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ヴェロニカとはどんな花?特徴と種類・花言葉・育て方を紹介

ヴェロニカは、欧州を原産とするオオバコ科クワガタソウ属の多年草です。ヴェロニカの種類・品種は世界中に300種以上あり、紫や青を中心に、ピンクや白など、爽やかな色合いの花を咲かせます。ヴェロニカの特徴と種類、花言葉、育て方を紹介します。

ヴェロニカとはどんな花?

ヴェロニカとはどんな花?

ヴェロニカは、青紫色をはじめに、白やピンク、黄色などさまざまな花色や形が美しい花を咲かせる、日本でも馴染みの深い植物です。草丈が高い種類から、地面に沿って成長する品種まであります。広く流通している品種は、改良された這い性種が多く、ヴェロニカ・オックスフォードブルーはもっともポピュラーな園芸品種です。

ヴェロニカの基本情報

ヴェロニカの基本情報は以下の通りです。

科・属:オオバコ科・クワガタソウ属 和名:ヴェロニカ(ベロニカ) 英名:Speedwell 学名:Veronica 花の色:紫、青、ピンク、白、黄 原産地:ヨーロッパ、北アジア 開花時期:4~11月頃

ヴェロニカの特徴

ヴェロニカは、ヨーロッパや北アジアを原産とした植物で、日本でもおよそ20種が全国に分布しています。穂のような花をつけ、直立に伸びる高性種のタイプや小花を咲かせる這い性のタイプもあります。基本的に暑さや寒さに強い性質を持ち、庭植えでしっかり根が張れば、水やりも少なくてすむ育てやすさも魅力です。

ヴェロニカの開花時期や見頃の季節

ヴェロニカの開花時期や見頃の季節

ヴェロニカは春咲き、夏咲き、秋咲きと種類によって開花時期は異なりますが、およそ4月~11月頃、初夏から晩秋まで、多様な花姿や花色が楽しめます。ヴェロニカ・オックスフォードブルーは3~5月頃が見頃で、一度根付けばほとんど手入れを必要とせず、毎年鮮やかな青紫の花を咲かせてくれます。

ヴェロニカの花名・花言葉の由来と誕生花

ヴェロニカの花名・花言葉の由来と誕生花

ヴェロニカは立ち姿が美しく、爽やかな色合いの花を咲かせる人気の植物です。たくさんの種類・品種がありますが、ヴェロニカの花名とヴェロニカ全般の花言葉の由来、誕生花の日を確認してみましょう。

ヴェロニカの花名の由来

ヴェロニカの学名「Veronica」は、もともとは「Vettonica(ベットニカ)」と呼ばれていたものが転訛し、ヴェロニカと表記されるようになりました。聖女ヴェロニカにちなむとの説もありますが、直接的な関連性はないとされています。

ヴェロニカの花言葉の由来

ヴェロニカの花言葉は「忠実」「名誉」で、聖女ヴェロニカが由来となっています。聖女ヴェロニカとは、敬虔なキリスト教徒の女性で、イエス・キリストが十字架を背負い、ゴルゴタの丘に向かう最中に、汗や血をぬぐう布を差し出します。彼女に返された布には、キリストの顔があらわれたという奇跡から、「忠実」「名誉」、西洋での「female fidelity(女性の忠節)といった花言葉がつけられました。

ヴェロニカが誕生花の日

ヴェロニカを誕生花とする日は「5月28日」「6月16日」「6月20日」になります。キリスト教の神聖なイメージを持つヴェロニカは、気品や知性ある女性へのプレゼントにぴったりの花です。

ヴェロニカの種類・品種

ヴェロニカの種類・品種

ヴェロニカは300種類ほど世界中に生息しており、改良品種がたくさん出回っています。種類・品種によって花期や見た目が異なるため、春先から晩秋までさまざまな花姿や花色を堪能できます。繁殖力は強いですが、広がり過ぎることもなく、初めて育てる方でも扱いやすい植物です。

ヴェロニカ・スピカータ

ヴェロニカ・スピカータは、ヨーロッパやアジアを原産とする穂状の花を咲かせる多年草で、原種は乾燥した地を好みます。ヴェロニカ・ロンギフォリアと似ているため、見分けるのは困難とされていますが、ロンギフォリア種と比べると、小さく育ちます。初夏から秋にかけて開花し、青色や紫色をはじめ、ピンクや白の花が咲く園芸品種も流通しています。

ヴェロニカ・ロンギフォリア

草丈が高く直立して茎が伸び、穂状に長く小さな花が咲く大型種のヴェロニカ・ロンギフォリア。花壇や庭植えの際に、縦方向へのよいアクセントになり、植栽を引き立てる背景やイングリッシュガーデンとの相性のよい花です。夏~秋頃が開花時期で、日当たりと風通りのよい場所を好みます。とても丈夫で手入れもしやすく、切り花用の園芸品種もたくさんあります。

ヴェロニカ・グレース

ヴェロニカ・グレースは、ニュージーランドが原産の常緑多年草です。ヴェロニカ・スピカータと同様に、ヴェロニカ・ロンギフォリアと似た形をしていますが、ロンギフォリアほど背丈も株も大きくなく、徐々に緑色から光沢と厚みのある深紫に変化する葉色が特徴的です。また花色も紫色から白みがかってくる様子も楽しめます。寄せ植えの素材に用いられることが多く、カラーリーフとしても人気があります。

ヴェロニカ・オックスフォードブルー

ヴェロニカ・オックスフォードブルーは、ヴェロニカ・ペドゥンクラリスの改良種で、地面を覆うように成長する這い性の性質を持つ品種です。オオイヌノフグリによく似ており、初夏に青い小花をたくさん咲かせます。ガーデニングで花壇の周りに植えて、グランドカバーにすることで雑草対策に活用できます。花色は青紫色をはじめ、青や白、ピンクなど豊富にあります。次第に葉色も緑からブロンズ色に変わり、秋冬になると、より深い色合いに紅葉します。

ヴェロニカの育て方・栽培方法

ヴェロニカの育て方・栽培方法

ヴェロニカは改良種を含めてもたくさんの種類・品種が存在するため、1年を通して美しい花が楽しめます。春咲きの品種は9~11月頃、秋咲きは4~6月頃に植え付けるとよいでしょう。種類によっては夏越しや冬越しをさせるための工夫が必要になります。

適した栽培環境

ヴェロニカは日当たりがよく、水はけのよい肥沃な土地を好みます。耐暑性・耐寒性ともに強いため、初心者でも育てるのは難しくありません。もともとは海岸や草原、高地など種類によって自生地は異なり、新しい環境への適応力が高い花でもあります。やや高温多湿は苦手な性質がありますが、手入れをほとんど必要とせず、よく花を咲かせます。庭植えで暑さを苦手とする品種は、夏季は西日が当たらないような半日陰の場所で育ててください。寒さに弱い品種は、腐葉土などのマルチング材で凍結を防ぐ対策を施しましょう。

水やり・肥料

ヴェロニカは基本的に乾燥した用土を好むため、庭植えの場合、植えて根がしっかり張ったら水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、乾燥しすぎると葉が枯れることもあるので、用土が渇いてきたら水をたっぷり与えるとよいでしょう。また水切れは花つきが悪くなる可能性があるため、開花前の春先には多めに水をあげてください。肥料を与えるのは、花が咲く前の春先に液体肥料を、芽が成長する秋には緩効性肥料を置き肥します。

気をつけるべき病害虫

ヴェロニカを育てるのに気をつけるべき病害虫は、うどんこ病と灰色かび病、アブラムシです。作物や草花の種類によってうどんこ病の種類は異なるため、他の植物を並べて育ててもうどんこ病のカビは広がりません。灰色かび病も日当たりや風通しが悪い環境だと発生しやすくなるので、できるだけ密集させず、蒸れないように育てましょう。アブラムシは窒素が多い肥料の与えすぎや風通しの悪さから発生します。栽培しているときは、小まめにアブラムシがついていないかチェックして、できるだけ早く駆除することをおすすめします。

ヴェロニカと同じ科の花

ヴェロニカと同じ科の花

オオバコ科の植物は、現在1700種以上生息するといわれており、旧分類のオオバコ属は日本に4種ほどが自生しています。オオバコ科にはクガイソウ属、クワガタソウ属、オオバコ属、ウンラン属、キンギョソウ属、アンゲロニア属などさまざまな種類があります。

オオイヌノフグリ

ヴェロニカと同じオオバコ科クワガタソウ属の花に、オオイヌノフグリがあります。別名ヴェロニカ・ジョージアブルーと呼ばれるヴェロニカ・オックスフォードブルーは、オオイヌノフグリより少し大きく、青紫色の濃さも異なります。2~5月頃が開花時期で、春先が旬の季節です。ヨーロッパ原産の草花ですが、現在は日本でも日当たりのよい道端や草地、公園などに自生しています。

ジギタリス

ジギタリスは、ヨーロッパを原産とするオオバコ科ジギタリス属の花です。和名で「狐の手袋」と名づけられていますが、英名の「Foxglove(フォックスグローブ)」がそのまま使われています。連なって咲く釣鐘型の花の内側には斑点があり、種類・品種ごとに大きさや花色は異なります。白やピンク、オレンジ、黄、紫など色のバリエーションも豊富で、優雅な花姿は洋風ガーデンに最適です。5~7月に美しい花を咲かせますが、毒性が強いため、誤食には注意が必要です。

リナリア

ヴェロニカと同じオオバコ科のリナリアは、ウンラン属に分類される植物です。3~7月が開花時期となり、リナリアの一番の見頃は春から初夏。ピンクや赤、紫、黄色など色とりどりの淡い色合いの花を咲かせ、寄せ植えや花壇で育てるのに適しています。別名「姫金魚草」とも呼ばれ、金魚草に似た可愛らしい姿形をしています。園芸品種は多数流通しており、地中海地方原産のビパルティア種やモロッコ原産のマロッカナ種などがあります。

まとめ

ヴェロニカは爽やかな青や紫の花色が印象的な多年草の植物です。グランドカバーや寄せ植え、イングリッシュガーデンにぴったりなので、春から秋にかけて色鮮やかな花姿を楽しんでみませんか。

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