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月下美人の上手な育て方。水やりや肥料、植え替えの方法を解説

月下美人は、1年に1日しか花を咲かせない花といわれていますが、株の体力次第では何度も蕾を付け、開花を楽しめます。『水やり』『肥料の与え方』『植え替え』のコツを押さえ、日々のお手入れを充実させることで開花のチャンスを増やしましょう。

月下美人を育てる前に

月下美人を育てる前に

まずは、月下美人の基本情報をチェックしましょう。月下美人の特徴や栽培に必要なものをご紹介します。

高温多湿を好むサボテン科の植物

月下美人は、中南米を原産とするサボテン科の多肉植物です。高温多湿な生育環境を好み、生育環境の適温は8~10度以上となっています。そのため、日本で育てるには『冬場の温度管理』が重要といえるでしょう。

『1年に1日しか開花しない』といわれていますが、株の体力が回復すれば、年に複数回の開花を楽しめます。逆に、1度も咲かないケースももちろんあります。

育てるために必要な準備

季節ごとに温度管理をする必要があるため、月下美人は地植えではなく鉢植えで育てる方が向いています。根腐れを起こさないように、通気性の良い『素焼きの鉢』を準備しましょう。鉢底石と鉢底ネットも準備しておくと、水はけの良い状態をキープできるのでおすすめです。

土をブレンドする場合は、『赤玉土:腐葉土:鹿沼土=5:3:2』に、リン酸を含む化成肥料を混ぜたものを準備します。リン酸には、開花を促す効果があります。

育て方の基本

育て方の基本

『植え付け』『水やり』『肥料』の方法も確認しておきましょう。生長期である春から秋には、水も肥料も積極的に与え、休眠期である冬はじっくりと様子を見ていくのが基本スタイルとなります。

植え付けの時期は5~9月

月下美人は、株を購入して鉢植えで育てるのが一般的です。園芸ショップやホームセンターで購入できますので、元気な株を選びましょう。虫が付いておらず、葉にシワがないものを選ぶとよいです。

購入してきた株は、5~9月の間に鉢へ植え付けます。ただし、日差しの強い真夏の期間は避けた方が無難です。植え付け直後は日陰で育て、徐々に日光に慣らしましょう。

植え付けた根が落ち着いたら、適度な日当たりをキープできる場所に置きます。日差しが強過ぎると葉が枯れる原因になりかねません。春と秋は半日陰に、夏は明るい日陰に置くのがベストです。冬は温度管理のため、日当たりを確保しつつ室内で育てましょう。

季節に合わせた水のやり方

月下美人は、多肉植物の中でも水を好む方です。4~10月の生育期には、土が乾いた頃合いに、鉢底から流れ出るほどたっぷりの水を与えましょう。

11~3月の冬場は、休眠期に当たります。この時期には、土を軽く湿らせる程度の水を与えましょう。頻度は月2~3回くらいを目安に、そして水の量は少なめに与えるのがポイントです。

水やりの際には、『根腐れ』にも注意しましょう。元気がないと感じたら、水やりを少し控えてみてください。それでも改善しなければ、株を鉢から抜き、腐った根を取り除いて、新しい土に植え替えます。

肥料を与えるポイント

月下美人を開花させるには、株を大きく育てる必要があります。適切な肥料を与えて、しっかりと大きく育てましょう。とはいえ、肥料を与えるのはあくまでも生育期の春~秋のみです。冬は追肥の必要がありません。

葉と茎ばかりが育って「株が大きくならない」というケースもありますので、窒素よりもリン酸を多く含む肥料がおすすめです。購入後の株には錠剤や粒状の『緩効性肥料』を与えて、植え付け時には用土にも混ぜておきましょう。

2回目以降の追肥では、月に1回は『緩効性肥料』を与え、それ以外にも液体状の『即効性肥料』を2週間に1回与えるのが効果的です。

月下美人がある程度育ったら

月下美人がある程度育ったら

月下美人は背丈が高く伸びる植物で、大きいものでは1m以上にもなります。ある程度育ったら剪定や挿し木をして、生長を促したり増やしたりしてみましょう。

大きく育てるための植え替え

月下美人は、育て方次第では1m以上の高さに生長します。大きく伸ばしたい場合は、様子を見ながら1~3年に1回のペースで『ひと回り大きな鉢』に植え替えましょう。植え替え時期は、気温が高く生長期でもある5~9月がおすすめです。

植え替えの手順は、株を植え付けるときと同じです。根が張るまでのおよそ1カ月間は、日陰で管理しておくとよいでしょう。

剪定は切り戻し

月下美人の剪定(せんてい)に適切な時期は、9~10月の開花期後半です。花を咲かせたことがない株、もしくは花数の少ない株に行います。剪定の種類としては、不要な部分を取り除く『切り戻し』が最適です。

月下美人には、株が大きくなるほどに開花しやすくなるという特徴があります。剪定し過ぎると、株の生長も止まりますので注意が必要です。

また、生育するにつれて、根元から『シュート』と呼ばれる棒状の茎が伸びてきます。ここが伸び過ぎると蕾が付きにくくなりますので、出てきたら好みの高さで切り戻しましょう。シュートを切ったところから、花芽が出てきます。

枯れている茎や葉は、根元から切り落としても問題ありません。ただし、『シュート』は根元から切ってしまうと新しい茎が伸びなくなってしまいます。

挿し木で簡単に増やせる

月下美人を育てているうちに、「もっと増やしたい」と思ったことはありませんか?そんなときは、剪定や植え替えで切り取った『茎』を使って、挿し木にもチャレンジしてみましょう。

挿し木のやり方は、用意した土に月下美人の茎を挿すだけです。植え付けと同じく、生育期に当たる5~9月が挿し木に向いています。

害虫や病気に注意しよう

害虫や病気に注意しよう

月下美人が特に害虫や病気に弱いというわけではありませんが、開花を妨げるリスクはなるべく取り除きましょう。万が一害虫や病気を見つけた場合は、早めの対処をおすすめします。

カイガラムシは早めに対処

月下美人に付きやすい害虫には、カイガラムシやアブラムシ、ハダニなどがあります。葉や茎の状態を毎日チェックしておけば、害虫が付いても早めの対処が可能です。害虫を見つけたら、薬剤を使って除去しましょう。

表面が硬い殻で覆われた白い虫を見つけたら、それがカイガラムシです。風通しの悪い場所で発生しやすいため、通気性の良い場所に置くことで予防できます。

赤枯れ病やすす病に注意

根腐れや害虫が、病気を引き起こすこともあります。特にかかりやすいといわれる、『赤枯れ病』と『すす病』について見ていきましょう。

『赤枯れ病』は、葉が茶色に変色して枯れてしまう病気です。傷んだ葉と腐った根を取り除き、新しい土に植え替えることで改善できます。赤枯れ病の主な原因は根腐れや根詰まりですので、水をやり過ぎないことが予防への近道です。

『すす病』は、アブラムシやカイガラムシのフンが原因となる病気です。葉に黒い点が出たり、黒ずんだりするもので、生育にも大きな影響を及ぼします。症状が出たら、殺菌剤を塗布するのが有効です。範囲が狭い場合は、病変した箇所だけを切り落とすという手もあります。

まとめ

月下美人は、春から秋に生育期を迎える植物です。植え付け・受け替えの方法をチェックして、適切な時期から育て始めてみませんか?

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