもおすすめです。
少し伸びすぎた枝を整える程度の、ちょっとした剪定であれば1年通して行えます。とくに卓上サイズやハイドロカルチャーのパキラであれば、剪定はいつ行っても問題ありません。室内であれば、真冬でも剪定に耐えられます。
ガジュマルの剪定
ガジュマルは、非常に丈夫で生命力の強い観葉植物です。なんと、生えている枝葉をすべて剪定して、丸坊主にしても、またぐんぐんと枝を伸ばし、青々とした葉を茂らせてくれるのです。
ガジュマルは成長スピードが速い為、理想のシルエットよりも気持ち一回り小さく剪定することで、ちょうどよい大きさになります。