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芝生を庭に植える方法。主な品種や、育て方のポイントも解説

土を耕し床土を作る

芝生が好むのは、水はけの良い土です。水はけの良い床土を作るため、庭の土を耕しましょう。最初は、庭の土を約15cm耕します。まだ石や雑草が残っていれば、ここでしっかり取り除きましょう。

もし庭の土が粘土質な場合、腐葉土や砂を混ぜ込むとよいでしょう。粘土質の土は吸水性・排水性が悪く、病害虫や根腐れの原因になります。

水はけを良くするため、約4~5cmの厚さで砂を平らに敷きましょう。砂を敷いた上から、芝生の床土用の土を約3cm敷きます。芝生の床土用の土は、ホームセンターや園芸店などで購入可能です。全体に散水したり足で踏んだりして、土を固めましょう。

緩やかな傾斜をつけ表面を均一に

表面の水はけを良くするために、緩やかな傾斜を土につけます。雨水枡(うすいます)や水溝の方に水が流れるように、傾斜をつけるとよいでしょう。

傾斜がついたら、傾斜を残しつつスコップやレーキなどで土の表面を均一に整えます。これで床土作りは終了です。

この上から芝を張り、芝生同士の間に目土(めつち)を入れましょう。目土は芝生の上にまく土で、ホームセンターや園芸店などで購入可能です。ホウキやトンボなどで均一に目土をまいたら足で踏み固め、最後にたっぷり水やりしましょう。

芝生の植え方のパターンは三つ

芝生の植え方のパターンは三つ

芝生の植え方には、『種まき』『芝生シート』『まき芝』の3パターンがあります。それぞれのメリットや特徴を踏まえ、適切な方法で芝生を植えましょう。

種まきをする

芝生の種まきの適期は、3~5月頃です。秋の9月頃も、芝生の種まきには適しています。

耕した土に、まんべんなく芝生の種をまきましょう。種をまいた後は、種を隠すように薄く均一に目土をかけます。目土をかけ過ぎると発芽の妨げになるため、注意が必要です。

トンボやレーキなどで軽く土を締め固めたら、たっぷり水を与えます。水圧で種が飛び散らないように、やわらかい水の出るジョウロやホースを使いましょう。種まきから約1週間~10日で発芽するため、それまでは乾燥させないよう適宜水やりをします。

芝生シートを張る

芝生シート(切り芝)を張るのも、芝生の植え方の一つです。張芝法(はりしばほう)とも呼ばれます。芝生シートの並べ方によって、張芝法はさらに細分化されます。

代表的なのは、隙間なく芝生シートを張り付ける『ベタ張り』です。多くの芝生シートを要するため費用はかかりますが、庭一面をすぐに芝生にできるでしょう。

市松模様に芝生シートを並べる『市松張り』は、コストがかからない方法です。庭一面が芝生になるまでに時間を要するため、芝生ができるまでの過程を楽しみたい人に向いています。

芝生シートを並べたら隙間に目土を入れ、軽く土を締め固めます。芝生シートを張ってから約2週間は、しっかり水を与えましょう。

まき芝をする

まき芝とは、約10cmの長さに切った芝生の匍匐茎(ほふくけい)を土にまく方法です。匍匐茎とは、地面を這うように伸びる茎のことです。庭一面を芝生にするまでに時間がかかるものの、低コストで芝生を作れます。

床土に深さ約4cmの溝を約5cm間隔で掘り、そこに匍匐茎を植え付けます。このとき、匍匐茎は半分ほど葉が地上に出るようにしましょう。この後は上から目土をかけ、しっかり締め固めます。

床土に芝生が根付くまで、乾燥させないよう注意が必要です。まき芝から約1~2週間は、たっぷり水を与えましょう。

植えた後の管理はどうする?

植えた後の管理はどうする?

どんな方法で芝生を植え付けても、床土に芝生が根付くまでには時間がかかります。植えた後に正しく管理することで、しっかり芝生を庭に根付かせられるでしょう。

根付くまでの水やり

芝生が根付くまでの水やりは、基本的に朝に行いましょう。根付くまでは水分吸収力が弱いため、水切れに注意が必要です。土の表面が乾いていたら、たっぷり水を与えましょう。1回に与える水が少ないと、土の表面にたまる水を根が求めるため、深く根付かない原因になります。

水を与える頻度は、暑くなるにつれて増やしましょう。発芽・生育の適温を下回る12~1月頃は、芝生の植え付けには適しません。水を与える頻度の目安は、次の通りです。

  • 2月:約3~4日に1回
  • 3月:約2~3日に1回
  • 4月:1~2日約に1回
  • 5~9月:毎日1回(特に暑い夏の日は朝晩2回)
  • 10月:約1~3日に1回
  • 11月:約2~4日に1回

梅雨時や台風接近時など、しっかり雨が降った場合は、目安の頻度で水やりする必要はないでしょう。芝生が根付いてきたら、水やりのペースを落としても構いません。

養生期間を取る

芽が約2cmに伸びるまでは、養生期間を取ります。その間は、芝生の上を歩かないようにしましょう。上を歩くと芝生がずれてしまい、根付くまでに時間がかかる原因になります。

水やりで芝生に立ち入る場合は、目地(芝生同士の間)をそっと歩きましょう。ペットや子どもがいる家庭の場合、養生期間中は庭で遊ばせないよう注意が必要です。

芝生を植え付けて目土をかけた後、水を通す不織布で種まきした場所を覆いましょう。四隅は竹串や重石で固定します。保湿・保温効果と、雨による土の流失や食害の防止効果が期待可能です。芽が約1cmになったら、不織布を外しましょう。

シーン別お手入れのポイント

シーン別お手入れのポイント

根付いた後も、芝生には『水やり』『施肥』『芝刈り』『除草』といったお手入れが必要です。各お手入れシーンのポイントを押さえ、きれいな芝生をキープさせましょう。

水やりの方法

芝生の水やりは、状態を観察しながら行いましょう。住んでいる地域や環境によっても異なりますが、春と秋は約2~3日に1回、夏は毎日水やりをします。夏の暑い時期は朝晩2回与えてもよいでしょう。冬の水やりは冬芝だけで、休眠期の夏芝には必要ありません。

水やりのタイミングは、比較的涼しい朝のうちがおすすめです。日差しの強い夏は、日中に水を与えないようにしましょう。日中に水やりをすると根が蒸れて、傷む可能性があるためです。

水やりでは、たっぷり水を当てましょう。深くに潜った土まで、しっかり水が染み込むようにします。ただし、水を与え過ぎると根腐れの原因になるため、芝生や土の状態を見ながら調整しましょう。

肥料の施し方

芝生に肥料を与える時期は、芝生の生育期がよいでしょう。具体的には、4~9月頃を指します。ただし、肥料焼けを防ぐために猛暑の施肥は避けるため、実際に肥料を与えるのは4~7月頃や9月下旬頃です。

与える肥料は、市販の芝生専用肥料です。市販の芝生専用肥料の多くには、チッ素・リン酸・カリ(カリウム)が同じくらいの比率で含まれています。液体肥料なら毎週1回、粒状肥料なら毎月1回が、施肥の目安です。ただし、肥料の説明書に従って施肥の頻度・量・液肥の希釈を調整しましょう。

芝刈り作業

美しい芝生をキープするには、芝刈り作業が欠かせません。芝生を植え付けた後、約5cm以上に芝生が伸びたら、芝刈りを始めましょう。

日本芝は月に約3回、西洋芝は月に約1~3回が芝刈りの目安です。目安通りでなくても、伸びたと感じたら芝刈りして構いません。

効率的な芝刈りには芝刈り機がおすすめです。庭の四隅や刈り残しなど、芝刈り機の手が届かないところを刈るために、芝刈りバサミがあると便利でしょう。

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