
フラワーアレンジメントとはどんなもの?花束との違いや選び方を紹介

『フラワーアレンジメント』と『花束』の違いを知っておくと、シーンに合った贈り物をしやすくなります。どちらを贈ればよいのか迷った時のために、それぞれの特徴をまとめました。メリット・デメリットを知って、贈り物選びをスムーズにしましょう。
フラワーアレンジメントと花束の違いとは
『フラワーアレンジメント』と『花束』は、どちらも人気のフラワーギフトです。この2つは似ているようでいて、実は明確な違いがあります。それぞれの違いを知って、プレゼント選びに役立てましょう。
アレンジメントとは
『フラワーアレンジメント』とは、器の底に吸水スポンジを入れ、土台となるスポンジに植物を挿して作成する、お花の飾り方です。
生花をスポンジに挿して飾りつけていくため、花1本1本の長さを変えるなどして立体的にデザインすることができます。手のひらサイズのものから大きなものまで、さまざまな大きさのアレンジメントが可能です。
花瓶がなくても、もらってすぐに飾ることができる点や、高い装飾性を楽める点が魅力です。
洋風にアレンジされたものもあれば、和風なテイストで作られたものもあり、飾っておく場所や、贈りたい相手の好みに応じて選べます。
花束とは
『花束』は、切り花を束ねたものです。1種類の植物を使うこともあれば、複数の草花を揃えて彩りよく切り花をまとめて作ることもあります。
プレゼントに使用する場合は、包装紙やリボンなどで美しくラッピングして贈ることが一般的です。
日本には古くから、季節の花を飾って来訪者をおもてなしする風習があります。生花店で切り花を買って、自宅に飾る習慣がある人への贈り物におすすめです。
花束を贈られた人は、自分で花瓶や花器を用意して飾らなければなりません。花を飾って楽しむことが好きな人に贈ると喜んでもらえるでしょう。
引き算の美学、生け花とは
フラワーアレンジメントと混同されがちなものに『生け花』があります。『生け花』と『フラワーアレンジメント』は、使用する道具が違う点が大きな違いです。
生け花の場合は、剣山に植物を挿して作成します。見た目の豪華さだけでなく、花がない余白の部分にも趣の深さが感じられるようなデザインとなっていることが特徴です。ディスプレイ目的というよりも、芸術性を楽しむものといえるでしょう。
持ち運ぶことを想定して作られるものではないため、プレゼントには向いていません。
フラワーアレンジメントの歴史は?

フラワーアレンジメントの起源は、エジプトやギリシャなどを中心に発生したと考えられています。日本でフラワーアレンジメントという言葉が一般的になったのは、実は最近のことです。
ここからは、フラワーアレンジメントの歴史を見ていきましょう。
始まりはなんと紀元前から
『フラワーアレンジメント』の歴史は古く、紀元前2000年には存在していたと考えられています。地中海やヨーロッパを中心に、世界へ広がっていきました。
当時の人々は、個人的に花を飾っていたわけではなく、宗教的な行事の際の装飾として使用していたと言われています。
現在のフラワーアレンジメントは、1300~1600年頃のイタリアの文化がもとになっていると言われています。特権階級の人だけでなく、庶民の間でも花を飾る習慣がありました。装飾性が高い花瓶や花器が用いられるようになったのも、この時代です。
日本でのフラワーアレンジメントの始まり
日本では、平安時代に仏教が広まったことで、花を供えたり飾ったりする習慣が一般化しました。『生け花』や『華道』が誕生したのは、室町時代だと言われています。
しかし、日本でフラワーアレンジメントという言葉が一般的になったのは、1960年代に入ってからです。1967年に日本フラワーデザイナー協会(NFD)が設立され、フラワーデザインが広く普及するようになりました。
アレンジメントを贈るシーンとメリット

では、どのようなシーンで『フラワーアレンジメント』を贈ると喜んでもらえるのでしょうか?
プレゼントに相応しいシーンや、フラワーアレンジメントを贈るメリットを紹介します。
アレンジメントを贈るおすすめのシーン
『フラワーアレンジメント』は、母の日・誕生日やお見舞いなどの贈り物におすすめです。ちょっとした空間に飾ることができる小ぶりなものから、ボックス入りのおしゃれなタイプまで、さまざまなデザインがあります。
気軽に飾って楽しめるため、贈り先の手を煩わせたくない時に贈るとよいでしょう。
お見舞いとして花を贈るシーンでは、花瓶の用意がない病室でもすぐに飾ることができるフラワーアレンジメントを選ぶことで、特に喜んでもらえるでしょう。
花瓶がなくても大丈夫
フラワーアレンジメントは、花器とセットになっているところが魅力です。
どうやって飾り付けるか?という点を心配しなくて済むところが、フラワーアレンジメントを贈るメリットです。
フラワーアレンジメントは花器に入った状態でデザインされているため、花瓶を別に用意する必要がありません。また、花を飾る習慣がなくても、飾りたい場所にそのまま置くだけで美しい空間を演出できます。
水換えの手間がいらない
花を贈るシーンによっては、プレゼントを渡すまでに時間がかかるケースもあるのではないでしょうか。フラワーアレンジメントは、水をすぐに確保できないシーンでも活躍してくれます。
フラワーアレンジメントは、スポンジに水を吸わせたものを土台として使用しています。スポンジに水が染み込んでいるため、水換えの手間がかからない点が魅力です。
切り花は時間がたつにつれ新鮮さがなくなります。一方、フラワーアレンジメントは、相手に渡すまでに時間がかかる場合でも、花がきれいな状態を保ちやすいのも特徴です。
花束を贈るシーンとメリット

『花束』はどんなシーンで贈ると喜んでもらえるのでしょうか?花束の特徴を知ることで、贈るシーンを想定しやすくなります。
花束贈呈に適したシーンや、花束を贈るメリットを紹介します。
花束を贈るおすすめのシーン
結婚式や記念式典など、いろいろなセレモニーで、花束贈呈のシーンを見かけたことがあるのではないでしょうか?花束贈呈は、場の雰囲気を盛り上げる、華やかな演出として知られています。
『花束』はフラワーアレンジメントとは違い、イベント性のある場面で贈り物に選ばれることが多いです。注目を浴びるシーンや、ステージ上で何かプレゼントを贈るような感動的な状況を思い浮かべるとよいでしょう。
たとえば、結婚式・卒業式・送別会など、イベントや式典でのプレゼントにもぴったりです。
アレンジして飾ることができる
花束は、ラッピングされた状態のまま飾るのではなく、リボンを解いて包みから出した状態で飾りつけます。花を飾る際には、水を入れた花瓶が必要です。
そのため、花が好きな人や、花を育てる知識がある人には、花束を贈った方が喜んでもらいやすいでしょう。
フラワーアレンジメントは、生の草花を使用するため、フラワーデザインの知識がある人であれば、花束からアレンジメントの作成もできます。
大きな花束は華やか
花束は華やかな印象を与えてくれるため、イベントを感動的に盛り上げたい時にぴったりです。バラ・ユリ・シャクヤクなど、大きな花をメインに使うと見栄えがよく、ゴージャスな雰囲気がアップします。
大きな花をメインにして、まわりに小さな花を散らしたり、ラッピングやリボンの色・素材にもこだわったりして花束を作ると、一層豪華さが増すことでしょう。
花束を注文する時は、どんな場面でどんな人に贈るものなのかをフラワーショップに伝えると、イメージにぴったりなものを作ってもらうことができます。
どちらにもデメリットがある

『フラワーアレンジメント』と『花束』には、それぞれデメリットが存在します。両方のデメリットを知って、贈り先の特徴に合うプレゼントを贈りましょう。
アレンジメントは花が傷みやすい
フラワーアレンジメントは、デザイン性が高いところが魅力です。装飾性をアップするために、茎や枝を短くカットしてアレンジすることもあります。そのため、植物に負担がかかりやすく、花瓶に移した花束に比べると寿命が短くなってしまいます。
植物を長持ちさせたい場合、できるだけ頻繁にきれいな水と交換することが必要です。アレンジメントは土台に花を挿してあるため、スムーズに水を入れ替えることができません。
水を入れ替えやすい切り花とは違い、切り口から新しい水を吸い上げることができず、花が傷みやすくなってしまうのです。
また、傷んだ部分を取り除くと穴が空いてしまい、デザイン性を維持することができません。より長くきれいな状態を楽しんでもらいたい場合には、花束を贈るとよいでしょう。
花束は花器が必要
花束を贈る際は、贈り先に花器があるかどうかを気にして贈る必要があります。花束は切り花を束ねて作るため、植物が新鮮な状態を維持するために必要な水分が、すぐになくなってしまうことが特徴です。
きちんと管理をすれば、フラワーアレンジメントよりも、花束の方が花がきれいな状態を維持しやすいと言えます。
しかし、きれいな水を入れた花瓶に入れ替えることができなければ、結局はすぐに枯らしてしまうことになってしまいます。
小ぶりなサイズの花束であれば、グラスを花瓶として代用もできますが、花を飾る習慣がない家には、大きな花器がない場合がほとんどです。大きな花束を贈る時は注意しましょう。
まとめ
『フラワーアレンジメント』と『花束』の違いを理解しておくことで、その場により相応しい贈り物をしやすくなります。それぞれのメリットとデメリットを、しっかり押さえておきましょう。
また、贈る相手の好みを知っておくと、より喜んでもらいやすくなります。フラワーギフトを届けたい相手が、部屋に花を飾っている様子をイメージしながら選んではいかがでしょうか。