エキナセアの育て方と栽培方法|手入れの仕方や増やし方、注意点も
花を楽しむだけではなく、ハーブティーやサプリメントなどにも使われるエキナセア。薬草としても用いられている花です。エキナセアの基本情報や育て方、増やし方などについて詳しく紹介していきます。家で育ててみませんか?
エキナセアを育てる前に知っておきたいこと
エキナセアは宿根草で、初夏の気温が高くなってくる時期から秋まで楽しめる花です。宿根草は多年の植物の中でも乾燥する時期や気温の下がる冬などの生育に適さない時期は、地上部の花や葉が枯れてしまいます。しかし地下部分は生きているので、暖かくなって生育に適した時期になるとまた発芽して花を咲かせます。
エキナセアは品種も多く、さまざまな色合いの花、咲き方などがあり、育て方もかんたんなので初心者でも長く花を楽しめる植物です。エキナセアの種類や育て方など詳しく紹介していきます。
エキナセアの基本情報
エキナセアは多年草です。寒さにも暑さにも強く、花が咲く時期は6月〜8月くらいまでと夏の間長く楽しめる種類です。花の形はマーガレットやキクのように丸く花びらが中心から外側に向かって開き、明るいその花姿は切り花としても人気がある花です。花が枯れたあとも花の中心部の球状の部分は長く残ります。草丈は品種にもよりますが、30~100cmほどになります。
エキナセアの原産地
エキナセアの原産地は、北アメリカです。キク科エキナセア属の植物で、学名は「Echinacea」です。エキナケア、ムラサキバレンギクなどとも呼ばれます。エキナケアはギリシャ語でウニを意味します。花の中心部の形から名付けられたようですね。
エキナセア族ですが、ルドベキア属に近い種類で、原産地の北アメリカには9種類が存在します。カラフルな色の花を長く楽しめる品種ですが、実はハーブとしても古くから活用されていて、ネイティブインディアンが薬用に使っていました。アメリカでも、免疫力を高めて風邪やインフルエンザなど感染症に効果のあるハーブとして人気があります。現在もエキナセアは、サプリメントやハーブティーなどとしても販売されています。
園芸店やホームセンターなどで手に入るエキナセアは、観賞用なのでハーブとしての効能はありません。ハーブとして使用したい場合は、ハーブショップなどで扱われている品種を選びましょう。
エキナセアの特徴
エキナセアの特徴は、花の形にあります。花の中心部は球状に盛り上がり、トゲのようなイガがあります。その周りを細い花びらが放射状についています。花の色は白、ピンク、黄色、グリーン、オレンジ、アプリコット、複色などさまざまあり楽しめます。エキナセアは一重の花が印象的ですが、最近では八重咲きの品種なども出回っています。
エキナセアの種類と選び方
エキナセアはさまざまな品種が出ています。色や花の形や大きさなどで選んでみましょう。基本的に育てやすい植物なので、開花後は花を長く楽しめます。
代表的な種類は、オレンジ色の一重咲きのアーツ・プライド、草花付きがよく白い花をたくさん咲かせるホワイト・スワン、黄色の一重咲きのハーベスト・ムーン、緑の一重咲きで花弁の付け根に赤みがあるのがグリーン・エンビー、花びらと花芯が緑のグリーン・ジュエル、白い花と花芯が緑色のバージン、黄色の一重咲きはサンライズ、橙赤色の一重咲きで管弁が混ざるのがサンセット、ビビットなオレンジの一重咲きのサンダウンなどがあります。
また、八重咲きの品種ではピンクの花のラズマタズやピンク・ダブル・デライトなどもよく見かけます。
エキナセアを育てるときに必要な準備
エキナセアを元気に育てて花をたくさん咲かせるために、必要な準備をしましょう。地植えでも鉢植えでも環境が整っていれば、すくすく育ち花付きもよくなります。暑さにも寒さにも耐性があるので、冬も室外で管理できます。ただし、冬場は地面が凍結するような寒冷地の場合は防寒対策をしてあげてください。
日当たり
エキナセアは、北アフリカ原産。そのため日当たりのよい場所を好みます。花付きをよくするためにも、半日以上日が当たる場所で育ててください。
置き場所
エキナセアの置き場所は、日当たりがよく風通しのいい場所で育てましょう。また水はけもよくしてください。エキナセアは湿気の多い場所が苦手です。湿気が多く水はけが悪いと梅雨時期に根腐れしてしまうこともあります。鉢植えで育てる場合は、梅雨の間は雨が当たらないように軒下などに置いてあげるといいでしょう。
用土・土作り
土も水はけのよいものを用意しましょう。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土に軽石や赤玉土、石灰を混ぜてください。排水しやすい土を作りましょう。混ぜる場合の比率は、赤玉土、鹿沼土、腐葉土を4:3:3程度にして作ってみてください。エキナセアを庭や地植えで育てる場合は、植える前に土を掘り返して3割ほどの腐葉土を混ぜて水はけをよくしてから植えてください。
種の準備
エキナセアの種を用意しましょう。園芸店やホームセンターなどで手に入ります。花の色がさまざまあるので、好きな色の花の種を選んでください。
すでにエキナセアを育てていて花が咲き終わったあと種を取って、次の季節に種まきをしてもいいですね。ただし、エキナセアの花が枯れて種ができるまで放っておくと、その間に株の栄養を種の方がどんどん吸い取ってしまうので、通常は種取りする分だけを残して花が枯れたら茎の部分から一緒に早めに切り取ってしまう方が、翌年の生育がよくなります。
種を土に乗せて種の形が軽く隠れる程度に土をかぶせておきます。芽が出て本葉が5枚以上になるまで育ってきたら、苗を植え替えてください。
エキナセアの育て方・栽培方法
エキナセアの育て方や栽培方法を紹介します。基本的には地植えでも鉢植えでも育て方は一緒です。ポイントは日当たりがよく水はけのいい通気性のある場所。エキナセアは、植えてから最初のうちはゆっくりと成長します。
6月頃から急に成長するので、たくさん種をまく場合や複数の花の色の種類のエキナセアを育てたい場合には、成長してきたときに葉や花が密集しないよう十分に間隔をとって植えるのがコツです。30cm以上間隔を開けるといいでしょう。
エキナセアの種まきや苗木の植え付け
エキナセアを種から育てる場合は、種まきに適した時期は3月下旬から5月いっぱいくらいまでです。また秋の9月から10月頃も種まきに適しています。植え付けは4月から5月、また10月もおすすめです。
エキナセアの土作りと水やり
エキナセアは、水はけのいい土で育てます。地植えの場合は腐葉土や石灰を混ぜた土に植えてください。鉢植えの場合、赤玉土4、鹿沼土3、腐葉土3などを混ぜて水はけのよい環境を作っておきます。
水やりは、あげすぎに注意しましょう。地植えまたは庭で育てる場合は水やりは必要ありません。自然の雨の水分で十分です。鉢植えの場合は、表面の土が乾いてからたっぷり与えてください。水やりのときに葉が濡れてしまうと害虫がつく原因になるので、根本だけに与えるようにしてください。
冬場は、エキナセアの地上部は枯れてしまいますが水やりをしてください。地植えの場合は、地面がひび割れるなど極端に乾燥している場合は水やりをしてください。乾燥する冬場でも、水のあげすぎには注意してください。
肥料
エキナセアは、肥料をあげなくても水やりだけで育つ植物です。肥料をあげすぎてしまうと、株が弱ってしまい花付きが悪くなるばかりでなく、病気になりやすくなってしまいます。肥料は必要最低限で十分です。
開花する前の5月〜6月と秋の10月頃に肥料をあげましょう。月に1〜2回程度化学肥料の置き肥をするか、月に2〜3回の液体肥料を与えてください。生育に必要な分だけをあげてください。
植え替え
鉢植えはエキナセアが成長してくると根詰まりしやすいので、必ず1年に一度土をほぐして古い土を取り除いて植え替えをしてあげましょう。植え替えの時期は4月から5月の春頃と10月の秋が適しています。
地植えの場合も、エキナセアが成長してきて芽が混んだり生育のスピードが落ちてきたと感じたりしたら、植え替えをしてください。また、エキナセアは冬場は枯れてしまいます。地下部分は生息しているので冬は枯れた部分は切っておいてください。
エキナセアの増やし方
エキナセアは手がかからず、初心者でも育てやすい植物です。増やし方も難しくはないので、ぜひエキナセアが成長してきたら増やしてみましょう。増やす時期に適しているのは、植え付けと同じく春と秋です。エキナセアを増やす方法は種と株分けがあります。
種からの増やし方は、種まきと同じ要領で行ってください。ただし、品種によっては種ができないものや、個体差があり植えても芽が出ないものもあるので、株分けの方が確実に増やせます。ここでは株分けの仕方を紹介します。
プランターの場合
エキナセアの土を落として、株を分けます。1つの株に4〜6つほど芽がついているようにしましょう。新しい鉢やプランターを用意して植え替えます。年に一度の植え替えのときに、株の状態を見ながら切り分けて増やしていくといいでしょう。