
胡蝶蘭が枯れたらもう終わり?もう一度お花を咲かせる方法

胡蝶蘭が枯れてしまったら、もう処分するしかないと思っていませんか?胡蝶蘭はお花が枯れてしまっても、株が生きていればまたお花を咲かせることができます。胡蝶蘭のお花をもう一度咲かせる方法や、枯れる原因などをまとめています。
胡蝶蘭はお花が枯れたら終わりではありません!

胡蝶蘭のお花が枯れ落ちてしまったらもう終わり、と思っていませんか?
胡蝶蘭は株さえ生きていれば、何度でもお花を咲かせてくれる生命力の強い植物です。胡蝶蘭のお花が終わったあと、完全に枯れてしまったかどうかを判断するには、葉っぱを観察してみてください。
葉っぱに艶があり、綺麗な緑色をしていれば株は生きています。
お花が終わった胡蝶蘭は葉っぱに栄養を蓄え、次のお花を咲かせる準備をしているのです。
お花が枯れた胡蝶蘭をもう一度咲かせる方法

お花が終わった胡蝶蘭はまだ枯れていません。お花が終わったあとのお手入れをしっかりしてあげれば、何度でもお花を咲かせることができます。胡蝶蘭のお花をもう一度咲かせる方法をご紹介します。
寄せ植えの場合は植え替えを
胡蝶蘭のお花が終わったら、まず植え替えをしましょう。
お祝いなどでいただいた胡蝶蘭は、より華やかに見せるために複数の株が一つの鉢に寄せ植えされている状態です。植え替えは、根っこや葉っぱを健康に育て、お花を咲かせるためにとても大切です。
植え替えは暑い夏の時期や寒い冬の時期は避け、お花が終わった4月〜6月頃にするようにしましょう。また、頻繁な植え替えは胡蝶蘭の根っこをダメにしてしまうので、頻度は2年に一度くらいを目安にしてくださいね。
気長に胡蝶蘭を育てる場合(基本)
植え替えが終わったら、胡蝶蘭の茎を斜めにカットします。胡蝶蘭を健康に育てたい場合、茎を根元からカットしてください。翌年にお花を咲かせてくれることを楽しみに、気長に育てましょう。
茎を根元からカットすることで、株を休ませてあげることができます。すると、株が次のお花を咲かせるパワーを蓄え、長期間お花を咲かせることができるようになります。
早く次のお花を咲かせたい場合
どうしても早く次のお花を咲かせたい場合は、茎を根元からではなく、2〜3節目のところでカットしてください。
株の状態にもよりますが、元気で健康な株の場合は、数カ月後に次のお花を咲かせてくれるでしょう。
ただ、こちらの方法だと株を休ませてあげられていないので、株が弱くなってしまいます。長く胡蝶蘭を楽しみたい場合は、基本の方法で根元からカットしてくださいね。
胡蝶蘭の植え替えが終わったあとのお手入れ

胡蝶蘭の植え替えが終わったらひと安心ではありません。植え替え後も、置き場所と水やりの頻度に注意して、胡蝶蘭のお手入れをしてあげてくださいね。
風通しの良い場所に置く
胡蝶蘭の置き場所で大切なポイントは、以下の2点です。
- 直射日光があたらないこと
- 風通しが良いこと
春〜秋は、レースカーテン越しの暖かいところに置いてあげましょう。夏は強い日差しに注意してくださいね。
冬は15度くらいを保てる場所に置いてあげてください。胡蝶蘭は寒さに弱いので、夜間の冷え込みが気になる場合は、ダンボールで囲うなどして工夫してみてくださいね。
水やりは少なめにする
胡蝶蘭の植え替え後、1週間は水やりをしないでください。その後の水やりも少なめにすることがポイントです。
水苔の表面全体がしっかり乾いているのを確認してから水を与えるようにしましょう。
季節や温度によって変わりますが、1週間〜10日に一度を目安に水やりをしてください。水はできるだけ常温のものをあげてください。水やりをした後は、根腐れを防ぐために、鉢の受け皿に溜まった水を必ず捨てるようにしてくださいね。
こんな症状はお花が病気のサイン

お花が枯れ落ちるのとは違い、お花の色が変色していたり、しおれていたりする場合は病気にかかっているサインかもしれません。
病気になってしまっても、原因を取り除いてあげることで症状が良くなる可能性があります。お花の状態をよく観察し、すぐに対処してあげましょう。
灰色の斑点ができている
お花に灰色の斑点ができている場合、低温多湿が原因で起こる『灰色カビ病』になっている可能性があります。小さな褐色の斑点が徐々に大きくなり、灰色や緑灰色のカビが発生します。
胡蝶蘭の鉢の周りを段ボールや新聞紙などで囲い、温度を上げるようにしてください。
花びらが変色している
花びらの端っこが黄色く変色している場合、アザミウマという害虫が原因かもしれません。4月中旬ごろからの高温で乾燥する時期に寄生し、お花やつぼみにダメージを与えます。
オルトランなどの薬剤を使って駆除すると良いでしょう。
お花がしおれている
お花が下に垂れ、しおれている場合は、低温障害を起こしている可能性があります。胡蝶蘭は元々暖かいところで育っているため、寒さに弱い植物です。
室温を15度以上に保つようにしてあげてください。段ボールや毛布などで鉢を囲い、温めるようにしましょう。また、水やりの際の水の温度にも気を遣ってあげてください。
お花やつぼみが落ちる
お花やつぼみが落ちてしまい、いつまでもお花が咲かない場合、アブラムシが寄生しているかもしれません。アザミウマと同様に、高温で乾燥する時期に発生しやすい害虫です。
テルスター・オリオン・アドマイヤーなどの薬剤を使って駆除します。また、水で薄めた牛乳を霧吹きすることも効果的のようです。
胡蝶蘭の根っこや葉っぱが枯れたときの対処法

お花ではなく、胡蝶蘭の根っこや葉っぱが枯れてしまった場合の対処法をご紹介します。根腐れや葉の異常がある場合も、復活させられることもあるので、すぐに処分はせずに手当てをしてあげましょう。
根っこが黒く変色している場合
根腐れは水の与えすぎによって起こります。
根腐れの初期症状は葉っぱに現れてきます。葉っぱがシワシワになっている場合、根腐れを疑ってください。根腐れが進行すると、栄養を吸収できず、株も弱っていってしまいます。葉っぱに元気がないな、と感じたら、根っこを引き抜いて確認してみてください。根腐れを起こしている根っこは茶色く変色しています。
根腐れを起こしていて、変色していない根っこがまだ残っている場合は、植え替えすることで胡蝶蘭を助けられるかもしれません。腐った根っこだけを取り除いて、植え替えをしてください。植え替えによって、胡蝶蘭はまた新しいお花を咲かせてくれる可能性があります。
葉っぱの色が変色している場合
- 葉っぱが黒くなっていたり、または白く色が抜けていたりする場合
直射日光を浴びたことによる葉焼けを起こしています。胡蝶蘭の葉っぱは数時間でも葉焼けしてしまうこともあるようです。葉焼けによって変色した部分は元に戻すことはできないので、早めに置き場所を移してあげましょう。また、葉焼けした部分は他のウイルスに感染しやすくなっているので、取り除いてあげてくださいね。
- 下の葉っぱが黄色くなっている場合
寿命による変色なので心配することはありません。胡蝶蘭の葉っぱは役割を終えると、下から黄色くなります。黄色くなった葉は、株に負担がかからないようにするため、後ろから前に引いてちぎって取り除いてあげてください。
- 葉っぱが黄色く変色したあと、半透明になった場合
凍傷になっている可能性があります。寒い時期に室外に置いたり、室温が低すぎたりすると凍傷を起こしてしまいます。葉っぱの変色の他に、お花が垂れ下がってしまうことも凍傷の症状です。暖かい場所に移動させたり、胡蝶蘭の鉢を段ボールや毛布で囲って温度調整をしてあげてください。もし葉っぱが水っぽくなってしまっている場合、その葉っぱは清潔なハサミを使って切り落としてください。
胡蝶蘭が完全に枯れてしまった場合

胡蝶蘭は、枯れてしまってもちゃんと処置をすることで、元気を取り戻せることが少なくありません。しかし、残念ながら完全に枯れてしまい、処分するしかないこともあるでしょう。判断のポイントと胡蝶蘭の処分方法をお伝えします。
判断のポイント
全ての葉っぱがしおれている場合や、全ての根っこが白や黒に変色し、ぶよぶよになっている場合は、完全に枯れてしまったといえるでしょう。
根元がしっかりした元気な葉っぱと、緑色の元気な根っこがそれぞれ一つだけでも残っていれば、復活の見込みはあります。その場合は根気よくお手入れしてあげてくださいね。
枯れてしまった胡蝶蘭の処分方法
残念ながら完全に枯れてしまった胡蝶蘭を処分するにはどうすれば良いのでしょうか。業者に引き取ってもらうことも可能ですし、少し手間はかかりますが、自分で処分することも可能です。ご自分に合った方法できちんと最後まで処分してくださいね。
- 業者に引き取ってもらう場合
胡蝶蘭専門の廃棄業者を利用するか、胡蝶蘭を発注したお花屋さんで引き取ってもらえる場合があるようです。胡蝶蘭の専門業者を利用する場合、処分を依頼する胡蝶蘭の数でも変わってきますが、おおよそ1,000円〜2,000円ほどで引き取ってもらえる場合が多いようです。
また、お花屋さんでの引き取りの場合、回収するにあたって金額や地域などの条件があることが多いので、処分を依頼する際にはよく確認してくださいね。
こちらの記事では買取や引き取りに対応してくれるお花屋さんを紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
- 自分で処分する場合
まずラッピングを外します。次に支柱を抜いて、茎・葉っぱ・根っこを仕分けましょう。最後に分別して捨ててください。
支柱を抜く処理は手間がかかって大変かもしれませんが、そのままの状態だと処分しにくいので、ペンチなどを使って細かくしたり、曲げて小さくしておきましょう。
胡蝶蘭を枯らさないために

せっかくいただいた胡蝶蘭を枯らさないために大切なことは、胡蝶蘭が心地よいと感じる環境で育てることです。
直射日光のあたらない、暖かく、風通しの良い場所に置いてあげてください。
水やりは表面が完全に乾いてからあげるようにしましょう。
この2点を守っているだけでも、胡蝶蘭を枯らしてしまうことは驚くほど少なくなります。綺麗な胡蝶蘭を長く楽しんでくださいね。
まとめ
枯れてしまった胡蝶蘭をもう一度咲かせる方法や、症状別の対処法などをご紹介しました。胡蝶蘭は簡単には枯れません。環境を整え、長く綺麗な胡蝶蘭を楽しんでくださいね。