いちご(苺)を上手に栽培する方法を紹介。育てる上での注意点とは?

2020 10/09
いちご(苺)を上手に栽培する方法を紹介。育てる上での注意点とは?

いちごは日本全国で栽培されている人気のフルーツです。庭やベランダのちょっとしたスペースを利用して育てれば、採れたての味を楽しめるでしょう。いちごを上手に栽培するために注意したいポイントや、育て方の手順を紹介します。

目次

いちご(苺)の特徴

いちご(苺)の特徴

いちごにはたくさんの品種があります。温室栽培もされていて、春先以外でもいちごを購入できるようになりました。旬の時期にスーパーへ行けば、さまざまな品種のいちごを見かけるでしょう。

「単純においしいから」という理由で、普段、何気なく口にしている人が多いかもしれませんが、実は注目したい栄養素も含まれています。いちごを育てる前に知っておきたい、特徴を見ていきましょう。

ビタミンCやアントシアニンが豊富

いちごには、ビタミンCの含有量が多いことで知られるレモンに匹敵するくらい、多くのビタミンCが含まれています。『1日に5~10粒』ほど食べれば、1日に必要なビタミンCの摂取ができるといわれています。

ビタミンCは、健康的な肌や粘膜を維持するために役立ちます。熱に弱く水に溶ける性質を持っているので、調理せずにそのまま食べると、効率よく摂取できるのです。

また、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも含まれています。アントシアニンは目によい成分として知られ、視覚機能の向上や眼精疲労の回復などへの効果が期待できるといわれている成分です。

いちごのツブツブは種じゃない

意外に思えるかもしれませんが、いちごの果実に見える部分は茎の先端がふくらんだもので、正確には実の部分ではありません。いちごのツブツブの部分が果実に該当します。

一見すると、1粒のいちごに見えますが、実際は200~300個の果実で構成された『集合果』なのです。

また、一般的にはフルーツとして食べられていますが、厳密には果実ではなく草木性の実に分類されるため、野菜として扱われることもあります。

いちご(苺)の栽培に適した環境は?

いちご(苺)の栽培に適した環境は?

いちごは日本各地に生産地があり、北海道から沖縄まで幅広い地域でつくられているフルーツです。いくつかのポイントを押さえれば、家庭でも比較的簡単に栽培できます。

いちごを栽培するには、どんな環境が適しているのでしょうか。育てる場所や、使用する土について紹介します。

日当たりや置き場所

いちごは日当たりがよい環境を好み、生育に適した温度は『17~23℃前後』です。日照時間が少ないと、甘味がない小さないちごしかつくれないことがあります。そのため日当たりがよく、暖かい場所に置くことが基本です。

季節によって日の長さが変わるので、日照時間も変化します。鉢植えで栽培したい場合は、鉢ごと苗を移動させられるので、よく日が当たる場所に移動させるとよいでしょう。

地植えの場合は移動させられないため、植える場所に注意することが重要です。株が蒸れないように、風通しを確保することも忘れないようにしましょう。

土はどんなものがよい?

プランターで栽培する場合、水はけがよい『野菜用の培養土』を使用しましょう。野菜用の培養土には、いちごの生育に必要な肥料などがあらかじめ混ぜ込んであるので、園芸の初心者におすすめです。

水はけが悪いといつまでも土が乾かず、最悪の場合は根が腐ってしまう可能性があるため、水はけがよい培養土を使用します。

自分で土をつくりたい場合は、赤玉土6:腐葉土4をくらいの割合で、よく混ぜ込みます。これをベースにして、日当たり良好の場合はバーミキュライトを、日当たり・水はけがよくない場合はパーライトを加えましょう。

土が硬すぎると根が伸びにくくなってしまうので、よく耕してから植え付けるとよいでしょう。

いちご(苺)の植え付けの時期と手順

いちご(苺)の植え付けの時期と手順

いちごは12月頃から出回りますが、スーパーの店頭に並ぶものは農家で栽培されているので管理が徹底しています。農家の努力によって、早い時期からいちごを購入できるのです。

家庭で育てる場合は、夏が過ぎて暑さが落ち着いた時期に植え付けましょう。初心者におすすめの植え付けの時期と手順を紹介します。

苗を植える時期

いちごの品種によって植え付けの時期は異なりますが、家庭で栽培するなら『10~11月』に植えて、5~6月頃に収穫するのがおすすめです。

一年中、実ができるタイプの品種もありますが、初心者は秋に植え春に収穫する『一季なり』のいちごをおすすめします。

一季なりは、1年のうち一部の時期だけに実を採れる品種のことで、「さちのか」「とちおとめ」「とよのか」などの種類が人気です。

育てやすい苗は、住んでいる地域によって違います。早ければ9月頃からいちごの苗が出回るので、近くの園芸店を訪れてチェックしてみましょう。

植え付けに必要なもの

いちごを植え付けるときに必要な道具は、以下のとおりです。

  • いちごの苗
  • 野菜用の培養土
  • 鉢底網
  • 20cm程度の深さがあるプランターや鉢植え
  • マルチング用資材
  • スコップや土入れ

培養土は苗2~3本あたり、12Lが目安です。鉢底網を敷けば害虫の侵入を防げます。あらかじめ鉢底が網状となっているプランターもあるので、利用しましょう。

鉢底石を敷くと水はけがよくなりますが、いちごは浅めに植えて育てるので、必要ない場合が多いです。

また、いちごの栽培専用につくられた「ストロベリーポット」を使用すると、果実が地面に付くことを防げます。見た目も可愛らしく、ハーブ用ポットにも転用できるでしょう。

苗選びのポイント

丈夫な苗を選ぶことが、いちごの栽培を成功させるポイントの一つです。以下のポイントに注意しながら選びましょう。

  • 大きく厚みがある葉がよく茂っている
  • 葉に光沢があって緑色が濃い
  • 茎がしっかりとしていて太い
  • 根の量が多く、持ったときにがっしりとしている

少なくとも6~7枚の葉が付いている苗を選びます。葉が少ないと実ができる量も少なくなってしまいます。虫食いなどがないかもチェックしましょう。

植え付けの手順

いちごを植え付けるときは、以下の手順で行います。

  1. 苗に水をやって土を湿らせておく
  2. プランターに培養土を入れ、苗と同じ深さの穴を掘る
  3. ランナーの向きを調整し、クラウンを埋めないようにやや浅めに植える
  4. 苗の周囲の土を優しく押してなじませる
  5. 土の表面にシートやわらを敷いてマルチングし、いちごの実に土が付着するのを防ぐ

ランナーは親株から伸びるつるのことで、苗にはランナーを切った後があります。ランナーの反対側にいちごの実や花が付くので、『ランナーの反対側』がよく日に当たるように植えることが基本です。

クラウンはいちごの苗の根元にある王冠のような形をした部分のことで、クラウンから新しい芽が出て成長するので、土から出して植えましょう。苗の株間は約20~25cmくらい空けると、丈夫に育ちます。

日々のお手入れの方法は?

日々のお手入れの方法は?

世話をするポイントを押さえておくと、栽培に成功しやすくなります。丈夫ないちごの苗を入手し、植え付けのイメージができたら、水やりや肥料のやり方などを学んでいきましょう。

水やり

いちごの苗を地植えする場合は、雨が降ったときなどは水やりの必要はありませんが、朝夕に状態をよく見て、葉がしおれている・乾燥している場合は水やりをしましょう。

プランターで栽培する場合、表面の土が乾燥したら鉢底から水が流れ出るくらい、しっかりと水を与えます。いちごは乾燥に弱いので、暖かい季節は葉がしおれないように注意しましょう。

また、厳冬期は『暖かい日の午前中』に水やりをすることをおすすめします。

午後の遅い時間に水やりをすると、長時間、根の周辺に水分がたまって腐ってしまうことがあるので、気温が低い時期は午前中までに水やりを済ませることが重要です。

肥料や追肥の与え方

肥料は毎日与える必要はなく、追肥は植え付けから『1カ月後』と、花が咲き生育が盛んになる『3月上旬頃』と、実が付き始める『4月上旬頃』の3回に分けて与えるとよいでしょう。与えすぎると株が傷む原因になるため注意します。

与え方は使用する肥料や培養土によっても違うので、注意書きをよく読んで与えることが大事です。中には、追肥が必要ないタイプの培養土もあります。

肥料の種類は土の上に直にバラまくタイプの肥料や、水やりと一緒に与える液肥などがありますが、いずれのタイプもメーカーが推奨する使用量や頻度を守りましょう。

ランナーや枯れ葉、脇芽などの処理

いちごはランナーを伸ばして苗を増やしていきます。12月~3月頃にニョキニョキと伸びますが、よく育った甘い実を収穫するには不要なランナーは取り除く方法がおすすめです。

ランナーが伸びてきたら、根元から切るようにして摘みましょう。子苗を増やしたい場合は、切らずに残します。

また、黄色く変色した葉や、枯れた葉をいつまでも付けておくと病害虫が発生することがあるので、見つけたらその都度取り除くようにしましょう。

脇芽の処理は「芽かき」とも呼ばれ、余分な芽を摘んで養分を行き渡らせるためにします。つぼみができ始める時期に、苗の根元から新しく脇芽が伸びてきたら摘んでしまいましょう。

栽培するうえでの注意ポイント

栽培するうえでの注意ポイント

おいしいいちごを育てるには小まめな世話が欠かせませんが、日頃の手入れに加え、注意したいポイントがあります。いちごを無事に収穫するために、知っておきたいことを見ていきましょう。

病害虫や鳥に気を付けよう

いちごの苗は、「うどんこ病」や「灰色カビ病」などにかかることがあります。白い粉をふいたような状態になったり、褐色上の斑点ができることが特徴です。病気にかかった葉を見つけたら、すぐに取り除きましょう。

土の中に生息する糸状菌が葉に付着することで病気にかかるので、水やりのときに土がはねないよう、マルチングをすると予防できます。

苗同士の間隔をあけ、風通しをよくしたり葉が混み合っている部分を適度に間引いたりすることも重要です。また、ナメクジなどが発生することもあるため、見つけた場合は捕殺しましょう。

いちごの実は鳥に狙われやすく、実が熟し始める時期は特に注意が必要です。防鳥ネットを利用し、鳥の食害から守りましょう。

授粉と収穫

いちごは自家受粉をすることも可能ですが、もし、花が咲いても実ができない場合、筆を使用して優しく花の中央を撫でて受粉を促すとよいでしょう。

異常がない場合でも、早めに人工授粉することで、形がよいいちごをつくりやすくなります。

いちごの実が完全に赤くなったら収穫するタイミングです。ヘタの根元まで赤くなったものから、適宜収穫しましょう。

自分で育てた、新鮮ないちごの味わいは格別です。収穫後も、きっと、またいちごを栽培したい気持ちにさせてくれるでしょう。

まとめ

いちごには、肌の健康維持に役立つビタミンCや、眼精疲労への効果が期待できるアントシアニンなどの栄養素が含まれています。

日当たりのよい場所を確保し、水はけのよい培養土を使用すれば、栽培はそれほど難しくありません。園芸の初心者でも、秋に植え付けて春に収穫する一季なりのいちごを選べば、それほど苦労せずに育てられるでしょう。

無事に収穫の日を迎えるには、丈夫な苗を選ぶことや水やりのポイントを間違えないことが重要です。病害虫や鳥の食害などを防ぐ対策も忘れずに、自家製のいちごを栽培しましょう。

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