
観葉植物の適切な水やり方法。季節別のタイミングなどをご紹介

観葉植物が枯れる原因は、水や日光が不足しているからとは限りません。水やりが多すぎて根腐れを起こすこともあります。季節別のタイミングや時間帯、葉水など、適切な水やり方法を確認しましょう。長期不在時の水やり方法についても解説します。
観葉植物の水やりの仕方
「植物には毎日水をあげなければならない」と思い込んではいませんか?観葉植物には季節ごとに適した水やりのタイミングがあります。
水やりをしても元気がないという場合は、以下のポイントを守っているかを確認してみましょう。
水やりの時間を決める
1日のうちで、水やりをする時間を決めましょう。暑くも寒くもない午前10時頃が目安ですが、住んでいる地域や季節ごとで時間を調節することも必要です。
たとえば、6~8月の真夏日は午前9時前か、強烈な西日が柔らかくなった18時以降がよいでしょう。
真夏日は太陽が照りつけている昼間に水を与えると、水がお湯になり植物がしおれやすくなります。一方、真冬は水が凍りやすいので、気温が下がる早朝や夕方を避けるのがベストでしょう。
観葉植物は温度の安定した室内で育てるため、それほど神経質になる必要はありませんが、『決まった時間』に与えれば、植物にストレスがかかりません。
『季節ごとの水のやり方』は後ほど詳しく説明します。
水の量はたっぷり受け皿に流れるくらい
水の量は、受け皿に溢れ出てくるくらいたっぷりと与えるのが基本です。
土全体に水が行き渡ることで、古い空気が押し出され新鮮な空気に入れ替わります。つまり、水やりは植物の根に『水と空気』が同時に与えられるのです。
水は葉や花にかけずにジョウロで根元部分に与えてください。受け皿にあふれた水はすぐに捨てましょう。
こちらの記事では水やりが楽しくなる、おしゃれなジョウロを紹介してみます。ジョウロをお探しの方はぜひチェックしてみてくださいね。
タイミングは土が乾いてから
観葉植物の水やりは、『土が完全に乾いてから』が原則です。もちろん、品種によって若干の差はありますが、ガーデニングのように毎日水を与える必要はありません。
特に、乾燥地帯が原産の多肉観葉植物は、水や茎にたっぷりと水を蓄えているため乾燥に強い傾向があります。その他の観葉植物も、やや乾かし気味で育てるとトラブルなく育つものが多いです。
土が乾いた状態とは

では『土が乾いた状態』とはどんな状態でしょうか?基本は見ためで判断しますが、それだけでは判断を誤る可能性もあります。土の状態を調べるいくつかの方法を紹介します。
土の色を観察して見極める
水やりの直後の土は黒く湿っています。水が蒸発し乾燥が進むにつれて色が薄くなり、黒→薄茶色→白と変化していくでしょう。触感もしっとりした土からパラパラしたものに変わっていきます。
しかし、表面の色が変わってきたからといって中まで乾燥しているとは限りません。日当たりのよい場所や空気が乾燥している状況下では、1日でも表面が乾いてしまうことがあるためです。
土の中の水分量をチェックする
土の中表面が白くなり、パラパラした状態になってきたら、土の中の水分量を確認してみましょう。
割りばしを深さ数cmのところまで挿し、土の付着具合を見てください。湿った黒い土が付着してこなかったら、土の中まで乾燥が進んでいる証拠です。
小型の植木鉢であれば、鉢を持ち上げてみましょう。湿っていると重く、乾燥すると軽くなります。
水やりタイミングがわかるグッズ
水やりのタイミングが分からないときは、市販されているグッズを使うのも手です。
土の中に挿し、色の変わり具合で水分量を判断するスティックタイプのものは、手を汚さず、且つ一瞬で判断が可能できるでしょう。
バーク・水苔・ハイドロカルチャーなど、どんなタイプの土にも使えるので、土いじりが好きな人は家に1つ用意しておくと便利です。
市販には、土の水分量を数値で表示するタイプも販売されているので、使いやすさや用途で選ぶとよいでしょう。
こちらの記事では電池なしで使える水分計『サスティー』をご紹介しています。一目で水やりのタイミングがわかる便利グッズですので、ぜひチェックしてみてください。
季節ごとの水やり方法

夏と冬では温度・湿度・日照時間などが異なるため、当然、土が乾くまでの時間も変わってきます。
また、季節によって植物の水の吸い上げ量が変化する点も考慮すべきでしょう。季節ごとの水やり方法のポイントを紹介します。
夏は乾燥と直射日光に注意
太陽の光が降り注ぐ夏は、風通しがよいベランダや窓際に観葉植物を出しておく人も多いですが、『乾燥』と『直射日光』には十分注意が必要です。
夏の暑い陽射しは、土の水分を急激に蒸発させます。加えて、生育期に入った植物はいつもよりも多くの水や養分を必要するため、土が乾燥しやすいのです。
植物がぐったりするほど土が乾燥している状態を『水切れ』といいます。水切れの兆候が見られたら、鉢ごとバケツに浸けて給水を行う、『腰水(底面給水)』を行いましょう。
ベランダに打ち水を行い、熱くなった地温を下げるのも有効です。
なお、日当たりのよい場所を好む観葉植物でも、夏の直射日光は苦手です。レースカーテンごしの明るい日陰に置くのが好ましいでしょう。
冬は水やりを控えめに
冬場は、植物が休眠期に入るため、水やりを控えめにするのが基本です。水を控える理由は主に2つあります。
1つは、休眠期の植物が吸収できる水の量は限られており、多すぎると逆に根腐れの原因になってしまうためです。冬は日差しも弱いため、土が乾くのにも時間がかかるでしょう。
もう1つは、植物は水やりを控えると『耐寒性』が増すためです。越冬のために、いつもより水やりの間隔を広げる方法を『ハードニング』といい、園芸店などでもよく用いられています。
植物の状態にもよりますが、冬は土が乾いてから1~4日後に水を与えるとよいでしょう。
季節ごとの水やりの方法をさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
葉水は必要?

植物の水やりの方法は、主に『灌水(かんすい)』と『葉水(はみず)』の2種類があります。
灌水は、ジョウロやホース、または腰水などで、植物に水を与えることで、ここでは『水やり』と表現しています。ではあまり聞きなれない『葉水』とはどんなものなのでしょうか?
葉水とは
葉水とは、植物の葉に霧吹きなどを使い、シャワー状の水をかけることを指します。観葉植物は主に根から水を吸収しますが、実は葉からも多少の水分を取り入れています。
特に、熱帯雨林など湿潤な地域の植物は、空気中から水分を得るための機能が発達しています。春から秋にかけての生育期や室内が乾燥している時期は、根からだけでなく葉からも水分を与えてあげてください。
葉水を好む観葉植物としては、モンステラ・テーブルヤシ・アイビー・グズマニア・ガジュマルなどが挙げられます。
葉水のメリットはさまざま
葉水の主な目的は、根からだけでなく、葉からも水を吸収させることですが、メリットはそれだけではありません。植物の周りの湿度・温度を調整したり、害虫を予防したりする効果もあります。
元気に育つ
葉水をすると、観葉植物の周りの湿度が上がります。観葉植物の自生地に比べ、日本は空気が乾燥しているので、葉水で快適な環境を作ることはマストです。
根で吸い上げられなかった水分が葉全体で吸収でき、根腐れせずにイキイキ育つというメリットもあるでしょう。
また、夏日の葉水は、葉の温度を下げるのにも一役買ってくれます。葉水をして直射日光に当てると、水滴が拡大レンズ代わりになり、葉が焼けてしまうので注意してください。
害虫予防
葉水は、自然界でいう雨のような役割があります。葉についた汚れや害虫をすっきりと洗い流し、きれいな状態にリフレッシュしてくれるのです。
室内で育てるぶんには大きな害虫はつきにくいですが、クモの仲間である『ハダニ』は風に乗って室内に侵入します。
葉裏に潜んで葉緑素を吸い、最後には植物全体をしおれさせてしまう厄介者ですが、『水が嫌い』という弱点があるので、こまめに葉水を行いましょう。
特に、日当たりがよい場所を好み、乾燥に強い観葉植物はハダニの標的になりやすいので要注意です。
水やりのポイント

植物に必要不可欠な『水』ですが、水やりで枯れてしまうケースもあるのを知っていますか?よくない水やりのパターンを例に挙げながら、ポイントを分かりやすく解説します。
水のあげすぎは枯れる原因に
園芸初心者に多いのが水のあげすぎによるトラブルです。
前述した通り、水やりには時期ごとに適切なタイミングと量がありますが、これを守らないと土が常に湿った状態になり、根腐れやカビが発生する原因になります。
- 水やりをしているのに元気がない
- 葉が黄色く変化している
- 茎や幹がグニャグニャしている
- 土から腐敗臭がある
- コバエが発生する
以上のサインがあれば、根腐れが進行している可能性は大きいです。水やりを控え、適切な応急処置をとりましょう。
受け皿の水は毎回捨てよう
水やりをするたびに、受け皿にはたっぷりの水が溜まります。溜まり水は時間が経つと雑菌や害虫が集まる原因になるのですぐに捨ててください。
また、受け皿の水で通気性が低下し、鉢の中は常に過湿状態です。根に酸素が行き渡らず、やがて腐れてしまうでしょう。
旅行や出張など長期不在時は対策を
旅行や出張などで2~3日家を留守にする際は、出かける前にいつもよりも多めに水を与えてあげましょう。乾燥に強い観葉植物であれば数日間水やりをしなくても枯れることはないでしょう。
日当たりのよい場所は、土中の水分が蒸発しやすいので、不在時は窓から鉢を離しておくのがベターです。土の水分が飛ばない工夫としては以下の方法も有効です。
- 湿気が多い場所に置く(バスルームなど)
- 赤玉土や水苔を入れて保水性を高める
- ビニールのマルチング材で土部分を覆う
- 鉢の底に濡れタオルを敷き、底面から給水する
不在時も安心のグッズやサービス

旅行や出張が長引き、不在日が1週間近く続くと、乾燥に弱い観葉植物は元気がなくなってくるかもしれません。長期不在時の水やりをサポートするお役立ちグッズやサービスを紹介します。
自動植木吸水器 Blumat
『Blumat(ブルマット)』は『毛細管現象』を活用したオーストリア製の自動給水器です。
セラミック状の棒を土に挿し、ホース部分を水の入った容器に入れておくと、水がホースの中を通って土に流れ込む仕組みになっています。
1本で20~25cmの範囲に水を供給できるので、小~中型の鉢の場合は1本で十分でしょう。長期不在が続くときは、容器の水量を増やすことで対応できます。
容器はどのようなものでも構いませんが、蒸発を防ぐために、口の狭いペットボトルなどを使うのがよいでしょう。
- 商品名:Blumat(ブルマット)
- 価格:4,711円(税込)
- Amazon:商品ページ
鉢植簡易給水器 給水番
給水番は、Blumat同様『毛細血管現象』を活用した日本製の自動給水器で、給水芯とキャップがセットになっています。使用済みのペットボトルに水を入れて給水する仕組みで、自然の雨水のように1滴ずつ水が出てくるのが特長です。
給水量の目安は60分間に約120滴で、1日では約50〜100ccになります。2ⅼボトルを使えば、約4~5日間給水し続けられるので、長期不在も心配無用です。
- 商品名:鉢植簡易給水器 給水番(3キャップ4本)
- 価格:1,566円(税込)
- Amazon:商品ページ
こちらの記事ではほかの自動水やりグッズについてもご紹介しています。長期で不在にする予定がある方はぜひチェックしてみてくださいね。
観葉植物を預かってくれるショップも
「海外に長期出張がある」「マンションの大規模修繕工事でベランダに観葉植物が置けない」というときは、専門業者の助けを借りましょう。
『観葉植物の預かりサービス』は、店舗で鉢を引き取り、品種に合わせた環境のもとで保管します。
水やりの不安が解消するだけでなく、湿度・温度・光量もしっかりと管理してもらえるので、「弱っていた植物が元気になった」というケースもあるようです。
業者を選ぶときは、豊富な知識や経験があるのはもちろん、温室施設や屋外圃場など、設備が充実しているところを選びましょう。
水やり不要の観葉植物はある?

観葉植物を枯らせてしまうのが心配な人や、長期不在が多い人は、どんな観葉植物を選べばいいのでしょうか。
残念ながら『水やりが不要の植物』は存在しません。しかし、水やりを頻繁にしなくてもよい観葉植物は存在します。諸事情により水やりができない場合は『フェイクグリーン』を使うのも手です。
乾燥に強い観葉植物が存在
観葉植物の多くは、亜熱帯~熱帯が原産で、ある程度の耐乾性があります。しかし、中には乾燥により強い植物や乾燥気味にした方がトラブルが少ない植物が存在します。
その代表格が多肉植物やサボテンですが、葉の美しさを楽しみたいという人は、以下のような品種を選んでみましょう。
パキラ
『パキラ』は中南米原産のアオイ科の植物で、丈夫で乾燥に強いのが特長です。手を広げたような掌状の葉からはイキイキとした生命力を感じるでしょう。幹は三つ編みや五つ編みなどの幹編みが楽しめるので、インテリアとしても人気があります。
水やりは土が完全に乾いてからたっぷりと水を与え、冬は根腐れを防ぎ、耐寒性を高めるためにも水やりを少し控えましょう。
パキラの葉が黄色くなってきたり、葉が落ちたりする現象が見られたら、日照不足や根腐れ、葉焼けの可能性があります。寒さには弱いので、冬は部屋の中で管理してください。
HitoHana ¥4,180(税込)
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HitoHana ¥12,100(税込)
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オーガスタ
バナナの葉に似た大きな葉に、しなやかで長い茎を持つ『オーガスタ』は、マダガスカルや南アフリカが原産です。
植物には根から水を吸い上げ、葉から蒸散させる『蒸散作用』がありますが、大きな葉を持つオーガスタは特にその作用が大きく『天然の加湿器』ともいわれています。
乾燥に強く、耐陰性もあるため、初心者でも育てやすい植物として人気です。水は土が完全に乾いてからたっぷりと与え、時々葉水をするとハダニが防げます。
注意する点は『葉焼け』です。直射日光に当てたり、日照時間が長すぎたりすると、大きな葉の先が割れてくるので、レースカーテンごしの明るい日陰で育てましょう。
クオリティの高いフェイクグリーン
『フェイクグリーン(造花)』は、水やりや手入れが不要で、枯れることも虫が発生することもありません。1人暮らしの小さな部屋や病院、サロンなどさまざまな場所で用いられています。
中でもおすすめなのが『光触媒加工(光触媒塗料)』がほどこされたフェイクグリーンです。光触媒塗料の『酸化チタン』は、太陽光や蛍光灯の光が当たると化学反応を起こし、空気中の有害物質を分解します。
臭いや室内汚染の原因となるウイルスや雑菌、ホルムアルデヒドも分解することから、小さい子どもや年配者のいる家庭でも重宝するでしょう。
生きた植物が置けないシチュエーションでは、目にも環境にも優しいフェイクグリーンを活用してはいかがでしょうか。
こちらの記事では乾燥に強いエアプランツなどの植物も紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
まとめ
観葉植物の普段のお世話はほとんどが『水やり』です。タイミングを見計らなければならないので、最初は難しいと感じるかもしれませんが、毎日お世話をしていると状態が分かるようになってきます。
「手をかける時間がない」という人は、最小限の手入れでも育つ丈夫な植物を選ぶか、フェイクグリーンを取り入れることをおすすめします。