マリーゴールドの花言葉|色別の意味や由来、「絶望」の理由、誕生花、贈り方も
マリーゴールドは黄色やオレンジ色で色鮮やかな花です。柔らかくて細長い花びらが集まるキュートな花形で、春~夏の花壇を彩ります。そんな元気いっぱいなイメージを持つマリーゴールドは、どんな花言葉を持っているのでしょうか?実は「絶望」「死者の日」とも関連するのですが、その由来や誕生花、マリーゴールドの贈り方をご紹介します。
マリーゴールドの花言葉の意味や由来
マリーゴールドの花言葉
マリーゴールドの全般的な花言葉は、「可憐な愛情」「変わらぬ愛」「勇者」です。
一方、よくないイメージの花言葉には、「嫉妬」「絶望」「悲嘆」などがあります。明るい花のイメージに合わない言葉ばかりですよね。
マリーゴールドの花言葉の由来
もともと「マリーゴールド」という名前は、聖母マリアの祝日にいつも咲いていたことが由来しています。「マリア様の黄金の花=マリーゴールド」と呼ばれるようになったそうです。
マリーゴールドの花言葉の由来には、太陽神アポロンが関連しています。水の妖精クリスティは太陽神アポロンに激しい恋心を抱いていましたが、アポロンには王女レウトコエという恋人がいました。クリスティは嫉妬し、王女の父である国王にアポロンとレウトコエの仲を告げ口。すると王は怒りのあまり、レウトコエを生き埋めにしてしまいました。
水の妖精クリスティは自分のしたことによって、王女レウトコエが命を落としたことを深く後悔し、9日間アポロンを見つめ続けたところ、クリスティの体が黄色い花に変わり、太陽に向かって咲くマリーゴールドになったのです。
この話から、「嫉妬」「絶望」「悲嘆」といった花言葉が生まれ、同時にクリスティが一途にアポロンを思う気持ちから「可憐な愛情」「変わらぬ愛」という良い意味の花言葉も生まれています。また、「勇者」という花言葉も太陽神アポロンが由来しています。
色別のマリーゴールドの花言葉
オレンジのマリーゴールドの花言葉
オレンジ色のマリーゴールドの花言葉は「予言」「真心」です。
「予言」という花言葉は、聖母マリアの祝日に咲いたことから、とても神聖な花とされたことが由来です。「神に繋がる預言者の花」と呼ばれていました。
「真心」という花言葉には、アポロンが関係しています。美少年クレムノンはアポロンを慕うあまり、毎日太陽(アポロン)を見つめることに幸せを感じていて、そのことを知ったアポロンもクレムノンを愛おしく思うようになっていました。しかし雲の神が嫉妬し、太陽(アポロン)を雲で隠してしまいました。クレムノンは嘆き悲しみ最後には死んでしまうのですが、アポロンはクレムノンのひたむきな愛情に心を打たれ、クレムノンをオレンジ色のマリーゴールドに変身させて愛でるようになったそうです。
黄色のマリーゴールドの花言葉
黄色のマリーゴールドの花言葉は「健康」です。花期の長さと、太陽神アポロンのイメージから来ています。
一方では「下品な心」というネガティブな意味も。キリスト教での黄色は「裏切り」の意味があり、聖母マリアにちなんだ名前をもつマリーゴールドの花言葉にもつけられたのだと考えられています。
マリーゴールドの英語での花言葉は?
マリーゴールドの英語名は「marigold」で、英語での花言葉は「jealousy(嫉妬)」「despair(絶望)」「grief(悲嘆)」です。日本の花言葉とは大きく意味は変わりません。
マリーゴールドとコロンブスの関係は?
マリーゴールドは、イタリアの探検家コロンブスがアメリカ大陸を発見したあとに、ヨーロッパに持ち込まれた植物です。日本には江戸時代に渡来しています。
アメリカ大陸にはマリーゴールドの仲間が約50種、分布しています。小型のフレンチマリーゴールドや、大型のアフリカンマリーゴールドが主に栽培されています。原産国はメキシコです。
花言葉「絶望」の由来と「死者の日」の意味は?
マリーゴールドには「絶望」という花言葉があることをご紹介しました。太陽神アポロンが、水の妖精クリスティから強く愛されていたこと、美少年クレムノンから慕われ会えない日が続いて亡くなってしまったことから、それぞれの叶わぬ愛や嫉妬から「絶望」といった花言葉が生まれたとされています。
その他にも、マリーゴールドには「死者の日」が関連しています。マリーゴールドの原産地メキシコでは「死者の日」にマリーゴールドを供えます。これはご紹介したギリシャ神話が関連しているのではありません。
毎年10月31日から11月2日の3日間、日本のお盆にあたる「死者の日」が催されます。この3日間に故人の魂が現世に戻ってくると言われており、各家庭では祭壇を設けてカラフルな旗を飾り付け、死者のパンや砂糖菓子をお供えし、お香を焚いて、ろうそくを灯します。これらの準備と一緒に、骸骨には人形やオレンジ色のマリーゴールドが飾られ彩られるのです。
他にも、死者が迷わず帰ってこられるように、という意味を込めて、死者の日に祭壇から自宅の入り口にかけてマリーゴールドの花びらを敷き詰めます。日本ではマリーゴールドと同じキク科の植物を墓前に飾る風習がありますが、その役割を果たしているのかもしれません。
マリーゴールドの基本情報と花の特徴
マリーゴールドの基本情報
科・属 | キク科・タゲテス属 |
和名 | 千寿菊 |
英名 | Marigold |
学名 | Tagetes |
花の色 | 黃、オレンジ、赤、白など |
原産地 | メキシコ、中央アメリカ |
開花時期 | 6月〜10月 |
マリーゴールドの花の特徴
マリーゴールドは、草丈が20〜100cm、春から夏にかけて花を咲かせます。日当たりのよい場所であればよく育ちます。花の大きさは4〜7cmくらいです。大輪タイプや一輪咲きタイプなども登場しています。暑さには強く寒さには弱い草ですが、開花時期が長く初心者にも育てやすい花です。
元気いっぱいにオレンジ色や黄色の花びらを大きく広げる様子や、太陽を思わせる鮮やかな色合い、もちの良さ、細くて柔らかな花びらがくしゅくしゅと集まるキュートな花形で愛されています。
マリーゴールドが誕生花の日
マリーゴールドの誕生花は、6月5日、7月18日(フレンチマリーゴールド)、8月20日(濃黄)、9月2日(黄)、10月28日(アフリカンマリーゴールド)です。
色や種類によって誕生花が異なるので、マリーゴールドを贈る際には注意してみてください。
マリーゴールドの種類・品種
フレンチマリーゴールド
フレンチマリーゴールドは、5〜7月、9〜11月に花を咲かせ、その種類には、八重咲きと一重咲きがあります。色は赤色、オレンジ色、黄色、草丈は20〜30cmです。猛暑にはあまり強くない性質です。
フレンチマリーゴールドの花言葉は「いつもそばに置いて」です。フランス宮廷で栽培され愛されていたことが伺い知れる花言葉ですね。
和名はコウオウソウ(紅黄草)、クジャクソウ(孔雀草)、マンジュギク(万寿菊)。
アフリカンマリーゴールド
アフリカンマリーゴールドは、5〜11月に開花し、ボール咲き、大輪のものが多いのが特徴です。色は赤色、オレンジ色、黄色で、草丈は20〜30cmです。フレンチマリーゴールドよりも暑さに強いため、8月の熱い夏も乗り越えて開花し続けます。
アフリカンマリーゴールドの花言葉は「逆境を乗り越えて生きる」です。メキシコ原産のマリーゴールドが品種を変えながら様々な国を渡っていったことと、マリーゴールドの力強い生命力からきている花言葉です。16世紀初頭にスペインに伝えられ、「インドのバラ」という名前でヨーロッパ南部に広まりました。
和名はセンジュギク(千寿菊)。
レモンマリーゴールド
レモンマリーゴールドは、北アメリカに分布するキク科の多年草。黄色のみで、他のマリーゴールドとの違いもハッキリとしています。特有のニオイ成分が根っこから分泌されており、なめくじやセンチュウといった害虫を寄せ付けません。
レモンマリーゴールドの花言葉は「愛情」です。