観葉植物の簡単なお手入れ方法。忙しい人も育てやすい植物をご紹介
植物を健康に育てるには日々のお手入れが大切です。環境管理や水やりなどの基本的な方法を知り、いきいきとした美しい観葉植物を育てましょう。初心者でも扱いが簡単な観葉植物の種類や、忙しい人でも育てられるお手入れが楽な種類もご紹介します。
観葉植物はお手入れが大変?
はじめて観葉植物を育てる場合、お手入れに不安を感じてしまう人は多いでしょう。しかし、基本的なルールさえ覚えておけば、観葉植物の管理は決して難しいものではありません。
まずは、観葉植物を育てるのに適した環境について確認しておきましょう。
環境の管理は重要
植物を健康に育てるためのポイントは、その植物の原産地に近い環境を整えることです。その際は、多くの観葉植物の原産地である熱帯・亜熱帯地方を基準にすると良いでしょう。
熱帯とは、年中温暖な地域、亜熱帯はそれに準ずる地域のことをいいます。そのような環境に適応して生き延びてきた観葉植物を、日本で元気に育てるための環境管理の方法について見ていきましょう。
風通しを良くする
観葉植物を育てるうえで、風通しはとても重要です。仮に、一切空気循環のない空間に観葉植物を閉じ込めたとしたら、いったいどのような問題が起こるのでしょうか。
代表的な問題として、以下のようなものがあげられます。
- 葉が落ちる
- 害虫が発生しやすくなる
- 葉が変色したり、痩せたりする
自然界がそうであるように、観葉植物が元気に育つためにはある程度の風通しが必要不可欠です。
ただし、風が必要とはいっても、エアコンの風を直接当てることは避けましょう。エアコンのような人工の風は、株そのものの乾燥を引き起こし、枯死を招く原因になります。
身近なもので寒さ対策が可能
観葉植物初心者にとって、最大の難関となるのが冬季の温度管理です。室内に置くとある程度の温度を保てますが、早朝や深夜のとくに気温が下がる時間帯には、それだけでは不十分なこともあるでしょう。
しかし、心配する必要はありません。冬の寒さから観葉植物を守るには、家庭にあるもので十分に対応可能だからです。
おすすめの方法には、以下のようなものがあります。
- 全体をダンボールで囲う
- 紙袋やビニール袋をかぶせる
- 一回り大きい鉢や発泡スチロールの箱に鉢を入れる
- 鉢の下にダンボールや発泡スチロールを敷く
冷たい外気や地面との間にクッションとなるものを用意すると、寒さによるダメージを最小限に防げるでしょう。
水やりの基本を覚えればお手入れ簡単
観葉植物を枯らしてしまう原因としてもっとも多いのは、『水の与えすぎ』といわれています。水やりの適切な量や頻度を知れば、観葉植物を元気で長く育てることができます。
水やりが必要な状態の見極め方
水やりのタイミングを見極めるのは、初心者には少し難しく感じられるかもしれません。しかし、見極めるコツさえつかんでしまえば、誰でも簡単に適切なタイミングで水やりができます。
観葉植物の水やりタイミングを見極めるコツは、土の表面の状態をチェックすることです。水やり後のような土が潤っている状態では、土の表面は黒っぽく見えます。一方で、土が乾いてくると、土の表面は徐々に白っぽく見えるようになるでしょう。
この、『土の表面が白くなる』というのが、水やりに最適なタイミングの目安です。まだ土の表面が黒い状態で水やりをしてしまうと、水の与えすぎとなってしまいます。根腐れの原因になるため注意が必要です。
1回にどれくらいの量をあげるの?
観葉植物への水やりは、鉢の底穴から水があふれ出すのを目安に、たっぷりと与えます。
水やりをしていると、底穴から水があふれる量というのは、とても多く感じられるかもしれません。しかし、これより少ないと、鉢の中にまんべんなく水を行き渡らせられず、観葉植物が水分不足に陥ってしまいます。
また、根の呼吸のためにも、たっぷりの水とともに新鮮な空気を送り込み、同時に古い空気を押し出す必要があるのです。観葉植物の健康な成長のために、底穴から水があふれるまでしっかりと水を与えましょう。
水受け皿の水はこまめに捨てよう
たっぷりと水を与えたあとは、余分な水が残らないよう、受け皿の水を忘れずに捨てましょう。
受け皿に水が残ったままになってしまうと、観葉植物の根が水にさらされつづける状態となり、根腐れを起こします。根が腐った状態で放置すれば、やがて株そのものが枯れてしまうでしょう。
葉っぱのお手入れ方法
観葉植物のみずみずしさを保つためには、葉の手入れも忘れてはいけません。具体的にどのような方法をとるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
ホコリが溜まらないようこまめに拭く
観葉植物の葉は、案外ホコリが溜まりやすいものです。弱っている様子ではないのに、葉色がくすんでいるように感じたり、白っぽく見えてきたりしたときは、まず葉の表面を優しく拭き取ってみます。多くの場合、本来の葉色を取り戻せるでしょう。
とはいえ、葉の1枚1枚を手で拭き上げるのはなかなか大変です。そんなときには、軍手を活用します。軍手をはめた両手で葉を優しく撫でるだけで、たちまち溜まったホコリを拭き取れるのです。
もう一工夫として、軍手をあらかじめ湿らせておくのも良いでしょう。ただホコリを除去するだけでなく、葉に艶やかな輝きをプラスできます。
毎日葉水を与える
葉の美しさを保つため、ぜひ日々の習慣にしておきたいのが『葉水』です。葉水とは、霧吹きを使って観葉植物の葉や茎、幹に直接水を吹き付けることをいいます。
株全体を湿らせるのは、観葉植物の置かれた環境を多湿の原産地へと近づけるためです。また、葉水の効果はそれだけではありません。葉に付いたホコリを落とす、鮮やかな色味を保つ、病害虫を防ぐという効果もあります。
吹きかけた水が滴にならない程度の量を目安に、できるだけ毎日続けるようにしましょう。
剪定が必要な状態の見極め方
観葉植物を大きく育てていく過程では、美しい見栄えを保つことや、より健やかに成長していくために、定期的な剪定を行いましょう。剪定が必要なタイミングは、大きく分けて以下の3つです。
- 観葉植物が必要以上に大きくなってしまったとき
- 枝葉が増え、光や風が細部まで行き渡らない、または全体の見栄えが悪いとき
- 枝が枯れてしまったとき
剪定をすると、よりバランスの良い健康な観葉植物に育ちます。
サンスベリアは剪定いらず
観葉植物初心者には、剪定の必要がないサンスベリアのような種類もおすすめです。『サンスベリア』は、刃のような葉の形が特徴の人気の観葉植物です。このサンスベリアは、幹が地中に埋まっているため、地表からは葉の部分しか見られません。