ハナミズキの種類・品種17選!特徴と違いの見分け方も紹介
ピンクや赤、白の花を咲かせるハナミズキ。樹形も自然に整いやすいことから街路樹だけでなく、お庭のシンボルツリーとしても人気の花木です。秋には紅葉も楽しめるハナミズキの特徴や花言葉、人気の品種14種を紹介します。
ハナミズキってどんな花?
ハナミズキの特徴
一青窈さんが歌った「ハナミズキ」で名前を聞いたことがある方も多いかもしれないハナミズキ。桜が咲き終わったころから咲きだすハナミズキは、まさに5月を代表する花と言えるでしょう。白やピンクの花びらが印象的ですが、実は花びらではなく総苞と呼ばれる葉の一部です。花もちはあまりよくなく、その儚さを楽しむのもハナミズキの美しさの一つなのかもしれません。別名は「アメリカヤマボウシ」です。
よくハナミズキと混同される花としてヤマボウシがあります。一見、ハナミズキとていますが、花が咲くころに葉があるかどうかで見分けることができます。花だけがあるのがハナミズキで、葉の上に花を咲かせるのがヤマボウシです。ヤマボウシはハナミズキに比べて少し開花時期が遅く、5~7月です。
また総苞(そうほう、花の集まりを保護していた葉の集まりのこと)でも見分けることができます。ヤマボウシは総苞の先が尖っているのに対し、ハナミズキは丸みがあって先端がくぼんでいます。ちなみにハナミズキは外来種で、ヤマボウシは日本が原産です。
ハナミズキの基本情報
科・属 | ミズキ科ミズキ属 |
和名 | 花水木(ハナミズキ) |
英名 | Flowering dogwood, Dogwood |
学名 | Cornus florida |
花の色 | 白、赤、ピンク |
原産地 | 北アメリカ東部 |
開花期 | 4~5月 |
ハナミズキは漢字で「花水木」と書きます。これは春先にハナミズキの枝を切ると水が滴るほど水を含んでいることから「ミズキ」とつけられました。ミズキ科の植物の中でも特にきれいな花を咲かせることから「花水木」となりました。
ちなみにハナミズキは英語で「Dogwood(犬の木)」と呼ばれます。これは樹皮の煮汁が犬の皮膚病治療やノミ退治に使われたことが由来と言われています。ハナミズキの樹皮を犬の治療に使おうと思った発想がすごいですね!
ハナミズキの花言葉
ハナミズキ(花水木)全体の花言葉は「私の想いを受けてください」「返礼」「永続性」です。
1912年、まだ東京が市だったころ、尾崎行雄市長が有効の証にサクラをアメリカに贈りました。3年後の1915年、サクラのお返しとして当時のアメリカ合衆国大統領ウィリアム・タフトからハナミズキが東京に贈られたのが、日本でのハナミズキの始まりです。このこと日米の友好のあるやり取りから「私の想いを受けてください」「返礼」という花言葉がつけられました。
ちなみに、アメリカに贈られたサクラは現在全米桜まつりとして有名なワシントンのポトマック川のほとりで今なお愛され続けているんですよ!
「永続性」はハナミズキがゆっくり育つことからつけられた花言葉です。
ハナミズキの人気の種類、品種一覧
紅花系
チェロキー・チーフ
ハナミズキの代表的な品種です。花びらが淡紅色で花付きがよく、街路樹などに利用されています。緑の葉とのコントラストが美しく、古くから親しまれています。
チェロキーサンセット
鮮やかな赤い花を咲かせるチェロキーサンセットは四季折々の変化が楽しめる品種です。5月頃には葉のふちが黄金色に色づき、夏まで続きます。秋には紅葉も始まるので緑、黄色、赤の三色がお庭のワンポイントとして雰囲気を明るくしてくれるでしょう。樹高は5~10m程度にまでなります。
レッド・ジャイアント
濃い赤い花が特徴のレッドジャイアントは日本生まれの品種です。育てやすく若木のころから花がよくつくので観賞用として人気があります。秋には紅葉した葉を楽しめるので、1年中が鑑賞時期といえる品種です。
紅花ハナミズキ
ハナミズキの花びらは白色ですが、紅色の美しい色をしている品種であることからこの名前が付きました。秋には赤い実を付けます。
ジュニア・ミス
白っぽい中心部から、外側にかけてピンク色に変化する大輪の花のある、花付きが良い品種です。桜が咲き終わったころに咲き始めます。鉢植えにも向いています。秋になっても紅葉しにくく葉が落ちにくいという特長があります。花は若木のころからつき長く鑑賞できるのでハナミズキの中でも人気の品種です。温度や湿度によって開花する時期や色の濃さが変わることがあるそうなので、少し濃い目のピンクや薄いピンクの花が咲く年もあるそうです。
ステラピンク
ハナミズキとヤマボウシのいいところどりといえるハイブリッド品種です。流通量は多くなく、珍しいと言えるでしょう。4月には斑入りの新緑の葉が楽しめ、翌月には薄ピンクの花が楽しめます。秋には葉が紅葉し、枝まで赤く染まっているようにも見えて見ごたえ抜群です。ハナミズキの中でも丈夫で寒さや乾燥に強いので、寒冷地でも栽培されています。さらに、うどん粉病にかかりにいくいのも、育てやすくてうれしいですね。開花時期は5〜6月です。
アップルブロッサム
アップルブロッサムは桃色の気品のある花色で他のハナミズキに比べて直立性があります。紅花系の中では樹形が整えやすい品種ですので街路樹等に向いています。目を惹く大輪系のお花なのでお庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。生長も早く、秋には紅葉、赤い実を楽しむことができます。
白花系
クラウド・ナイン
大輪の白い花が特徴のクラウドナイン。全体に小振りといえる品種です。白花系のハナミズキの中では代表的な品種といえるでしょう。寒冷地でも育つので北海道などでも親しまれています。成長に伴って横に広がる性質があります。花付きがよいのですが毎年咲くわけでなく、隔年で咲く場合も多いようです。花だけでなく新緑のころには爽やかな葉を、秋には哀愁漂う紅葉と赤い実を楽しめます。
レインボー
白色の花を付けますが花付きはあまりよくありません。特徴は黄色の斑が入る葉です。秋には緑色の部分が紅葉で赤くなり、黄色の斑とのコントラストがより強まるでしょう。生長はややゆっくりですが、大きく育つのでお庭のシンボルツリーなど広いスペースに向いています。
フェアリークラウン(メキシコハナミズキ)
名前の通り、王冠の様な花姿が特徴的な品種です。ユニークな花姿はぱっと目を惹く形をしているのでシンボルツリーにもぴったりです。花びらの先端がくっついた状態で開花するので、王冠の様な形になるそうです。以前は「メキシコ」と呼ばれていました。秋には赤い実を付けます。
ホワイトキャッチ
木がまだ若いうちから花をつけるので鉢植えなどでも楽しむことができます。花径葉12cmと大輪で花付きもよく、目線の高さで見ごたえのあるハナミズキを鑑賞できます。枝の先端に花を咲かせるのが特徴です。
ピグミー
樹高わずか10cm程で花を咲かせる矮性品種です。アメリカで開発されました。盆栽のように育てる楽しみがありますね!通常ではハナミズキは3~5mにまで生長しますが、ピグミーは2~3m程まで生長します。鉢植えで早い段階から花を楽しみ、大きくなってきたら植え替えるか庭植にするとよいでしょう。
エディーズ・ホワイト・ワンダー
白色極大輪種の花を咲かす品種で病気に強いのが特徴です。バンクーバーの園芸家エディーさんが品種改良したことからこの名前が付けられました。
アルバプレナ ダブルホワイト
ハナミズキではとても珍しい八重咲きとなる品種です。八重咲きハナミズキ、ハイブリットハナミズキなどとも呼ばれます。耐寒性が高く、うどん粉病にかかりにくいという特長があります。開花は2.5m程からとやや遅めですが生長が早く、花付きが良い品種です。
シダレハナミズキ
ハナミズキの中でも珍しい枝垂れの品種です。ハナミズキは上に向かって花を咲かせるものが多いのですが、シダレハナミズキは横向きに花を咲かせるので観賞しやすいでしょう。樹形があまり大きくならないのでコンパクトなお庭や鉢植えで楽しむのがおすすめです。開花時期は4~5月中旬です。
ホワイトラブ
ホワイトラブは白花系ハナミズキの中でも比較的新しい品種です。従来のハナミズキよりも直立性が強いので樹形が整いやすく、一回り大きな白い花を咲かせます。花びらもよりハート形に近い形をしておりロマンチックな雰囲気を味わえます。