観葉植物の葉がベタベタに!病気の原因と対策方法
観葉植物の葉の表面がベタベタしており、植物自体にも元気がないという時は、コナカイガラムシの被害を疑いましょう。幼虫は薬剤が効果的なので、気づいたらできるだけ早く対処するのがおすすめです。コナカイガラムシの生態と駆除・予防方法を紹介します。
観葉植物の葉がベタベタするのは病気?
育てている観葉植物の葉がベタついていると感じたら、まずは植物自体の病気を疑う人が多いのではないでしょうか。
実はその葉のベタベタは、害虫による被害の可能性があります。以下で詳しく紹介します。
ベタベタの正体とは
観葉植物の葉がベタベタする原因として考えられるのは、コナカイガラムシという害虫です。大きさ1.5~3.0㎜の小さな虫ですが、繁殖力が強く、植物の汁を吸って弱らせます。
コナカイガラムシの排泄物は粘度が高く、これが葉のベタベタの正体なのです。
一緒に白い綿状のものが現れることも
ベタベタした葉と一緒に、白い綿状のものが見つかることがあります。一見ホコリのようにも見えますが、これこそコナカイガラムシそのものです。
コナカイガラムシの対策
コナカイガラムシを駆除するための方法を紹介します。幼虫には薬剤が効きやすいのですが、成虫は効きにくいため、物理的に落としていくことが必要です。
駆除後に必要な、植物へのケアも併せて確認していきましょう。
幼虫は薬剤が効きやすい
あまりコナカイガラムシを見たことがないという人にとっては、見た目では幼虫・成虫の判断がつきにくいかもしれません。
白い綿毛のようなものをまとったのが幼虫、黒い殻に覆われたのが成虫です。幼虫が現れる時期は5~7月頃なので、時期も目安にしましょう。
コナカイガラムシは、幼虫の間であれば、薬剤がききやすいという特徴があります。『オルトラン水和剤』『アクテリック乳剤』といった薬剤が効果的です。月に2~3回程度、姿が見えなくても丁寧に散布しておきましょう。
上記のほかに、速効性成分『フェンプロパトリン』と浸透移行性『クロチアニジン』の2つの薬剤が配合された『カイガラムシエアゾール』があります。幼虫はもちろん、成虫退治にも効果が期待できます。
カイガラムシの脱皮阻害作用を持つ『ブプロフェジン』を含む『ベニカDX』は、幼虫が成虫に成長することを阻害し、産卵・卵の孵化の抑制効果が期待できる薬剤です。
成虫の場合は歯ブラシなどで落とす
成虫にある殻は『虫体被覆物』と呼ばれており、薬剤が効きにくいという特徴があります。植物から引き剥がすことで駆除できるため、ティッシュでふき取るか、歯ブラシでこすり落としましょう。さほど力を入れなくても簡単に落とせます。
葉の表面だけでなく、裏や茎の枝分かれした隙間なども、くまなくチェックしておきましょう。
ベタベタや白い綿も拭き取る
ベタベタした葉をそのままにしておくと『すす病』の原因菌である、すす病菌が付着しやすくなります。葉の光合成を妨げ、植物全体がすすをまとったように黒く変色してしまうのです。
せっかく害虫を駆除しても、植物が弱り続けては意味がありません。葉のベタベタはきちんとふき取っておきましょう。
被害を広げないためには?
コナカイガラムシが発生してしまったら、これ以上被害を広げないようにしましょう。発生原因を突き止め増殖を防ぎ、薬剤が効果的な幼虫の間に駆除します。さらに、再発防止に薬剤を散布しておけば安心です。
発生の原因を知っておく
まずは、カイガラムシを発生させないことが大切です。風に運ばれて植物に付着したり、外出時に衣服につき、気づかずに持ち込んでしまったりすることで、室内の植物にたどり着いてしまうケースがあります。
また、風通しが悪い場所や、日光が当たらず暗く狭い場所も、コナカイガラムシが好む環境です。そういった場所では、植物に付着したコナカイガラムシがどんどん増殖してしまいます。
見つけたら成虫になる前に駆除する
前述したように、コナカイガラムシの駆除は成虫になる前に行うのがおすすめです。
成虫になってしまうと、こすり落としての駆除がメインとなってしまいます。余計な手間がかかるのはもちろん、見落としにより完全には駆除できなかった、ということもあり得ます。
薬剤が効きやすい幼虫のうちに、効率よく退治してしまいましょう。
予防のため薬剤をかけておく
コナカイガラムシの駆除の後は、再度寄生されてしまわないように『オルトラン粒剤』を使用するのがおすすめです。土の上に撒くだけなので手軽なのも嬉しいポイントです。
ほかにも、『ダントツ水溶剤』を水で薄め、土の表面に染み渡らせるのも予防に繋がります。ダントツ水溶剤を水で薄めたものは、霧吹きにすればコナカイガラムシの駆除そのものにも役立つ便利なアイテムです。
まとめ
コナカイガラムシは、植物があればどこにでも発生してしまう厄介な害虫です。葉がベタベタするなと感じたら、くまなく観察してみることをおすすめします。
コナカイガラムシの予防と駆除の方法を知り、大切な植物を害虫被害から守りましょう。