観葉植物の中で白い花が咲くスパティフィラム。特徴と育て方を紹介
白い花を咲かせる観葉植物のなかでも、とくに人気を集めているのがスパティフィラムです。くわしい特徴や育て方のポイントを知り、スパティフィラムのある暮らしを楽しみましょう。ほかの白い花を咲かせる品種や、便利なショップについても紹介します。
白い花が咲く観葉植物は観賞用として最適
観葉植物をはじめとするグリーン愛好家のなかでも、白い花を持つ植物は大きな支持を集めています。
まず、白い花を咲かせる観葉植物が愛される理由について見ていきましょう。
育てる楽しみと飾る楽しみがある
観葉植物を暮らしに取り入れる目的として、目で見て楽しむ鑑賞面をあげる人は多いでしょう。
しかし、観葉植物によって得られるメリットはそれだけではありません。ペットと同様に、手をかけるほど大きく美しく成長する観葉植物は、『育てる楽しみ』を与えてくれる存在でもあるのです。
とくに、花を咲かせる種類の観葉植物の場合、花が咲くかどうか、咲いた花は健康で美しいかなど、それまでのお世話の結果が目に見えて分かります。
花が咲くまでの過程を満喫し、開花した可憐な白い花を飾って楽しむ、そんなさまざまな楽しみ方ができるのが、この白い花を咲かせる観葉植物なのです。
1番の人気はスパティフィラム
白い花を咲かせる観葉植物のなかでも、とくに多くの人から愛されているのが『スパティフィラム』です。
スパティフィラムがどのような種類で、どのような特徴を持つ観葉植物なのか、くわしく見ていきましょう。
白い部分は花ではない?
『スパティフィラム=白い花』というイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?実は、スパティフィラムの花弁のような白い部分は、花ではありません。正式には、『仏炎苞(ぶつえんほう)』と呼ばれる葉の一種です。
スパティフィラム本来の花に当たる部分は、仏炎苞の中央の棒状部分で、これは『肉穂花序(にくすいかじょ)』と呼ばれています。スパティフィラムの白く美しい仏炎苞には、この肉穂花序を守る役割があるのです。
花が咲くまでの期間と開花時期
スパティフィラムの開花期は、通常5~10月です。しかし、条件さえ整っていれば、1年を通じて花を咲かせます。開花期には何度でも花を咲かせますが、花の色が緑味を帯びてきたら、終わりに近付いた合図です。
この場合、そのまま放置しても良いのですが、花が終わるとやがて種を作り、その過程で多くの栄養が必要になります。種を採取する必要がなければ、ほかの花を長く楽しむためにも早々に切り落としましょう。
なお、鉢で購入したスパティフィラムは、苗の状態や大きさにもよりますが、基本的にその年から美しい花を楽しめます。一方、種から育てた場合は開花までに3~4年が必要です。目的やライフスタイルに合わせて選びましょう。
スパティフィラムの主な品種と特徴
スパティフィラムには、小型のものから大型のものまで、およそ35種の品種が存在しています。
よく知られているのが、日本で作り出された『スパティフィラム・メリー』です。一般的にスパティフィラムというと、このスパティフィラム・メリーをさすことが多いようです。
先端まですっと伸びた葉と花のバランスの良さが特徴で、洗練された雰囲気を漂わせます。モダンな白い陶器の鉢などにい入れて飾れば、インテリアを格上げしてくれるでしょう。
このスパティフィラム・メリーの小型品種として、『スパティフィラム・ミニメリー』という種類もあります。その手頃なサイズ感から、卓上グリーンとしても活躍する品種です。
そのほか、肉厚で大きな葉がワイルドな印象を与える『スパティフィラム・キャニフォリウム』など、多彩な種類のなかから好みに合わせて選べます。
スパティフィラムを育てるポイント
観葉植物は、種類によって育てるためのコツや注意点が違います。ここで、スパティフィラムを育てるためのポイントを紹介していきます。
直射日光が当たらない、明るい室内に置く
スパティフィラムをはじめ、多くの観葉植物には、直射日光を避けるという注意点があります。これは、せっかくの美しい緑の葉が直射日光にさらされることで、葉焼けを起こすのを避けるためです。
とはいえ、植物を健康に育てるうえで、日光は欠かせない重要な要素です。スパティフィラムの葉を傷めず健康に育てるためには、十分に明るく、それでいて直射日光の当たらない場所に置く必要があります。
具体的には、レースのカーテン越しの窓辺や、小窓のある階段の踊り場などがおすすめです。
成長期の5〜9月はたっぷりと水を与える
スパティフィラムは、成長期にたくさんの水を与えられると大きく成長する品種です。成長期にあたる5~9月には、土の表面がやや乾燥しはじめるタイミングで、たっぷりと水を与えます。
ただし、たっぷりと水を与える際は、根腐れに注意してください。受け皿に水が溜まっていないかどうかのチェックも忘れないようにしましょう。また、霧吹きなどで葉を潤す『葉水』も、いきいきとした健康な葉を保つために必要なお手入れ方法です。
なお、スパティフィラムは、気温が下がり、15℃を下回ってくると徐々に成長がゆっくりになり、休眠期を迎えます。この時期のスパティフィラムは、ほとんど水を必要としないため、土の表面が完全に乾ききったころに与える程度に留めましょう。
カイガラムシやハダニの発生原因
観葉植物のなかでも、比較的丈夫な種類として知られるスパティフィラムですが、害虫による被害には注意が必要です。スパティフィラムに被害を与える主な害虫には、『カイガラムシ』『ハダニ』などがいます。
このうちカイガラムシは、風通しの悪い環境を好んで現れる害虫です。一方で、ハダニは乾燥した環境を好んで現れます。同じ花に付く害虫でも、発生原因はそれぞれ違うため、それぞれに合った対策を取りましょう。
予防方法は?
カイガラムシの発生を防ぐには、暗く狭い場所に置かないようにすることが大切です。じめじめとした環境は避けてください。
一方、ハダニの予防には、葉に霧吹きなどで水を吹き付ける『葉水』が有効です。日々のお手入れの一環として習慣づけると良いでしょう。
カイガラムシもハダニも、発生するとスパティフィラムの養分を吸い取るため、最悪の場合、枯れてしまいます。早期の対処が肝心なので、葉の表面はもちろん、裏側まで定期的なチェックが必要です。
カイガラムシやハダニについてはこちらの記事でより詳しく紹介しています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
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花が咲かない原因はなに?
花が咲くのを楽しみに育てている観葉植物の花が、思い通りに咲かなかったとしたら、きっと残念に思うでしょう。