ガウラとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介
ガウラは、蝶が飛んでいるような花姿から「ハクチョウソウ(白蝶草)」とも呼ばれています。花は咲いてから3日ほどしか持ちませんが、春〜秋にかけて次々と花を咲かせて楽しませてくれます。暑さ寒さに強く、園芸初心者でも育てやすい花です。
ガウラとはどんな花?
ガウラはまっすぐ伸びた花穂が優美で繊細なのに対し、寒暖に強く、こぼれ種でも増える強健さを持ち合わせている花です。半常緑性の多年草で、冬は一旦生育が止まるものの、春にはまたきれいな花を咲かせます。
ガウラの花名はギリシャ語の「ガウロス(華麗な、堂々とした)」が由来です。可憐なガウラの花が、次々と咲く様子から付けられています。
ガウラの基本情報
ガウラの基本情報は以下の通りです。
科・属 | アカバナ科、ガウラ属 |
和名 | ハクチョウソウ(白蝶草) |
英名 | White gaura、Bee blossom |
学名 | Gaura Iindheimeri |
花の色 | 白、ピンク、赤 |
原産地 | 北アメリカ |
開花時期 | 5〜10月頃 |
ガウラの特徴
ガウラの草丈は90〜150cmほどで、まっすぐ伸びた茎の先端に1.5cmほどの小さな花が咲きます。花は蝶が飛ぶ様に似ているので、「ハクチョウソウ(白蝶草)」または「Bee blossom(蜂の花)」とも呼ばれます。
暑さ寒さに強いため、日本の暖地では露地栽培が可能。横に広がらない植物なので、ちょっとした空きスペースに植えてもよいでしょう。繁殖力があるためこぼれ種でもどんどん増えますし、冬に枯れても春にはまた葉と茎が出てきます。
ガウラの開花時期や見頃の季節
ガウラの開花時期は5〜11月と長期間です。花は開花からは3日ほどしか持ちませんが、春〜秋まで次々と新しい花が咲き、長く目を楽しませてくれます。
ガウラの花言葉と由来
ガウラの花言葉には「負けず嫌い」と「我慢できない」、「清楚」、「行きずりの恋」などがあります。
「負けず嫌い」と「我慢できない」はガウラがほかの花と競うように、たくさんの花をつける様から、「清楚」は可憐な花姿が由来です。「行きずりの恋」はガウラの花が蝶に似ているため、蝶が花から花へ行きかう様が、移り気に恋を繰り返しているように見えることからきています。
ガウラの種類・品種
ガウラには原種に近い草丈100〜150cmほどの高性種のほか、品種改良でつくられた草丈25〜50cmほどの矮性種があります。高性種は花壇の中〜後段に、矮性種は狭めの花壇や広めの鉢に向いています。
・マイメロディ:白い花とクリーム色の班入りの葉が特徴の品種。草丈は100cmほどになる高性種。 ・ソーホワイト:花色はピュアホワイト、ほかの品種と異なりつぼみやガクも真っ白で、清楚な印象。 ・小紅:草丈100cmほどで、濃いめのピンクの花が華やかな品種。 ・フェアリーズソング:草丈40cmほどの矮性種で、葉はブロンズ色をしている。 ・イノセントフェアリー:赤みのない緑色の葉と真っ白な花をつける。草丈は25〜40cmほどの矮性種。 ・サマーエモーション:白にピンクの縁取りの花が印象的な品種で、草丈は40cmほど。
ガウラの育て方・栽培方法
ガウラは地植えと鉢植えの両方で育てられます。生育適温は15〜25℃で、一部品種以外は-10℃の寒さにも耐える植物です。
やせ地でも育つほど丈夫なので、地植えの場合は水やりと肥料はほとんど必要ありません。鉢植えの場合は水やりと肥料を適度に行いましょう。
ガウラの日当たり・置き場所
ガウラは風通しと日当たりが良い場所が向いています。明るい半日陰でも育ちはしますが、茎と葉がひょろ長くなって間のびしてしまい、花付きが悪くなることがあるのでおすすめできません。
一部の半耐寒性の品種を除き、暑さ寒さには比較的強い花です。日本の暖地であれば、一年中戸外管理でも大丈夫でしょう。
ガウラの用土・土作り
地植えをするならガウラの苗を植え付ける1〜2週間前には土を耕し、有機質の堆肥や腐葉土などを混ぜ込んでふかふかにしておきましょう。事前に土作りをしておくと有機質が分解されて土が熟成し、植え付け後に根が張りやすくなります。
鉢植えの場合は、市販の園芸用培養土でも十分に育てられます。
ガウラの苗の植え付け時期と方法
温暖な地域であれば、ガウラの苗は4〜6月ごろに植え付けましょう。苗を園芸店やホームセンターなどで購入したら、すぐに植え付けるのをおすすめします。
地植えで複数の苗を植え付ける場合は、苗間を30〜40cmほど取ります。鉢植えのときは苗の2周りほどの大きさの鉢を用意し、鉢底ネットと鉢底石を敷いてから培養土を鉢の半分ほどの高さまで入れます。ポットから出したガウラの苗を中心に据え、土を鉢のふちから2〜3cm下くらいまで入れましょう。根を傷めないように割り箸でつつきながら作業すると、土が鉢の内部に隙間なく行き渡ります。そして植え付け直後には、水をたっぷりとあげましょう。
ガウラの水やり・肥料の与え方
ガウラを地植えした場合、水やりはほぼ不要です。ですが乾燥した日が続いているときは、水やりをするとよいでしょう。鉢植えのときは土の表面が完全に乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりの水を与えます。茎が垂れ下がっているときも水が足りていないサインなので、すぐに水やりをしましょう。
水やりは茎と葉全体に上からかけるのではなく、株元にかかるようにします。真夏は株が弱らないように朝か夕方の涼しい時間に、真冬は凍らないよう気温が上がった昼間に水やりをしましょう。
ガウラはやせた土地でも育つため、地植えの場合は植え付け前に土作りをし、元肥に緩効性肥料を混ぜておくと追肥は必要ありません。鉢植えの場合は生育期の4〜6月と9〜10月に、緩効性肥料を株の周囲に撒きましょう。花茎が上がってきたら2週間に1回、開花が終わるまでの間は液肥を与えると、次々につぼみをつけてくれます。
ガウラの手入れ方法や増やし方
ガウラの株をよりこんもりとさせたい方は、苗が若いうちに摘心をしましょう。花が咲き終わったらこまめに花がら摘みをしておくと、つぼみを次々とつけてくれます。生育旺盛な植物のため、鉢植えの場合は年1回は植え替えを。ガウラは複数の方法でかんたんに増やせるので、雰囲気のある庭づくりに役立ってくれるでしょう。
ガウラの摘心・花がら摘みの時期と方法
ガウラはまだ苗が若いうちに最も先端にある芽を摘み取る「摘心」をすると、1株からの枝数を増やせます。芽を摘み取った下からわき芽が出て枝数が増えるので、草丈は抑えつつこんもりとした株になります。
ガウラは開花期間が長いので、花がら摘みをして終わった花を取り除きます。花穂のてっぺんまで花が咲き終わったら、元から切り取ってしまいましょう。終わった花がそのままだと種を作るために株がエネルギーを消耗し、花数が減ってしまいます。また、こまめに花がら摘みをしておくと、病害虫予防にもなります。
ガウラの植え替えの時期と方法
地植えのガウラは基本的には植え替えは不要ですが、数年経過した大株が窮屈そうに見える場合は一度掘り起こして株分けをし、再度植え直してあげましょう。
ガウラは生育旺盛なので、鉢植えの場合は根詰まりしないよう、年1回は植え替えをおすすめします。4〜6月ごろに鉢から一度出してやり、古い根を切り取って1/3くらいにしてから植え直すとよいでしょう。
ガウラの増やし方
ガウラは種と株分け、挿し芽で増やせます。生育期の暖かい時期に、ぜひトライしてみてください。