もらった胡蝶蘭、どうやって育てるの?胡蝶蘭管理マニュアル
「お祝いで胡蝶蘭をいただいたのはいいけれど、どうやってお世話したらいいの?」とお困りの方も多いのではないでしょうか?胡蝶蘭は長ければ50年も生きることのできるお花です。この記事では、どんなことに気をつけて管理していけばよいかまとめました。ぜひ、きれいな胡蝶蘭を咲かせる手助けにしてくださいね。
お祝いで胡蝶蘭をいただいたら、まず行うこと
移転お祝いや、開店お祝いなど、お祝いごとで定番の胡蝶蘭。いただいたままにしていませんか?せっかくいただいたきれいなお花ですから、花持ちをよくするための方法を確認しましょう。
鉢植えの場合
ラッピングをはずす
きれいなラッピングを外してしまうのはもったいない気がしますが、まずはラッピングを外してしまいましょう。そのままにすると、鉢の中が蒸れてカビが生えたり、根腐れを起こしてしまいます。湿気を逃がすようにするためにラッピングを取るので、鉢の周りに飾られているリボンなどはそのままでも大丈夫です!
風通しがよく、明るい場所に置く
胡蝶蘭は熱帯雨林が原産のお花です。室内に飾ることが多いと思いますが、風通しがよく、適度に日が当たるところに置きましょう。しかし、直射日光は苦手で、葉の色が抜けて白くなってしまったり、焦げたように黒くなってしまう「葉焼け」を起こしてしまう可能性があります。また、エアコンや扇風機の風も苦手ですので、直接当たらないところに置きましょう。
切花の場合
水の中で花茎を切る「水切り」
いただいたばかりの胡蝶蘭なのに、なんだかお花の持ちが悪いな、と思ったことはありませんか?原因はいくつか考えられます。
- 水の中の細菌が増えてしまった
- 花茎を切った際に細菌が入ってしまった
- 花茎を切った際に、胡蝶蘭が水を吸うための管をつぶしてしまった
これらを防ぐために、水の中で花茎を切る「水切り」という方法をご紹介します。
- 胡蝶蘭はなるべく涼しいところに飾る
- 水は毎日変える
- 水を変えるタイミングで、水の中で切り口を5㎜~1㎝くらい切る
こうすることで、胡蝶蘭が水を吸うための管に空気が入ってしまうことや、乾燥を防ぐことができます。
しおれた胡蝶蘭を復活させる「湯上げ」
「お花にお湯を使うの?」と驚かれた方も多いと思います。しかし、「湯上げ」は「水切り」をしても、水を吸い上げられなかった胡蝶蘭を復活させるのにぴったりの方法です!
- 器に熱湯を注ぐ
- 花茎を5mm~1cmくらい切ったものを5~10分程つける ※花に湯気が当たらないよう、新聞紙で包んだり、花を傾けながら作業してください
- 冷たい水に半日から1日挿す ※ お湯につけた部分の花茎が変色している場合は切り落としましょう
こうすることで、水を吸うための管から空気を外に出し、ちゃんと水を吸い上げられるようになります!胡蝶蘭がしおれて捨ててしまおうと思っている方は、ぜひ試してみてください。
ポイントは3つ!基本的な胡蝶蘭の管理法
ここまで、いただいたばかりの胡蝶蘭のお管理方法をご紹介しました。ここからは、寿命が50年ともいわれている胡蝶蘭の基本的な育て方をご紹介していきます。次のシーズンも大きなお花を咲かせてくれるよう、お世話していきましょう。
1.直射日光のあたらない、風通しのよいところに置く
鉢植えのところでも触れましたが、胡蝶蘭は直射日光の当たらない、風通しのよいところを好みます。熱帯雨林が原産と聞くと、太陽が大好きと思われる方もいると思いますが、胡蝶蘭は「明るい日かげ」に咲くお花です。お部屋の中でも「明るい日かげ」を意識して、胡蝶蘭を置いてください。
2.寒すぎず、暑すぎない15〜25℃くらいが適温
胡蝶蘭は熱帯雨林原産ということからも想像できるように、寒いところが苦手です。また、暑すぎるところも苦手です。クーラーの冷たい風や暖房の温かい風も胡蝶蘭は苦手ですので、直接風が当たらないところを選んでください。
3.水やり「潤す」と「乾かす」がキーワード
胡蝶蘭が枯れてしまう原因は水をあげすぎて根腐れしてしまった、ということが多くあります。胡蝶蘭は水をあげすぎると枯れてしまいますので、植え込みの上の部分が乾いてからお水をあげるようにしましょう。乾いてきたら潤す、というイメージです。 日本には四季があり、季節ごとに胡蝶蘭の水やりなどで気をつけることが変わってきますので、そちらについてはこれから詳しくご紹介します。
季節ごとの胡蝶蘭の管理法
それでは、季節別の気をつけることをご紹介していきます。今回は四季と、特に湿度が高くなる梅雨を加えた5つの季節に分けてご紹介します。胡蝶蘭は年中温かい東南アジアが原産、ということを覚えておいてもらうと、季節別の管理法がわかりやすいはずです。
春(3~5月)
朝晩の冷え込みに注意
胡蝶蘭は寒さが苦手です。特に3月ごろの冷え込みに気をつけましょう。床に置くのではなく、少し高いところに胡蝶蘭を置くと温度を高く保つことができます。
水やりは1週間~10日に1回程度であげすぎない
まだ暑くない時期ですから、水のあげすぎは禁物です。植え込み材の表面が乾いてきたかな、と思ってから2~3日ほどしてからコップ1~2杯ほどのお水をあげましょう。
肥料は必要なし!
この時期は胡蝶蘭の育成期ではありませんので、肥料はあげなくてよいでしょう。
梅雨(6~7月)
加湿状態に注意
湿気が好きな胡蝶蘭ですが、湿度が高すぎると花にシミができてしまいます。
水やりは10日に1回、たっぷりと
この時期は胡蝶蘭の育成期ですので、株が乾きすぎないように気をつけましょう。春先と同じくらいか、少し多いイメージです。
月に1回、肥料をあげましょう
胡蝶蘭を成長させるために、月に1度肥料をあげます。肥料はホームセンターや園芸店に置いてある欄専用のものを選びます。あげる量や肥料の薄め方は、肥料の説明書きを参考にしてください。
夏(8月)
強い日差し、強い冷房の風はNG
夏の直射日光は胡蝶蘭には強すぎます。陽の当たるカーテン越しに置き、エアコンの風が当たらないよう工夫してください。この時期は西日にも気をつけましょう。日焼けしてつぼみが黄色になってしまったり、株が弱ってしまいます。
水やりはたっぷり、肥料もあげましょう
梅雨同様、胡蝶蘭の育成期です。乾きすぎないようにお水をあげて、肥料も引き続きあげましょう。
秋(9~11月)
夜の冷え込みに注意
10月ごろになると、お昼と夜での気温差が大きくなってきます。この時期も室温を15℃以上に保てると、胡蝶蘭にとってよいでしょう。
空気が乾燥し始めたら、葉っぱへの霧吹きを
10月中旬ごろから乾燥が始まります。胡蝶蘭は湿気を好みますので、霧吹きで葉っぱにお水をあげましょう。