アヤメとはどんな花?花の特徴・育て方・花言葉も紹介
日本庭園で見かける「アヤメ」、5月ころすらりとした茎に紫色や白い花をつけます。日当たりを好む植物で株分けで増やせます。「いずれアヤメかカキツバタ」といいますが、よく似ている花ですね。「アヤメ」の花の特徴を知って上手にアヤメを育てましょう。
アヤメを育てる前に知っておきたいこと
アヤメは五月晴れの季節に咲きます。紫や白色の花と真っ直ぐ伸び葉は、凛とした美しい姿を私達に見せてくれます。アヤメ園や日本庭園などで、群生している咲いている姿を思いうかべる方が多いのではないでしょうか。その姿から、生け花、盆栽や鉢植えなどで人気のある花です。
アヤメの花の名前の由来にはいろいろな説があります。日本では、模様から由来とした説では、葉が剣状になっている模様を「文目模様(アヤメもよう)」と呼ぶからという説。アヤメの花弁の根元の方が「網目模様」になっているためアヤメとなった説です。奈良時代の侍女達から由来した説では、奈良時代の侍女たちは「あやめ」と呼ばれ、端午の節句にアヤメの花を飾ったことからつけられたという説です。
中国の節句から由来した説では、中国の端午の節句が日本に導入されたときに、ソトイモ科のショウブを「白菖(しょうぶ)」と中国語の漢字を使わず、「菖蒲」としてしまったことからついたという説です。アヤメの名前の由来やカキツバタやハナショウブとの違い、アヤメの花言葉を思い浮かべながら、アヤメを育ててみましょう。
アヤメの基本情報
アヤメの基本情報です。 科・属:アヤメ科、アヤメ属 和名:アヤメ(菖蒲)、文目(あやめ)、別名:かっこう花 英名:Siberian iris 学名 :Iris sanguinea 花の色:紫、白 原産地:日本や中国などの東北アジア、ヨーロッパなど北半球 開花時期:5月~6月
アヤメの特徴
アヤメは、茎と葉がまっすぐのび、茎に1つの花をつけます。3枚の花弁は外側に垂れ(外花被片、がいかひへん)、3枚の花弁は花の中央に直立に立って(内花被片、ないかひへん)います。アヤメは外花被片の花びらの付け根に黄色の網目模様が入っているのが特徴的です。
アヤメは群生して咲き、花びらや姿に特徴があるので遠くから見てもすぐわかります。アヤメは園芸分類では草花・山野草に分類され、多年草で草丈は20~50cmくらいになります。耐寒性、耐暑性が強く、病気になりにくく初心者でも育てやすい草花です。
アヤメの種類・品種
アヤメは100種類以上あるといわれていますが、大きく分けて原産のものと品種改良されたものがあります。
アヤメの原種は、戸畑アヤメ・チャボアヤメ・サキガケアヤメ、ヒオウギアヤメ(アヤメの品種では珍しく湿地で生息している)があります。花が白色の「シロアヤメ」。
品種改良されたものでは、ジャーマンアイリス(ドイツアイリス)は園芸用として品種改良され、ゴージャスな花を咲かせます。ダッチ・アイリスは、オランダで見かけるアイリスで、品種改良されたものです。
アヤメの原種と選び方
アヤメの原種を紹介します。
日本原産のアヤメ「戸畑アヤメ」は、絶滅危惧種に指定されており北九州市に分布しています。草丈は10~20cmと低く、紫の花は葉っぱよりも低い根元の方で咲きます。
「チャボアヤメ」は、花がチャボのように見えることからついた名前で、草丈は10~20cmくらいと低めです。花が葉っぱの上に咲きます。
「クルマアヤメ」は、内側の花弁が進化し、六英咲き呼ばれる咲き方をします。
「カマヤマショウブ」は、葉がよじれていて濃い紫色の花が咲きます。
実際に栽培するには、草丈の低い「戸畑アヤメ」や「チャボアヤメ」は盆栽に向いているでしょう。その他の品種のアヤメは草丈が60cmくらいにまでなるので、地植えなら庭のどの位置に植えるかで、アヤメの種類を決めるといいですね。
アヤメ、ハナショウブ、カキツバタの見分け方
「何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかカキツバタ)」という言葉のとおり、アヤメ、カキツバタ、ショウブの花はとても良く似ています。アヤメやショウブは「菖蒲」と書くので区別が難しいですね。
かんたんな見分け方は、アヤメは陸地に生えていますが、カキツバタやハナショウブは水辺などの湿地に生えています。アヤメは花びらに網目模様がありますが、カキツバタやハナショウブにはありません。花びらのつけ根が白色のものはカキツバタ、黄色のものはハナショウブです。
分類ではアヤメとカキツバタはアヤメ科アヤメ属で根茎ですが、ハナショウブはサトイモ科ショウブ属で球根系です。アヤメとハナショウブは毒草に分類されます。
端午の節句に、お風呂のお湯に入れるのはショウブです。こちらは毒草ではなくて薬草です。
アヤメの花言葉
アヤメには、全般的に「良い便り」や「メッセージ」ほかにも「希望」の花言葉があります。
英語では「iris(アイリス)」ですが、アイリスはギリシャ語で虹と希望を意味しています。ギリシャ神話のなかで、虹の神と呼ばれているイリスは、太陽の王ゼウスと妻のヘラによって「聖酒」を浴びて虹の神になりました。イリスは神の世界から虹を降りて地上によい便りや希望を届けたといわれています。このことに由来して、西洋の花言葉には「messageメッセージ・ hope希望・ faith信頼・ friendship友情・ wisdom 知恵」などがあります。
ジャーマンアイリスには「Flame 炎・情熱」という花言葉がついています。アヤメには花の色別にも花言葉があります。
アヤメを誕生花に持つ日は、5月3日、5月6日、5月12日、5月18日、6月1日、6月18日。誕生日に誕生花アヤメと花言葉を添えてプレゼントも素敵ですね。
紫色のアヤメの花言葉
紫色のアヤメの花言葉は、「よい便り」です。
白色のアヤメの花言葉
白色のアヤメの花言葉は、「純粋」や「あなたを大事にします」です。
アヤメを育てる準備
どんなアヤメをどこに植えましょうか?アヤメを育てる準備をしましょう。丈の低いアヤメを使った盆栽なら鉢を用意します。庭でしたら、まわりの庭木との調和を考えて場所を決めます。