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月下美人ってどんな花?花言葉や育て方についても解説

苗の植え付けは5~9月頃に行います。季節ごとに置き場所を変えるため、鉢植えで育てましょう。置き場所は、春・秋は半日陰、夏は明るい日陰、冬は室内です。葉焼けを防ぐため、真夏は寒冷紗(かんれいしゃ)や遮光ネットなどで日当たりを調整しましょう。

苗の植え付けは、鉢底ネットの上に鉢底石を約1/4入れた鉢に、土を約1/3入れます。鉢の中央に根鉢をほぐして腐った根を除いた苗を置き、土を敷き詰めれば完成です。土は鉢の縁から約2cm下まで入れましょう。

水やりのタイミングは季節によって違う

サボテンのように乾燥に強いイメージのある多肉植物でも、月下美人は水分を好む植物です。水やりのタイミングは、季節によって異なります。

4~10月頃の成長期は、土の表面が乾いたタイミングでたっぷり水やりしましょう。鉢底から水がこぼれるくらいの量が目安です。11~3月頃の休眠期は、完全に土が乾燥したときに月に約2~3回水やりします。水の量は土を湿らす程度で構いません。

季節に関係なく、多湿による根腐れには注意が必要です。茎や節にシワが寄っていたら、水やりを控えてしばらく様子見しましょう。水やりを控えても株がしなびるようなら、鉢から株を抜いて腐った根を取り除き、新しい土に植え直します。

肥料はリン酸やカリウムの多いものを

月下美人の肥料は、成長期にだけ与えましょう。休眠期の11~3月頃に肥料を与える必要はありません。

4~9月頃は、効果が長く緩く持続する『緩効性肥料』を月に1回与えます。粒状肥料や錠剤タイプを株元に置きましょう。10月は、すぐに効果の出る『即効性肥料』を隔週で与えます。こちらは液体肥料がよいでしょう。

肥料はリン酸やカリウムの多いものを与えます。注意が必要な成分は、チッ素です。チッ素の多い肥料を与えると、茎や葉ばかりが育ってしまい、花芽が付きにくくなります。月下美人を大きく育てるためには、肥料の成分にも目を配りましょう。

害虫や病気に注意

月下美人のかかりやすい病気の一つが、『すす病』です。カイガラムシやアブラムシなどの排泄物が原因といわれています。すす病にかかると、葉に黒い斑点が現れたり、葉が黒ずんだりします。

株の成長が遅れて枯れてしまう恐れがあるため、病変部に殺菌剤を塗布しましょう。病変部が小さければ、黒くなった部分を切除しても構いません。

すす病の原因となる『カイガラムシ』や『アブラムシ』は、月下美人に付きやすい害虫です。植物の栄養素を奪う『ハダニ』も、注意が必要な害虫といえます。

植物に異変があったら早急に対処しましょう。食用で月下美人を楽しむ場合は、できるだけオーガニックな殺虫剤を選ぶのがおすすめです。

月下美人の増やし方(植え替えや挿し木のやり方)

植え替えや挿し木のやり方

月下美人を大きく育てるには、植え替えや剪定(せんてい)が必要です。また、株を増やすなら挿し木という方法があります。これらの作業について知り、月下美人を大きくしたり増やしたりしましょう。

大きく育てるためには植え替えが必要

月下美人は約1m以上の大きさにならないと開花しません。開花する大きさまで育てるには、約2~3年に1回のペースで大きい鉢に植え替える必要があります。

植え替えは、5~9月頃の温暖な時期にしましょう。植え替えの手順は苗の植え付けと同じです。茎の広がりを抑えるためにも、アジサイの栽培で使うあんどん支柱を立てて支えましょう。しっかり根が張るまでの約1カ月は、鉢を日陰に置きます。

植え替えのポイントは、今まで植えていた鉢に入っていた土を使い回すのではなく、新しい土を用意することです。水はけ・通気性のよい土を月下美人は好むため、『赤玉土:腐葉土=6:4または7:3』の混合土を使いましょう。

剪定は切り過ぎないように注意

混み合った茎や葉を切り落とし、外見を整えたり日当たりや通気性をよくしたりするのが剪定です。9月下旬~10月上旬頃に、剪定の一種である『切り戻し』をしましょう。

切り戻しでは、枯れた部分を根元から切り落とします。ただし、大きい株の方が月下美人は開花しやすいため、伸び過ぎた茎の切り戻しは最小限に留めましょう。

月下美人の根元から、『シュート』と呼ばれる棒状の茎が伸びてきます。シュートが伸びてきたら、先端の方を切りましょう。長くなり過ぎると花芽が付きにくくなるからです。切ったところから新たな茎が伸びて花芽が付きます。ただし、根本からシュートを切らないよう注意しましょう。

挿し木をすれば増やせる

月下美人を増やすなら、挿し木で増やすのがおすすめです。挿し木の適期は5~9月頃で、植え替えや切り戻しで切り落とした茎を使うとよいでしょう。

まずは約15~30cmの長さに切った茎を、約1週間陰干しで乾燥させます。乾いた赤玉土や鹿沼土を入れた育苗ポットに、陰干しした茎を浅めに挿しましょう。風通しのよく明るい日陰に育苗ポットを置きます。

水やりを始めるのは、約1週間経ってからです。その後も約10日に1回のペースで、土を湿らせる程度に水やりをします。発根までは、早ければ約2週間、だいたい約1カ月です。ある程度根が伸びたら、肥料を含まない土に植え替えましょう。約5cm新芽が伸びたら、肥料を与えます。

月下美人の気になる疑問

月下美人の気になる疑問

月下美人の基本情報や育て方のポイントを把握し、知りたいことがさらに増えた人もいるのではないでしょうか。種類や長く楽しむ方法など、月下美人の栽培を考えている人が気になる疑問を解決しましょう。

月下美人の代表的な種類・品種

月下美人は原種が約20種類、交配種が約10種類あります。原種の花びらはいずれも白色で、カラフルな花びらの品種は近縁種やその園芸品種です。

細長い花びらが特徴的な『宵待孔雀(ヨイマチクジャク)』は、雌しべの花柱が赤色です。『歌麿呂美人(ウタマロビジン)』は月下美人と宵待孔雀の交配種で、約17~18cmと月下美人より小さい花を咲かせます。

『姫月下美人(ヒメゲッカビジン)』は、香りの強い品種です。月下美人は数時間の寿命なのに対し、翌日の日中まで姫月下美人は花を咲かせます。月下美人と姫月下美人の交配種である『満月美人(マンゲツビジン)』は小ぶりかつ華やかな花が特徴です。

月下美人の花は食べられる?

あまり知られていませんが、月下美人の花は食べられます。天ぷらやおひたしなどの調理方法がありますが、シンプルなのはさっと湯がいてポン酢でいただく方法です。つぼみの下部を切るだけで下ごしらえは終わるため、とにかく手間がかかりません。

月下美人は古くから薬用でも利用されてきました。呼吸器系のトラブルや体脂肪・高血圧などに効果があるとされていて、台湾では乾燥した花を使った薬膳スープが作られます。

つぼみや花びらだけでなく、熟した実も食用可能です。月下美人の実は、同じサボテン科のドラゴンフルーツに似た見た目をしています。生の実はサクサクとした触感で、ほんのり甘い味がするといわれています。

月下美人の花を長く楽しむ方法

月下美人は非常に開花時間の短い花です。アルコール漬けにすれば、美しい花を長く楽しめます。本来は一晩しか見られない月下美人の花を、うまくいけば数年間楽しめるでしょう。

必要なものは、透明な瓶とアルコールだけです。瓶の大きさは、開花状態の花が入るものを用意しましょう。お酒を入れた瓶に、開花後に切り落とした花を入れるだけです。アルコール漬けにすることでしぼみかけた花が復活しますので、まずは短い花の寿命をしっかり楽しんでから漬けましょう。

アルコール漬けに使うお酒は、アルコール度数35度以上で透明なものがおすすめです。果実酒づくりに用いられる焼酎甲類(ホワイトリカー)やテキーラ・ジンなどが適しています。

まとめ

花を咲かせるためには、月下美人の株を大きく育てる必要があります。そのためには、正しい育て方を把握することが重要です。育て方を知れば、自分に育てられるかどうかや元気に育っているかどうかを判断できます。

少し育て方にコツがいるものの、うまく育てれば暗闇に浮かぶ白く幻想的な月下美人を鑑賞できます。アルコール漬けや料理にすれば、開花日のあとも花を楽しめるでしょう。月下美人の特徴や育て方を知り、ぜひ自宅で栽培してみましょう。

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