観葉植物がかかる病気を知ろう。風通しや害虫が原因のときの対策は?
空間を緑で彩る人気の観葉植物ですが、風通しが悪い環境や、間違った水やりによって、病気にかかることがあります。観葉植物がかかりやすい病気や害虫と、それぞれどのような対処をすればよいのかを、正しいお世話の仕方と合わせて紹介します。
観葉植物に異常が現れたら要チェック
観葉植物の葉が変色したり、弱ったりしていると感じたら、早めの処置が必要です。症状によって原因も対処方法も異なるため、植物の症状を正確に判断することが重要といえます。
水やりや日光への当て方など、普段の育て方が誤っていることが原因であるケースや、菌や害虫が繁殖していることでダメージを受けているケースがあるため、まずはどんな症状が出ているかをチェックしましょう。
茶色などに変色している
葉が黄色や茶色などに変色していたら、植物に異常が生じているサインです。水不足や日光不足、逆に強い日光に当てすぎることで、葉がダメージを受けていることがあります。
また、黒ずみが点々と現れる症状があれば、カビや『褐斑病』という病気にかかっているケースも考えられるでしょう。
水やりの仕方や葉やけが原因の場合
葉が茶色く変色するのは、水分不足のほか『葉やけ』が原因として考えられます。葉やけは、強い日差しにさらされ続けることで、葉がやけどしたように変色してしまう症状です。
逆に、日差しが足りない場合は色素が薄くなり、黄色っぽい弱々しい葉になってしまいます。水のやりすぎでも、葉が黄色く変色する場合があるため、水分も日光も適切な量が必要といえるでしょう。
適切な水分量は、植物の種類や季節によっても変わりますが、基本的には土が乾いたら、植木鉢の底から染み出るまでたっぷり水分を与えるのが適切です。
日光については、窓辺の日の当たる場所に観葉植物を置くようにします。真夏のように強い日差しが注ぐ際には、すりガラスやレースカーテンなどで植物を守るようにしましょう。
褐斑病が原因の場合
褐斑病とは、植物にとりつく『糸状菌』というカビ菌により、褐色もしくは黒色の斑点が生じる病気です。斑点部分が増えてくると、葉は光合成を妨げられるため、弱って枯れていきます。
一度褐斑病にかかった葉は復活しないため、症状が現れた葉は除去しましょう。また、褐斑病にかかった植物が生えていた土にも、原因菌が残っている場合があるので、入れ替えることをおすすめします。
糸状菌は、通常のカビと同様高温多湿の環境で活発になるため、水はけと風通しをよくするなどの対策ができます。梅雨の時期には注意しましょう。
葉が変形し、落ちている
葉が変形していたり、ちょっと触っただけで簡単に落ちてしまったりする場合は、根詰まりや土に繁殖したカビが原因で、根腐れしていることが考えられます。
観葉植物を一度植木鉢から出し、土の交換と腐ってしまった根の除去を行いましょう。あわせて、水はけをよくしてやることで、植物にとってよりよい環境にすることができます。土が常にじめじめしていると、根腐れが起きやすいのです。
根腐れは初期の段階で食い止めよう
根腐れは、その名の通り植物の根が腐った状態のことをいいます。植物は根から酸素と水分、栄養素を吸い上げるため、根腐れを起こせば植物全体が衰えてしまいます。
根腐れの初期段階であれば対処できるため、できるだけ早く根腐れの症状に気づくことが重要といえます。
水やりをした際、土への浸透が遅かったり、幹や茎の感触が、堅くしっかりしたものから柔らかく変わっていたり、根や葉が変色していて植物全体の元気が無かったりした場合は、根腐れを疑いましょう。
初期の場合は腐った部分切り、土を替える
根腐れの初期であれば、正しい対処を行うことで植物を復活させることができます。変色したり腐ったりしている根の部分は切り落としましょう。このとき、葉や茎も、根とのバランスを見ながら切りそろえていく必要があります。
その後、土を交換し、株ごと植え替えを行いましょう。この時点では、根は根腐れと切除されたダメージで弱っているため、肥料を与えることは逆効果です。多すぎる栄養は肥料焼けを起こします。
根腐れはなぜ起きる?
根腐れは、酸素不足によって起こります。水やりは、酸素を含んだ水を土に流し込む働きと、古い空気を流して新しい空気に入れ替える働きを持っているのです。
水はけが悪いと、土の中に含まれる空気量が不十分となり、根腐れが起こりやすい環境になるのです。
室内に置くことが多い観葉植物は、鉢カバーを使用することが多いですが、通気性が悪く水が溜まりがちになり、根腐れしやすい環境を作りやすいことに注意しましょう。
ほか、肥料のやりすぎによる『肥料焼け』や、酸素不足により菌の増殖で、根が侵食されることでも根腐れが起こります。
根腐れ防止材を活用しよう
根腐れ防止剤を土に混ぜ、土の環境をよくすることも効果的です。
不良ガスや不純イオンを吸収し、ミネラルも豊富に含む『珪酸塩白土』や、イオンを交換し、窒素やガスを吸収する働きをもつ『ゼオライト』を主原料にしたものが一般的です。
ハイフレッシュやミリオンといった名で販売されているため、気になる人はチェックしてみてくださいね。
白い綿が付いてベタベタしている場合は?
観葉植物に、白い綿のようなものがついていたり、葉の表面がベタベタしていたら『コナカイガラムシ』が寄生している可能性があります。
コナカイガラムシは、植物の栄養を吸って弱らせるだけではありません。繁殖しやすいので、室内にあるほかの観葉植物にも広がりやすく、早めに対策を取ることが肝心です。
コナカイガラムシが原因
コナカイガラムシの幼虫は、一見綿のような白いふわふわとした毛をまとっています。葉の表面だけではなく、裏側や茎と茎のわかれ目など、見つけにくいところに身を潜めている個体もいるため、注意が必要です。
部屋の窓を開けて換気をしているときに侵入したり、人が外出した際に服に付着させて部屋に入れてしまったりすることがあります。
コナカイガラムシの排泄物はベタベタと粘性を帯びており、さまざまな病原菌が付着しやすくなるため、さらなる病気に発展するケースもあるのです。