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芝生を庭に植える方法。主な品種や、育て方のポイントも解説

青々とした芝生の茂る庭に憧れる人は多いのではないでしょうか。芝生の種類は多く、地域や目的によってベストな芝生も異なります。芝生の植え方・主な品種・育て方のポイントなどを知り、自宅の庭ですてきな芝生を育てましょう。

芝生の種類

芝生の種類

芝生にはいくつかの種類があります。芝生を植える目的や気候によって、適した芝生は変わります。芝生を育て始める前に、まずは『芝生の種類』を把握しましょう。

暖地型「夏芝」と寒地型「冬芝」

大きく分けて、芝生には『夏芝』『冬芝』の2種類があります。温暖な気候に適しているのが夏芝、寒冷地に適しているのが冬芝です。夏芝は『暖地型』、冬芝は『寒地型』とも呼ばれます。

高温多湿な環境に強い夏芝は、蒸し暑い日本の夏でもよく育ちます。春になると生長を始め、気温が約10度を下回る11~3月頃は休眠期です。夏芝の例には『野芝』『バミューダグラス』などが挙げられます。

冬芝は通年で常緑を保ちます。暑さに弱いため、夏枯れのリスクに注意が必要です。気温が約15~20度の春・秋頃に生長します。冬芝の例には『ブルーグラス類』『ベントグラス類』などが挙げられます。

日本芝と西洋芝

夏芝・冬芝とは別に、『日本芝』『西洋芝』という分類もあります。西洋芝には夏芝・冬芝の両方がありますが、日本芝は夏芝だけです。

日本で自生していた品種の日本芝は、その名の通り日本の気候に適しています。西洋芝に比べると葉の生長が遅く、メンテナンスしやすいのがメリットといえるでしょう。日本芝の例には『野芝(ノシバ)』『高麗芝(コウライシバ)』が挙げられます。

海外原産の西洋芝は、やわらかく細い葉が特徴です。冬芝なら通年で芝生を楽しめます。寒地型の場合、北海道や東北地方での栽培がおすすめです。西洋芝の例には『バミューダグラス(夏芝)』『ブルーグラス(冬芝)』が挙げられます。

主な品種

主な品種

芝生にはさまざまな種類があり、用途によって使い分けます。芝生選びで迷ったときは、主な品種から選ぶと失敗しにくいでしょう。

日本全国に広く自生する野芝

本州全土に四国・九州と、日本全国に広く自生するのが『野芝』です。日本芝の中では耐寒性があり、比較的寒い地域でも自生しています。

野芝は病害虫・乾燥に強い芝です。ゴルフ場のラフにも使用されています。ゴルフボールの落下衝撃に耐えうるほど、野芝はタフな芝生といえるでしょう。他には道路脇や河川敷などでも見られます。

葉の幅は約4cm以上と広めで密度は低く、チクチクするのも野芝の特徴です。肥料をあまり必要としない上に生長が遅いので、頻繁にお手入れをする必要はありません。比較的管理しやすい芝生といえるでしょう。

日本で最もポピュラーな高麗芝

日本で最もポピュラーなのが『高麗芝』でしょう。管理がしやすく、一般家庭の庭に張られる芝としても人気です。高温多湿な日本の風土に適した芝で、東北地方以南の地域でよく見掛けます。

約1~4mmと野芝に比べて葉の幅は細く、高密度なのが特徴です。刈り込みによって、きめ細かく美しい芝生を作れます。病害虫に強いのは、野芝との共通点といえるでしょう。

一般家庭の庭以外での高麗芝の用途は、スポーツ競技場・公園・校庭など多岐にわたります。高麗芝には、より葉の細い『姫高麗芝(ヒメコウライシバ)』という品種もあります。

世界中の暖地で人気のバミューダグラス類

夏芝の『バミューダグラス類』は、世界中の暖地で人気を博しています。『ティフトン』『リビエラ』がバミューダグラス類の例です。日本では、関東より西の本州で生息しています。

生育適温が高かったり寒さに弱かったりと、西洋芝ながらバミューダグラス類は日本芝に近い性質を持っている芝生です。他の西洋芝に比べると、葉は色鮮やかで、幅は細めといえるでしょう。

踏みつけや擦切圧に強いため、バミューダグラス類はスポーツ競技場や公園などで使われています。生長が早いため、小まめなお手入れが必要です。

欧州の寒地で一般的なブルーグラス類

『ブルーグラス類』は、欧州の寒地で一般的な冬芝です。西洋芝ではポピュラーな芝生で、日本でも北海道や東北地方の北部で栽培されています。

『ケンタッキーブルーグラス』『ラフブルーグラス』がブルーグラス類の例です。その名の通り、青みがかった緑色の葉が特徴です。

西洋芝の中では、ブルーグラス類は比較的メンテナンスしやすいといわれています。病害虫に強く、生長が遅いのが理由です。踏圧にも強く、スポーツ競技場やゴルフ場・公園などで使われています。

お手入れのしやすさから、一般家庭でもブルーグラス類は人気です。ただし、暑さや乾燥に弱いため、芝生を張る地域を選ぶでしょう。

何を基準に選べばいいの?

何を基準に選べばいいの?

芝生の種類や品種を知ったところで、自宅で栽培する芝生選びで迷っている人もいるのではないでしょうか。芝生選びの二つの基準を踏まえ、自分に適した芝生を見つけましょう。

気候に適したものを選ぶ

芝生を栽培するなら、住んでいる地域の気候に適したものを選ぶとよいでしょう。夏芝・冬芝があるように、芝生には品種ごとに生育に適した気候があります。具体的には、北海道や東北地方なら冬芝、関東地方以西なら夏芝がおすすめです。

また、地域の気候だけでなく、芝生を張る場所固有の環境にも注意を払いましょう。降雨量が少なく乾燥がちだったり日当たりが悪かったりする場合、そうした環境に強い品種を探す必要があります。

どんなに質の良い芝生でも、土地の気候に合わず枯れてしまってはもったいないです。元気な芝生を楽しむためにも、土地や環境に合った芝生を選びましょう。

用途や見た目で選ぶ

気候や環境の他には、用途や見た目で選ぶ方法もあります。自宅の庭でゴルフのパッティングを練習したい場合、多くのゴルフ場のグリーンで使われているベントグラスを選ぶとよいでしょう。サッカーの練習をするなら、踏圧や擦切に強い芝生がおすすめです。

見た目で選ぶ場合、冬も緑色の芝生を楽しみたければ寒地型の芝生が適しています。密度が高く美しい芝生を好むなら、高麗芝や姫高麗芝がおすすめです。

また、生育速度が遅ければ、頻繁に芝刈りする必要がありません。一般的に西洋芝の方が生育速度が速いため、日本芝の方が手間を減らせる傾向にあります。

芝生を育てる床土作り

芝生を育てる床土作り

元気な芝生を育てるには、しっかりとした床土(とこつち)作りが重要です。生長はもちろん、病害虫の発生や根腐れにも床土は影響します。床土を正しく作り、長く芝生を楽しみましょう。

雑草や石を除去する

床土を作る際は、事前に雑草や石を除去しましょう。芝生の根は床土に張ります。雑草や石があると、芝生が根付くのを邪魔したり、芝刈り機の刃を傷つける原因になったりします。

すべての石を取り除く必要はないので、大きな石を中心に取り除きましょう。目の細かい『土ふるい』を使うのもおすすめです。

反対に、雑草は草刈機や手を使ってしっかり取り除きます。うまく取り除けない場合は、除草剤を使ってもよいでしょう。床土に雑草が残ったままだと、芝生を張ってからも雑草が生えてしまいます。

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