アマリリスとは?花の特徴・花言葉・育て方・手入れ方法を紹介!
アマリリスは、スッと伸びる太い茎に色鮮やかな花を咲かせる球根花です。花径が大きいため1株で十分なインパクトがあり、花壇や鉢植えのほか切り花としても利用されます。今回は、アマリリスの特徴や花言葉、育て方や増やし方について紹介します。
アマリリスの基本情報や特徴
ユリに似た華やかで大きな花を咲かせるアマリリスは、チューリップなどと同じ球根植物です。まずは、原産地や開花期などの基本情報や花の特徴、花名の由来など、アマリリスについて知っておきましょう。
基本情報
アマリリスの基本情報です。
科・属:ヒガンバナ科・ヒッペアストルム属 和名:アマリリス、ジャガタラズイセン 英名:Amaryllis、Knight’s star lily 学名:Hippeastrum hybridum(ヒッペアストルム・ヒブリダム) 花の色:赤、ピンク、白、黄、褐色 原産地:中南米 開花時期:4~6月、10月
開花時期については別項で詳しく解説します。
アマリリスの特徴
アマリリスは地下茎を形成する多年草で花茎は10~20cmほどと大きく、すっと伸びた茎の先に複数の花を咲かせる姿が特徴的です。原種のアマリリスは中南米や西インド諸島に約90種類が存在し、園芸品種の数は数百種類に上ります。他のヒガンバナ科の植物と同じく有毒で、球根などにリコリンという天然アルカロイドを含んでいます。日本には江戸時代末期にジャガタラズイセンなど3種が渡来しており、戦後に大輪品種が普及しました。
アマリリスの球根は2~3月頃に多く出回り、鉢植えであれば2カ月程度で花をつけます。また、戸外で栽培した場合は、葉と蕾の出現はほぼ同時期です。開花後、夏の葉丈は30~50cmほどになり、冬は地上部が枯れます。
花名の由来
アマリリスという花名は、古代ローマの詩人ウェルギリウス(紀元前70~19年)が書いた「牧歌」に登場する、美しい羊飼いの少女アマリリスの名前にちなんでいます。また、学名のHippeastrumi(ヒッペアストルム)は、「馬のように大きく星のような花」という意味です。
アマリリスの開花時期や見頃の季節
春咲きのアマリリスは4月下旬~6月頃、秋咲き品種では10月頃が開花時期です。しかし園芸品種の数が増えた現在では、春咲きや秋咲きのほか真夏に花を咲かせるアマリリスの品種もあります。特に、温度管理が容易な鉢植えの場合は室内で栽培ができるため、ほぼ一年中花を楽しむことも可能です。
アマリリスの切り花は通年出回っていますが、最盛期は11月~2月頃です。花もちはよく、購入時に蕾の状態であれば順番に咲く花を長く楽しめます。
アマリリスの花言葉と由来
色鮮やかで存在感たっぷりなアマリリスには、どのような花言葉がついているのでしょうか。言葉の由来と合わせて紹介していきます。
花言葉
アマリリスには、「誇り」「おしゃべり」「内気」「輝くばかりの美しさ」「素晴らしく美しい」「強い虚栄心」という花言葉があります。また、西洋においても「pride(誇り)」や「splendid beauty(輝くばかりの美しさ)」といった花言葉がついています。
花言葉の由来
アマリリスは、ギリシャ語で「輝かしい」という意味です。この事に由来して、「輝くばかりの美しさ」の花言葉がついています。「おしゃべり」という花言葉は、横向きに花を咲かせるアマリリスが群生していると、花同士が向かい合っておしゃべりをしているように見えることからきています。「内気」や「強い虚栄心」の花言葉も、上向きやうつむき加減など花の咲く姿が由来です。
アマリリスの種類や品種
品種改良が盛んに行われているアマリリスは、園芸品種だけで数百種類あるといわれています。花色も豊富で、大輪種から小輪種、八重咲きなど姿もさまざまです。戸外か室内かなどの栽培条件、花色や大きさなどから、好みのアマリリスを見つけて育ててみましょう。
ルードッヴィッヒ系
ルードヴィッヒ系と呼ばれるアマリリスは、オランダにあるルードヴィッヒ社が改良した品種です。現在ホームセンターなどで販売されているアマリリスのほとんどが、この系統になります。在来種に比べて花弁が大きく、花びらが丸いのが特徴です。ルードヴィッヒ系のアマリリスには、真っ赤な巨大輪のレッドライオンや中心に白いラインが入るミネルバ、純白のクリスマスギフトなどがあります。
ガーデンオーケストラ系
ガーデンオーケストラは、サカタのタネが販売する中輪種のアマリリスです。従来のアマリリスに比べて寒さに強く土中温度が-5℃の環境下でも耐えるため、戸外に植えたままでも冬越しができます。また、花もちが10~14日と長いのも特徴です。多輪性で切り花向きのバレンティノや、剣弁咲きで花びらの縁が波打っているスワンレイク、ピンクの花弁に白いラインがはいったロリポップなどがあります。
中輪品種
一般的なアマリリスは1本の花茎に4輪の花をつけますが、中輪品種の多くは6輪以上の花を咲かせます。また、200gを超えるような大きさの球根の場合、花茎が2本立つこともあります。鮮やかなピンク色が印象的なネオンや紅白の花弁が上向き気味に咲くトレシック、濃いピンク色の花をつけるドナウは花径13cmほどです。
八重咲き品種
花弁の数が多い八重咲きアマリリスは、バラのような花姿が特徴的です。一般的なアマリリスに比べてさらに華やかになり、品種によっては年に2度咲くこともあります。多輪系で整った花形が美しいブロッサムピーコックや、白地に赤い鹿の子斑が入る巨大輪のアフロディーテなどが知られています。
アマリリスの栽培方法・手入れや増やし方
アマリリスは、球根もしくはポット入りの苗(芽出し球根)から育てます。栽培に適した場所は日あたりと風通しがよい所です。鉢植えと庭植えについて、栽培方法や病害虫、アマリリスの増やし方などを確認しておきましょう。
用土
アマリリスは、通気性のよい適度に保水性を持つ用土を好みます。鉢植えで育てる場合には、市販の草花用培養土や球根用の培養土を用いましょう。
庭植えにする場合には水はけと日あたり共に良好な場所を選びます。あらかじめ堆肥や腐葉土をすき込んでおくと、土に多くの隙間ができて水はけ・水もちがよくなります。さらに水はけをよくしたい場合には、パーライトや川砂などを加えるのもおすすめです。
また、アマリリスは弱酸性の土壌を好むため、酸性度が高い場合には球根の植え付け2週間ぐらい前に苦土石灰を撒いて調整しておきましょう。
植え付け時期と方法
アマリリスを球根から育てる場合、庭植えでは春の遅霜の心配がなくなってから行います。ソメイヨシノの咲き終わりを目安にするとよいでしょう。鉢植えの場合は、温度管理を適切に行えば季節に関係なく植え付けできます。植木鉢の大きさは、大輪球は5~6号鉢に1球、中~小輪種の場合は4~5号鉢に1球が目安です。大きな鉢やプランターに複数の球根を植えたい場合には、しっかりと間隔をあけて植え付けましょう。また、苗の場合は購入したらすぐに植え付けを行います。
植え付けの手順~鉢植え~ 「1.」鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、鉢の高さ2/3程度まで用土を入れる。 「2.」用土の上に球根を置き、球根の丈夫1/2~1/3が出るように浅く植え付ける。
植え付けの手順~庭植え~ 「1.」堆肥や苦土石灰を加えての土壌づくりは、植え付けの2週間前までに済ませておく。 「2.」20cm程度まで掘り上げて球根を置き、上部1/2~1/3が土の上に出るように植え付ける。