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オレガノの種類・品種一覧|品種別の特徴と違いの見分け方

オレガノの葉にはすっきりとした香りがあり、ハーブとして料理などに利用されています。オレガノの多くはオリガヌム類を指していますが、近縁種のアマラクス類やマヨナラ類を含めてオレガノと総称することもあります。

オレガノとはどんな花?

オレガノとはどんな花?

オレガノの葉には苦味とピリッとした刺激があり、乾燥させたものは香辛料として用いられています。イタリアやスペイン、北アフリカなどの地中海沿岸地域では、昔から料理に多く使われてきました。オレガノの風味は土壌や気候、収穫時期に左右されるといい、暑さと乾燥の中で育ったものは力強く刺激的な風味を持ちます。

また、オレガノは古代ギリシャ・ローマ時代から鎮痛剤や芳香剤としても利用されていました。現代でも胃の不調や消化不良、風邪に効く内服薬として、または筋肉痛や関節のこわばりを和らげる入浴剤として愛されています。

オレガノの基本情報

オレガノの基本情報は以下の通りです。

科・属シソ科、ハナハッカ属
和名ハナハッカ(花薄荷)
英名Oregano、wild marjoram
学名Origanum vulgare
花の色ピンク、白、紫
原産地地中海沿岸
開花期6〜9月

オレガノが日本に入ってきたのは江戸時代で、ハッカに似た香りがすることからハナハッカ(花薄荷)の名が付いています。そして学名にある「Origanum」の語源が「oros ganos(山の喜び)」なのは、地中海沿岸の山岳地帯に住む人々に重宝されてきたことからきています。

オレガノの特徴

一般的なオレガノは、小さな花が球状に集まっています。また、花オレガノとも呼ばれるアマラクス類のオレガノは赤く色づいたガクが重なってホップのようになっており、中心に小さな花が咲くのが特徴。どちらの品種も乾燥後まで苞の色が残るため、ドライフラワーに向いています。

耐寒性があり丈夫ですが高温多湿には弱いので、日本では茂り過ぎに注意して蒸れないようにしましょう。香りの良い株は、株分けやさし芽をして増やすのをおすすめします。実用性があり、比較的育てやすいので、園芸初心者向きの植物です。

オレガノの種類、品種別の特徴が知りたい

オレガノの種類、品種別の特徴が知りたい

オレガノを含むハナハッカ属は、地中海沿岸に15〜20種ほど分布するといいます。オレガノは大きくは「オリガヌム類」と「アマラクス類」、「マヨナラ類」の3つに分かれ、それぞれ草姿や葉の香りに違いがあります。

1.オリガヌム類

オレガノの別名に「ワイルドマジョラム」があるように、一般的なオレガノとはこのオリガヌム類のことを指しています。古代ギリシャ・ローマ時代から薬として用いられてきた品種で、現代はさまざまな料理やハーブティーなどにも利用されています。

ワイルドマジョラム

一般的なオレガノとは、ワイルドマジョラムのことをいいます。草丈は50〜80cmほどで、大きく育つと草むらを形成します。花はピンクや赤紫色で房状に咲き、開花期は6月上旬〜9月下旬です。コショウに似たピリッとした風味は開花時にもっとも強くなるので、葉はこのタイミングで収穫するのがおすすめです。

ゴールデンオレガノ

ゴールデンオレガノはパスタやピザ、ミネストローネ、卵料理やチーズと相性の良いハーブです。乾燥させた葉を塩に混ぜてハーブソルトにする、ハーブティーやアロマバスに使って楽しむことも。多湿は苦手なので、2株以上植え付ける場合は苗の間隔を10cmは空けましょう。草丈が20cmほどになったら主茎の先端を切ると、脇枝が増えて株が大きくなります。

カントリークリーム

カントリークリームは多くのオレガノと異なり、丸みのある葉にクリーム色の班が入っているのが特徴です。草丈が40cmほどの小型種のため、寄せ植えや花壇の縁に植えるとおしゃれな雰囲気を演出できます。直射日光に当てると葉が焼けてしまうので、日向や半日陰で管理するとよいでしょう。

2.アマラクス類

アマラクス類のオレガノは花を楽しむ品種が多いため、「花オレガノ」とも呼ばれます。がく部分が赤みを帯び、その中心に咲く小さな花と相まってかわいらしい印象を与えてくれます。アマラクス類のオレガノは食用にはせず、ほとんどは観賞用として流通しています。

ケントビューティー

ケントビューティーが日本で流通するようになったのは、1990年代からです。ホップにも似た花のように見える部分はガクで、その中から小さなピンクの花が咲きます。気温によってガク部分が色づき、変化するのが美しい品種です。

四季咲き性があるので、折を見て切り戻すと長い間花を楽しめます。垂れるように大きくなるため、ハンギングバスケットに仕立てるのにも向いています。

ロタンダフォーリア

ロタンダフォーリアはライムグリーンのバラのように見えるガクの中から、ピンクの小さな花を咲かせる品種です。枝がうねりながら垂れ下がって伸びていくので、雰囲気のある鉢植えになります。花と枝とを切ってドライフラワーにし、香りを楽しんでもよいでしょう。

ミルフィーユリーフ

ミルフィーユリーフはケントビューティーに似た品種ですが、草丈は低めでこんもりと茂るため、寄せ植えや鉢植えに向いています。ガクが最初からビンクに色づいているのも、ケントビューティーとは異なります。2018年にアメリカで発表された新しい品種で、海外では「Kirigami(切り紙)」の名で販売されています。

ユノ

ユノはケントビューティーよりも小花のピンクが濃い品種で、気温が下がるにつれてワイン色に近く、濃い色に変化します。ガクは赤みを帯びており、葉の緑とのグラデーションがやわらかで上品な雰囲気です。乾燥した日当たりのある場所に向いているので、ロックガーデンに植えてもよいでしょう。

3.マヨナラ類

マヨナラ類のオレガノの代表品種は「マジョラム」で、古代エジプトでは防腐剤として用いられていました。葉が小さめの卵型で、オリガヌム類よりもやや甘い香りを持っています。そのため料理以外にも、アロマテラピーや芳香浴、ポプリなどにも利用されています。

スイートマジョラム

スイートマジョラムはオレガノとは違い、葉にやや甘く繊細な風味の香りを持っています。古くから食品だけでなく香水にも用いられ、20世紀初めまではラベンダーとバラ、ローズマリーなどの次に重用されていました。乾燥させると香りの刺激が増しますが、摘み取った生の葉を使うと繊細な香りを楽しめます。

霜が降りる程度の寒さなら耐えられるので、関東以西地域でなら株元にわらを敷いて防寒し、庭で冬越しさせることも可能です。

イタリアンオレガノ

イタリアンオレガノは別名「ハーディーマジョラム」ともいい、オリガヌム類のワイルドマジョラムと、マヨナラ類のスイートマジョラムとの交配種です。葉にはスパイシーな香りがありますが、ワイルドマジョラムよりはやわらかいのが特徴です。

スペインとポルトガル原産で草丈は20〜50cmほど、スイートマジョラムよりもやや大きく育ちます。タネを付けない品種なので、株分けで増やすとよいでしょう。

ポットマジョラム

ポットマジョラムの葉も、ワイルドマジョラムとスイートマジョラムとが半々のような香りを持っています。夏には白からピンク色の花をつけるのが特徴で、コンパクトな品種のため小さな鉢などで育てるのに向いています。半耐寒性があるため、イギリス北部でも栽培されている品種です。

ワイルドマジョラムとスイートマジョラムの違いと見分け方が知りたい

ワイルドマジョラムとスイートマジョラムの違いと見分け方が知りたい

古くからオリガヌム類のワイルドマジョラムはマヨナラ類のスイートマジョラムなどと混同されており、しかもよく交雑していたので同定や命名に混乱していた時期がありました。現在でもハナハッカ属の数種類をひっくるめて、オレガノと総称することもあります。

ワイルドマジョラムは、直立している茎の先端に小花が球状に集まっています。葉はスイートマジョラムよりも大きめで長く、黄緑〜緑色です。

スイートマジョラムはこぶ状に小花のかたまりをつけるため、「ノッテッド・マジョラム」の名もあります。ワイルドマジョラムよりも小さく、コロッとした丸い花序が茎にたくさん付く様子がかわいらしい印象です。また、丸い灰緑色の葉には細かい綿毛が生えて白っぽく見えます。

オレガノの花言葉は?

オレガノの花言葉は?

オレガノの花言葉には以下のようなものがあります。

・自然の恵み

・財産、富

・あなたの苦痛を除きます

・輝き

「自然の恵み」と「財産、富」はオレガノの花と葉がポプリや料理、お茶などに利用されてきたことから。「あなたの苦痛を除きます」はオレガノの葉や茎に鎮静や殺菌作用があり、古くから民間療法に用いられてきたことが由来です。

また、オレガノの一種であるケントビューティーには「実質」と「誠実」の花言葉もあります。

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