観葉植物の中で白い花が咲くスパティフィラム。特徴と育て方を紹介
しかし、そのような事態は決して珍しいことではありません。ここでは、スパティフィラムの花が咲かない場合の原因について紹介します。
日光不足が原因
株の大きさや環境が整っているにもかかわらず、スパティフィラムの花が咲かない場合、もっとも考えられる原因が『日光不足』です。
耐陰性のあるスパティフィラムは、あまり日の当たらない環境でも育てられる品種として知られています。しかし、スパティフィラムに限らず植物が花を咲かせるためには、相応の条件が必要です。その1つに、適度な日当たりが挙げられます。
また、急激な温度変化も花が咲かない原因の1つです。日中の日当たりは良好なのに花が咲かず、ほかに原因が思い当たらない場合には、1日を通した気温の変化についても確認すると良いでしょう。
肥料が不十分
『肥料不足』もスパティフィラムが花を咲かせない原因として考えられます。春から秋にかけての成長期には、緩効性の置き肥を基準よりも、やや多めに与えましょう。適度に希釈した液体肥料も有効です。
緩効性の置き肥は、春~秋で2カ月に1回、液体肥料なら半月に1回を目安にします。なお、肥料を選ぶ際は、『有機』タイプよりも『化成』タイプを選びましょう。コバエの発生など不快な影響を受けず、スパティフィラムに適切な栄養を与えられます。
根詰まりを起こしている
スパティフィラムの花が咲かない場合、『根詰まり』についても確認しておきましょう。根詰まりとは、植物の大きさに対して鉢のサイズが小さすぎるために、長く伸びた根が行き場を失くして詰まっている状態をさします。
根詰まりを起こすと、根が十分に水を吸収できません。その結果、適切な光合成ができず、場合によっては根腐れを起こしたり、葉が枯れてしまったりすることもあります。
鉢を持ち上げて底をのぞいてみたときに、底穴から根がはみ出してきていたら、根詰まりを起こしている可能性が高いです。植え替えをするなど、スパティフィラムがのびのびと育つ環境を用意してください。
スパティフィラムは贈り物にぴったり
つややかな濃い緑の葉と、白い花部とのコントラストが印象的なスパティフィラムは、贈り物としても人気の観葉植物です。
スパティフィラムが贈り物として選ばれる理由と贈る際のポイントについて見ていきましょう。
花言葉がとても素敵
花と同様に、観葉植物もそれぞれに個性的な花言葉を持っています。スパティフィラムには、以下のような花言葉があります。
- 清らかな心
- 上品な淑女
- 包み込む愛
- すがすがしい日々
優美でありながら、どこか芯の強さを感じさせる、スパティフィラムならではの花言葉といえるでしょう。
とくに女性へのプレゼントにふさわしい
可憐な外観と、その外観をありのまま表現したかのような洗練された花言葉を持つスパティフィラムは、女性へのプレゼントとしてとくにおすすめの観葉植物です。
相手への敬意や好意をストレートに表現できる、この上ない品といえるでしょう。
飾る場所を選ばない小さいサイズがおすすめ
一般的なスパティフィラムは、高さ25~100cm前後、全幅約15~50cm前後、3~8号鉢に該当する大きさです。
インテリアのメインとして飾るのであれば、大型のものが見栄えがします。しかし、プレゼントに選ぶのであれば、置き場所を問わない小型のものが良いでしょう。
その場合、小さめの号数の鉢を選ぶ方法のほか、小型種である『スパティフィラム・ミニメリー』のような種類を選ぶという方法もあります。
見た目の美しさ、置き場所を選べる、移動や手入れの負担も少ない点で、小型のスパティフィラムは贈り先に喜んでもらえるギフトといえるでしょう。
ほかにも見つけた白い花が咲く観葉植物
白い花を咲かせる観葉植物は、スパティフィラムだけではありません。スパティフィラム以外の主な種類を紹介していきます。
ブライダルベール
『ブライダルベール』は、メキシコ・熱帯アメリカを原産とするツユクサ科の多年草です。鉢植えとしても人気の種類ですが、成長とともに茎を長く伸ばす『つる性植物』のため、釣り鉢に仕立てると、より魅力を引き出せます。
小ぶりの白い花が豊かに垂れる姿は、その名の由来ともなった花嫁のベールを思い起こさせるでしょう。繊細なかわいらしさに満ちています。常緑性で、1年を通じて花を楽しめるため、インテリアにもぴったりの観葉植物です。
マダガスカルジャスミン
『マダガスカルジャスミン』は、見た目の美しさはもちろん、さわやかで芳醇な香りも楽しめる品種です。その香りからジャスミンという名が付いてはいるものの、一般的に知られているモクセイ科のジャスミンとはまったく違う種類の観葉植物です。
マダガスカルジャスミンは、光沢のある濃い緑の葉を持ち、4cmほどの5弁の白い花を咲かせます。開花時期は4~9月のため、長期間にわたって美しい姿を堪能できるでしょう。
シマトネリコ
『シマトネリコ』は、沖縄からインドにかけて広く自生する、日本人に馴染みのある観葉植物です。
成長の早い種類でもあり、原産地で自生するもののなかには20mになる大木も見られます。一般家庭の庭では多くが2~5mほど、大きくても10mほどが標準的なサイズです。
最近では鉢植えにして屋内で育てられるケースも多く、シンボルツリーとして広く利用されています。
そんなシマトネリコは、5月下旬から7月にかけてが開花時期です。白くて小さなかわいらしい花をたくさん咲かせます。ただし、イチョウやアオキと同じ雌雄異株の植物のため、花を咲かせるのは雌株のみです。
ドラセナ・マッサンゲアナ
『幸福の木』として知られる『ドラセナ・マッサンゲアナ』も、白い花を咲かせる観葉植物です。放射状の白い花弁の花がいくつも咲く姿は、普段のドラセナ・マッサンゲアナとはまた違う、独特の存在感を感じさせてくれます。
このドラセナ・マッサンゲアナが開花するのは稀なこととされ、5~10年のあいだ1度も開花しないのも珍しくはありません。なお、ドラセナ・マッサンゲアナの花は、夜に開花し、強い香りを放つ特性があります。