MENU

エンジェルトランペットの毒性とは?毒の特徴や症例を解説

エンジェルトランペットは大きなラッパのような花を咲かせ、ガーデニングでも人気の品種です。しかし、名前や花の美しさとは裏腹に、とても強い毒性をもっているのです。この記事ではエンジェルトランペットの毒性について詳しく解説し、注意点を紹介します。

毒性のあるエンジェルトランペットとはどんな花?

毒性のあるエンジェルトランペットとはどんな花?

「エンジェルトランペット」をご存じでしょうか?ダチュラ(チョウセンアサガオ)の近縁種で、大きなラッパのような花を咲かせてガーデニングでも人気の品種です。 しかし、このエンジェルトランペットは名前や花の美しさとは裏腹に、とても強い毒性をもっているのです。 この記事ではエンジェルトランペットの毒性について詳しく解説し、毒に対する注意点を紹介します。

エンジェルトランペットの基本情報

エンジェルトランペットの基本情報
科・属ナス科・ブルグマンシア属
和名キダチチョウセンアサガオ
英名Angel’s Trumpet
学名Brugmansia spp.
花の色淡黄色、オレンジ、ピンク、白など
原産地中南米
開花時期春から秋にかけて

エンジェルトランペットはどんな毒性をもっているのか?

エンジェルトランペットはどんな毒性をもっているのか?

エンジェルトランペットの毒には、アトロピンやヒヨスチアミン、スコポラミンなどの トロパン アルカロイド類が含まれています。これらの有機化合物は、副交感神経の遮断や中枢神経の麻痺、脈拍の亢進や血圧の上昇、瞳孔の散大といった症状を起します。 エンジェルトランペットの植物塩基は有効に利用すれば薬の原料にもなりますが、そのままでは身体に対する毒となります。

エンジェルトランペットの毒性の症状

エンジェルトランペットの毒性の症状

人体に有害な毒をもつとされるエンジェルトランペットですが、その毒を摂取したらどのような症状が起きるのでしょうか? エンジェルトランペットの毒の症状をまとめました。

せん妄や幻聴・錯乱など

エンジェルトランペットの毒を取り込むと意識に障がいが現れます。 せん妄や幻聴・幻覚などの症状がよくみられ、ときには錯乱が起きるなど外部に危害を及ぼす可能性もあり大変危険です。

意識不明や呼吸停止の危険性

エンジェルトランペット毒は意識だけでなく身体にも害を与えます 。嘔吐や痙攣、さらには呼吸困難のような重篤な症状を引き起こす場合もあります。また、瞳孔が開いたままになる散瞳もエンジェルトランペットの中毒でよくみられる症状です。

汁液は皮膚の炎症や散瞳も起こす

エンジェルトランペットの毒を含んだ汁液が皮膚に付着すると炎症を起こす場合があります。また、傷口や粘膜などから体内に入るケースもあり、 目に入れば失明する可能性もあります。

エンジェルトランペットの中毒事例

エンジェルトランペットの中毒事例

エンジェルトランペットの毒は食中毒を引き起こし、たびたびニュースになることがあります。 ここでは過去のエンジェルトランペットの中毒事例をご紹介します。

「チョウセンアサガオかき揚げ事件」

2007年に福岡県で、チョウセンアサガオの果実をかき揚げにして食べた家族が、中毒症状を訴えて救急搬送される事件がありました。 この事件は調理をした母親が、オクラとチョウセンアサガオの果実を間違えたことを発端として起こりました。

「野草茶中毒事件」

2013年大阪で、石垣島産の野草茶を飲んだ2名が強い中毒症状を訴えました。 調査の結果、この野草茶には原料にキダチチョウセンアサガオの混入が確認されました。 お茶からはスコポラミンやアトロピンなどの成分が検出され、販売元で自主回収となっています。

そのほかにも中毒事例は多数ある

上記の事件以外にもエンジェルトランペットの中毒事件は数多く発生しています。 そのほとんどが、他の野菜と間違えて食べてしまったことによる食中毒ですが、なかには故意にエンジェルトランペットを混入させた悪質な事例も存在します。

エンジェルトランペットと毒性の注意点

エンジェルトランペットと毒性の注意点

摂取すると重篤な中毒症状を起こすエンジェルトランペットですが、園芸種としては大変魅力的な植物です。 では私たちはエンジェルトランペットの毒性に対してどのように付き合うべきなのでしょうか?

果実や蕾を誤認しない

エンジェルトランペットの中毒事例のほとんどが、ほかの野菜類と間違えて食べてしまったことから発生しています。 特にエンジェルトランペットのつぼみのかたちはオクラと間違えやすいので注意が必要です。また、エンジェルトランペットの種はゴマに、葉はモロヘイヤ、根はゴボウにそれぞれ似ているので、これらの野菜の近くでは育てないほうが良いでしょう。

傷口や目に入れないように注意!

エンジェルトランペットの毒は経口摂取以外にも傷口や粘膜などから身体に取り入れてしまうことがあります。 「傷のあるときは触らない」、「触ったあとに目をこすらない」などのルールを徹底して厳守しましょう。

まとめ

エンジェルトランペットは大振りの花が美しい植物です。寒さや暑さにも比較的強く、育てやすいために園芸種としても人気があります。 しかしエンジェルトランペット全体に含まれる毒には気を付けなくてはいけません。 一歩誤れば命を危険にさらすことになりますので、エンジェルトランペットの毒性についてはしっかりと認識しておきましょう。

よかったらシェアしてね!