ホウセンカ(鳳仙花)の種類・品種一覧|育て方や近縁植物、特徴も紹介
ホウセンカ(鳳仙花)の種類は、花の咲き方や色によって異なります。それぞれの種類について知るために、まずはホウセンカ(鳳仙花)の基礎知識を見ていきましょう。また、育てやすい近縁植物も紹介します。栽培のポイントをつかんで、きれいな花を咲かせましょう。
ホウセンカ(鳳仙花)とは?
ホウセンカ(鳳仙花)は小学校の教材としても採用されているので、「育てたことがある」という人も多いかもしれません。ホウセンカの基礎的な知識について紹介します。
ホウセンカ(鳳仙花)とは?
ホウセンカ(鳳仙花)とは、『ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草』で、東南アジア原産の花です。暑さに強いため、夏に向けて気温が高くなる季節にぐんぐん成長します。そして真夏の7~9月には花が次々に咲くのです。
ただし、耐寒性はないため、秋以降寒くなると枯れてしまいます。実がはじけて種が飛ぶと、空き地や庭の隅であっても発芽して花が咲くほど、日本の気候によく合い丈夫な植物です。
ホウセンカ(鳳仙花)が日本へやってきたのは、16世紀ごろといわれています。東南アジアから中国を経由し、日本へやってきました。
ホウセンカの漢字表記は鳳仙花
中国から伝わったホウセンカ(鳳仙花)は、漢字では『鳳仙花』と書きます。中国から伝わった漢字の名前を、そのまま音読みしているのです。名前に鳳という漢字が使われているのは、花弁の形が中国神話に登場する『鳳凰』の姿に似ているからといわれています。
ホウセンカ(鳳仙花)の花の汁で『爪がきれいに染まる』ことから、爪紅(つまべに)・爪紅(つまくれない)という呼び名もあります。
ホウセンカ(鳳仙花)の花言葉
ホウセンカ(鳳仙花)の花言葉は、実がはじけて種が飛ぶ様子をイメージした『私に触れないで』『せっかち』『性急な解決』などです。
ホウセンカ(鳳仙花)の花の特徴
ホウセンカは日本の気候によく合う花のため、比較的簡単に増やせます。どのような特徴を持っているのか見ていきましょう。
ホウセンカ(鳳仙花)の花の色や咲き方
大きな花弁が下向きに開いているホウセンカの花は、種類によってさまざまなバリエーションがあります。オーソドックスな赤い一重の花の他、ボリューム感のある八重咲きの品種も人気です。
色も定番の赤の他、白・ピンク・紫などがあります。
ホウセンカ(鳳仙花)の実の特徴と繁殖方法
ホウセンカ(鳳仙花)は花が咲き終わった後には、ラグビーボールのような形の実ができます。熟した実には縦方向に筋が入っており、この筋に沿って割れる仕組みです。指先が少し触れる程度の刺激でも、種がぱちんとはじけ飛びます。このように種がはじけ飛ぶのは、広い範囲に子孫を残そうとしているからです。
ホウセンカ(鳳仙花)は種からでも比較的簡単に発芽するため、はじけ飛んだ種をそのままにしておくだけで花が咲きます。庭や鉢で育てたい人は、種を採取し、翌年の春に種まきしましょう。
ホウセンカ(鳳仙花)の種類・品種
ホウセンカ(鳳仙花)は、品種や咲き方によってさまざまな種類に分けられます。人気の品種や咲き方について知り、夏の庭やベランダを彩るホウセンカ(鳳仙花)を選びましょう。
ホウセンカ(鳳仙花)の人気な品種・種類
日本でよく栽培されている品種は、『プリンセス・サクラ』という大きな一重の花を咲かせる種類です。ホウセンカ(鳳仙花)の中では背が高く、60~80cmほどに成長します。
八重の花を咲かせる品種も多いです。40~50cmほどでよく枝分かれする『ブッシュ・フラワー』や、20~30cmぐらいの背丈で病害虫にも強く鉢植えに向いている『トム・サム』などがあります。
八重咲きでカラーバリエーションが豊富な『カメリア・フラワード』や『ローズ・フラワード』は、古くから人気の園芸用品種です。現在は混合品種として販売されています。
ホウセンカ(鳳仙花)の花の咲き方別の品種・種類
ホウセンカ(鳳仙花)は、花の咲き方で種類分けをすることも可能です。教材として使用されるシンプルなホウセンカ(鳳仙花)は、『一重咲き』に分類されます。ホウセンカ(鳳仙花)の中でも基本的な種類で、1本の太い茎にたくさんの花が咲くタイプです。
フリルのような咲き方をする『カメリア咲き』は、多くの園芸好きに支持されています。花の形がカメリア(=ツバキ)に似ていることから、カメリア咲きと呼ばれているのです。
カメリア咲きは花弁が華やかであると同時に、株元から複数の太い茎が立ち上がる点も特徴といえます。
ホウセンカ(鳳仙花)の近縁植物
庭やベランダでホウセンカを育てたい場合は、近縁植物もチェックしてみましょう。さまざまな品種を比べることで、お気に入りの花を見つけられるかもしれません。
アフリカホウセンカ(インパチェンス)
『アフリカホウセンカ』は、熱帯アフリカ原産で高温多湿を好む、ホウセンカの近縁植物です。日本の気候でも育てやすく、真夏に赤・ピンク・オレンジ・白などさまざまな色の花を咲かせます。
一重咲きの他、八重咲きやバラ咲きの品種もあるため、色と咲き方によって印象が全く異なる花です。背丈が低めという特徴を生かし、寄せ植えやハンギングバスケットへも仕立てられます。
より多くの花を咲かせるためには、できるだけ日当たりの良い場所で栽培しましょう。乾燥が苦手なため、水切れしないように管理します。
ニューギニア・インパチェンス
インパチェンスの中でも、ニューギニア原産の野生種を中心に掛け合わせたタイプは『ニューギニア・インパチェンス』といいます。アフリカホウセンカと区別した呼び名で、アフリカホウセンカよりも株が大きく成長するため、1株だけでも見栄えが良いです。
見た目のバラエティーが豊富な点も魅力といえます。花は赤・白・ピンク・紫・黄などが、葉は緑・濃緑・銅などがあり、庭のテイストに合った種類を選びやすいでしょう。
暑さがやや苦手という点は、ホウセンカやアフリカホウセンカと異なります。
ツリフネソウ
紅紫色や白の花を咲かせる『ツリフネソウ』も、ホウセンカの近縁で、夏から秋にかけて湿地や水辺に群生する山野草です。明るい日陰と湿り気のある土を好む植物ですが、花後の実をはじけさせて種を飛ばすという点が、ホウセンカと共通しています。
ツリフネソウを栽培する場合は、水切れに注意しましょう。十分な湿り気がある状態をキープできれば、その他の管理に手間はかかりません。
ホウセンカ(鳳仙花)の育て方とポイント
高温多湿の日本の夏にもよく合うホウセンカは、ポイントを押さえることで育てやすくなります。種まきの仕方や管理の方法を知り、お気に入りの種類を育てましょう。
ホウセンカ(鳳仙花)の種まきや植え付け方法
種からでも発芽しやすいホウセンカは、種まきで育てることが多い植物です。根が傷つくと生育不良に陥ることがあるため、できるだけ植え替えは避け、育てる場所に直接種をまきましょう。
暖かい場所を好む植物なので、気温が20℃以上になる4月中旬~5月中旬の種まきが向いています。用意した土や鉢に、『すじまき』か『ばらまき』で種をまきましょう。土が乾燥しないように管理すると、5~10日で発芽するので、しっかりした芽を残して間引きます。