ドラセナへの肥料の施し方。タイミングや肥料切れサインをチェック
ドラセナはシャープなフォルムで、癒やしと共に洗練されたおしゃれな空間作りをしてくれる観葉植物です。丈夫なので初心者でも気軽に生育できますが、時には元気がなくなってしまうこともあります。そんなときに必要な、肥料の種類や与え方を紹介します。
ドラセナに施す肥料の基礎知識
ドラセナに限らず、観葉植物を丈夫に育て続けるには『肥料』が必要不可欠です。
適切に与えれば植物も喜びますが、タイミング・量・種類などを間違えると、枯れてしまうこともあります。ドラセナへの正しい栄養補給法を見てみましょう。
肥料の役割
観葉植物にとって生きていく活動の源は『肥料』です。人間が食物を摂り入れるのと同じように、土や水の中の栄養分を吸収し育っていきます。
代表的なものとして、葉や茎を元気に成長させる『N(チッ素)』、花や実の付きをよくしてくれる『P(リン酸)』、根元の成長を促す『K(カリウム)』の三つがあります。
『元肥』と『追肥』の違い
『元肥(モトゴエ)』は、植物を育てる前にあらかじめ用意しておく肥料のことです。最初の生育を助けてくれるものなので、肥料の効果が持続する『緩行性』や『遅効性』のものを選びましょう。
一方、『追肥(ツイヒ・オイゴエ)』は、生育過程で元気がなくなってしまったときに与える肥料です。すぐに効果を発揮してくれる速効性のものを選びましょう。
また、追肥にはよい芽を出すために与える『芽出し肥』、開花・収穫後などシーズンを終えたときなどに与える『お礼肥』、鉢植えの土に置くだけの『置き肥』があります。
肥料の種類は大きく4種類
肥料は、原料別に『有機質肥料』『無機質肥料』、形状別に『固形肥料』『液体肥料』の四つが存在します。
『有機質肥料』とは、動物の糞や腐葉土などの有機物から作られた肥料で、植物を育てる上で必要な土の環境を元からよいものにしてくれます。緩やかに持続しながら栄養を与えるため、土の濃度が極端に濃くなる心配がなく、植物にとって優しく効いてくれます。
『無機質肥料』は、化学的に作られた肥料のことです。植物が必要とする3大栄養素の配分を細かく調整することができ、吸収しやすいため速効性があります。多くの種類が希釈してから使用するタイプなので、有機質肥料と比べると経済的です。
『固形肥料』は用土の上に置くことで、じわじわと成分が溶け出してくれるので簡単に使用できます。『液体肥料』は水やりのついでに手軽に与えられ速効性がありますが、効力は短くなります。
ドラセナに追肥する時期と頻度
肥料は、生育する上で必要な栄養なので、与えるタイミングや量を守ることが重要です。与えすぎてしまったり、適していない種類のものを与えたりすると逆効果になってしまうこともあります。
ドラセナに適した肥料の与え方を紹介します。
あげる時期と頻度
ドラセナは、成長期の『4~10月』にしっかり肥料を与えましょう。
栽培がはじめてのときは、扱いやすい『液体肥料』がベターです。希釈タイプを使う際は説明書きにそって薄め、2週間に1回の頻度で与えます。
新芽や根張りの強化、健康維持を目的とする場合は、土の上に置いてじっくり効果が出る『置き肥』を2カ月に1回ほど与えます。このとき、根や幹を傷めないよう、生えているところから少し離れた場所に置くようにしましょう。
休眠期に入ってからは、肥料を与える必要はありません。
施し方のポイント
ドラセナの葉色が薄くなった場合、栄養不足が考えられます。肥料切れのサインを見逃さないよう、適切に施すことが大切です。
成長を促したい場合や、ピークを終え休む前には、刺激が少なくじわじわと栄養を与えてくれる『緩行性肥料』を与えてあげましょう。用土の上に置いたり、混ぜ込んだりして栄養補給させます。
葉に元気がないなど、すぐに解消してあげたい成長の悩みは『速効性追肥』を施します。土に混ぜ込むよりも葉に吸収させてあげると養分を早く吸収するので、通常よりもさらに薄めたものを葉に直接スプレーして与えましょう。
肥料切れのサインと必要な成分
ふとした瞬間にドラセナを眺めると、いつもと様子が違って見えることがあります。それは『成長するための栄養が不足している=肥料切れ』を訴えているのです。
どんな状態が肥料を求めているのか、見てみましょう。
葉色が薄い場合『 N(チッ素)』不足
『N(チッ素)』は、『葉肥(ハゴエ)』といわれ、葉や茎の成長を促進させ、葉の色を濃い緑色にしてくれる栄養素です。不足してしまうと、大きく育たなかったり、葉の色が薄くなったりしてします。
直射日光に当たりすぎてるわけでも、寒い環境に置いているわけでもないのに、葉の色が黄みがかって薄くなってくるようであれば、肥料不足が考えられます。
全体的に弱々しい場合『 K(カリウム)』不足
『根肥(ネゴエ)』とされる『K(カリウム)』は、根の成長を促進し、また病害虫への抵抗力を高める効果があります。株自体を丈夫にし、寒さに強くなるよう助けてくれる栄養です。
不足してしまうと根張りが弱くなって、根腐れなどが発生します。また、全体的に元気のない様子になり、生育不良となった葉は黄色く変色します。
枝葉が減り花付きが悪い場合 『P(リン酸)』不足
根の成長を助ける役割も担い、花や実の付きをよくする『花肥(ハナゴエ)』または『実肥(ミゴエ)』とされる栄養素が、『P(リン酸)』です。葉を楽しむ観葉植物で不足することはあまりありません。
不足してしまうと、枝葉や根の数が減ってしまい、深い緑色の葉の色が茶色く変色してしまいます。
また、ドラセナは育てていると数年~十数年に一度花を咲かせることがあります。適量与えておくことで、奇跡の花が見られるかもしれません。
追肥におすすめの肥料
ドラセナは丈夫で育てやすいですが、元気でキレイな状態を長持ちさせてあげるには『追肥』が不可欠です。さまざまな種類が販売されている中から、初心者でも扱いやすい肥料を2つ挙げていきます。
無臭タイプの有機肥料 花ごころ『グリーンそだちEX IBのチカラ 500g』
『グリーンそだちEX IBのチカラ』は置き肥タイプで、栄養分の溶け出すスピードがとてもゆっくりなので、優しく無駄なく必要な栄養が吸収できます。