野菜のカブのおすすめ品種は?食べ方・種まき時期や収穫時期を解説
カブは中央アジアや地中海沿岸が原産のアブラナ科の野菜です。比較的丈夫で育てやすく、葉から根まですべて食べられます。この記事では、カブについて育て方のコツや美味しい食べ方、日本で栽培されるカブの種類など多角的にカブを深堀します。
カブの基本情報
カブの基本情報は以下のとおりです。
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
和名 | 蕪 |
英名 | Turnip |
学名 | Brassica campestris |
花の色 | 黄色 |
原産地 | 中央アジア、地中海沿岸 |
開花期 | 3月~5月 |
カブの特徴
カブは大根の仲間と思われることが多いですが、実際には小松菜や白菜などに近い野菜です。ビタミン類や葉酸などの栄養素を豊富に含み、栽培期間も短く比較的育てやすい野菜です。
カブの植える時期
カブは春と秋、年2回の植え付けができる野菜です。春に植える場合は3月下旬から4月下旬にかけて、秋植えでは9月上旬から10月上旬が植え付けに適しています。
カブの栽培のコツ
カブを育てるコツとしては、最適な生育温度である20~25℃の時期に育てるとよいでしょう。また、なるべく風通しがよく、適度な日当たりのある場所を選びましょう。
カブの収穫時期
カブの収穫時期は種まきから45~50日たったころです。収穫のサインは根の直径ではかります。品種によっても違いますが、およそ5~6cmを超えたら収穫が近いと考えてよいでしょう。
カブの栄養
カブは日本をはじめ海外でも広く栽培されてきました。古代ギリシャの文献や三国時代の中国ではカブが食用とされていたことが伝えられています。また、日本でも奈良時代の歴史書「日本書記」において、栄養価の高い野菜としてカブの栽培が奨励されていたとの記述が残されています。ここからは、古くから人類の健康に寄与してきたカブの栄養と効能を紹介します。
カブに含まれる注目成分「アミラーゼ」とは
カブの根にはデンプンの分解酵素「アミラーゼ」が含まれています。アミラーゼはジアスターゼとも呼ばれ、近年注目を集めている成分です。アミラーゼの効能からは、高血圧や貧血、脳梗塞、心筋梗塞、動脈効果など幅広い予防効果が期待されています。
葉にはβカロテンやビタミンCが多く含まれる
カブは、根の部分だけでなく葉も食べられる野菜です。カブの葉にはビタミンC類やβカロテンが多く含まれており、抗酸化作用が期待できます。また、骨を強くするカルシウムやビタミンK、血液を作る鉄分なども含まれます。内包される栄養素の豊富さから、カブの葉は栄養の宝庫といえるでしょう。
カリウムや葉酸も豊富
カブには前述の栄養素以外にも、妊娠によいとされる水溶性ビタミンBの「葉酸」や、心臓や血圧に効果が期待できる「カリウム」なども多く含まれます。また、赤カブが持つ色素「アントシアニン」は活性酸素を抑制するといわれています。
カブの種類と品種
カブは中央アジアや地中海沿岸を中心とした海外でも親しまれている野菜です。日本にもさまざまな種類のカブがあり、カブやカブを使った食べ物が特産品となっている地域もあります。日本国内で代表的なカブの種類をご紹介しましょう。
小カブ中カブは万能選手
根の直径が5cmから8cm程度のカブを「小カブ」、7cmから14cmくらいのものを「中カブ」とよびます。小カブは皮から芯まで比較的柔らかく、調理のしやすい食材です。 中カブも同様にさまざまな食べ方かできますが、皮の内側に固い組織があるので皮は厚めに剥くとよいでしょう。
聖護院カブなど大カブ類
小カブ、中カブと比較して直径15cm以上のものを「大カブ」とよびます。 大カブの中でも、京都や関西地方特産の「聖護院カブ」は重さが1.5~3kgにもなります。聖護院カブは、千枚漬けやかぶら蒸しの原料として親しまれています。
栄養価の高い赤カブ
根の色が赤いカブを総じて「赤カブ」とよびます。赤カブは直径10cm程度のものが多く、「温海(あつみ)かぶ」や「万木(ゆるぎ)かぶ」といった固有種が多く存在します。赤カブには本来カブがもつ栄養素以外に、抗酸化作用のある「アントシアニン」が含まれており栄養満点。赤色は茎の根本や皮の内側まで差している品種もあり、料理の色付けや漬物によく用いられます。
その他品種のカブたち
カブにはこれまで紹介した以外にも、数多くの品種が存在します。石川県のかぶら寿司に使われる「金沢青カブ」や「ターニップ・ゴールデンボール」と名付けられた黄カブ、細長い根をもつ「日野菜(ひのな)カブ」など、日本国内でも多種多様なカブを目にする機会があります。
カブの食べ方
カブは世界中で食されている野菜です。カブを使った料理は和食をはじめ洋食、中華料理にも数多くあります。また、エスニック料理やカブを使ったデザート、スイーツなどバリエーションが豊富にあります。多様な食材と相性がよい、世界各国のカブの食べ方をみてみましょう。
定番の和食カブ料理
カブは和食によく合う食材のひとつです。カブの味噌汁や漬物は和食の定番料理です。また、煮物や酢の物の具材など、和の献立の副菜としても大活躍します。さらに、カブは肉と合わせることで食材の魅力を引き立たせます。「カブのそぼろあんかけ」は、カブとお肉の相性抜群のおすすめレシピです。
以外といける洋食のカブ料理
世界中で食べられているカブは、洋食のレシピにもよく合います。スープやサラダはもちろんのこと、「カブのコンソメ煮」や「カブのフライパンソテー」もカブの美味しさと魅力を引き出すメニューです。以外なところでは「カブのカルパッチョ」も合わせる具材によって味わいが変化するのでおすすめです。
パンチの効いた中華・エスニックのカブ料理
カブは伝統の中華料理や、スパイシーなエスニック料理にもよく合います。「海老とカブの中華炒め」はカブの甘味が引き立つ中華料理のレシピです。また、カブはニンニクやナンプラーとも相性が良いので、「カブの葉のエスニック炒め」や「カブのエスニックスープ」などエスニック料理のレシピでも大活躍します。
カブを使ったデザートも
カブは、さまざまな食材とあわせられる野菜です。クリームチーズやヨーグルトとも相性がよいので、スイーツとして楽しめます。また、カブの葉を混ぜこんだ「カブの葉のジェラート」も美味しいカブのスイーツです。さらにカブは柿ともよく合います。柿と合わせて食べれば、食感や色合いのコントラストも楽しめます。
カブを栽培する際の注意点
カブは丈夫で育てやすい野菜ですが、害虫の被害にあうこともあります。アブラムシやヨトウムシなどの虫がつきやすいので、害虫を見つけたら取り除きましょう。また、カブは「根こぶ病」にかかることもあるので同じ場所での連作は避けましょう。
まとめ
カブは根の部分と葉の両方が食べられ、わたしたちの健康に欠かせない豊富な栄養をもつ野菜です。栽培も比較的かんたんで、小さめの品種ならプランターでも十分に育てられます。食材としての用途も広くさまざまなレシピに利用できますので、興味があればぜひカブを育ててみましょう。