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ライラックの特徴とは?育て方や切り花を長持ちさせるコツを紹介

きれいな花が咲く木を庭に植えたいと考えているなら、『ライラック』はいかがでしょうか?紫・ピンク・白などの小花が集まったライラックは、庭を彩ると同時に切り花としても楽しめます。ライラックの特徴や育て方を見ていきましょう。

ライラックはどのような樹木?

ライラックはどのような樹木?

ライラックはどのような樹木なのでしょうか?まずは木や花の特徴を紹介します。

よい香りの花が咲く落葉小高木

モクセイ科ハシドイ属の落葉小高木であるライラックは、芳しい香りで春を告げる樹木です。ライラックは英語名で、フランス語名が『リラ』、和名は『紫丁香花(ムラサキハシドイ)』といいます。ハート型の葉と、紫・ピンク・白などの小花が房になって咲く様子がかわいらしいため、庭を飾る樹木としてぴったりです。

暑さに弱く涼しい気候でよく育つため、北海道や東北地方・本州の高原地帯で育てるのに適しています。その他の暖かい地域で植樹する場合には、日当たりと水はけに注意するのがポイントです。

地植え、鉢植えどちらも可能

高さ1~6mに成長するライラックは、『地植えでも鉢植えでも』育てられます。春には美しくよい香りの花を楽しめ、秋にはハート型の葉が紅葉する様子を観賞できるため、庭のシンボルツリーとして地植えするのにもぴったりです。

鉢植えで育てると、ライラックの成長や季節・日当たりに合わせて管理する場所を変えられる利点があります。庭のスペースや植樹の目的に合わせて、植え付け方を考えてみましょう。

ライラックを楽しめる季節は春

ライラックを楽しめる季節は春

ライラックの1番のシーズンは春です。花が咲いた美しい様子を楽しめる期間は、具体的にどのくらいなのでしょうか?札幌市でライラックが親しまれるようになった経緯とともに見ていきましょう。

開花時期は4〜5月

小さな花が咲き始め、ライラックが見頃を迎えるのは『4~5月』です。春になると咲く花のため、地域によってはライラックの花や香りが春の合図となっているところもあります。

長期間にわたり花を楽しめる持ちのよさも魅力です。

札幌市のシンボルとして親しまれる

北海道札幌市では、1960年に市民投票が行われ、ライラックが市のシンボルと定められました。北星学園の創設者サラ・クララ・スミスが1889年にアメリカから持ち込んだものが札幌のライラックの起源といわれており、札幌の気候になじみよく育ったため、一般にも広く親しまれているのです。

札幌市内では公園などの公共施設はもちろん、民家の庭にもライラックが多く植えられています。また、例年5月中旬~6月初旬にかけて、約400本のライラックがある大通公園をメイン会場に開催されるのが『さっぽろライラックまつり』です。

花冷えのことを「リラ冷え」と呼ぶ

春になりすっかり暖かくなったころに急激に寒くなることを寒の戻りといい、ちょうど桜の季節であることから花冷えとも表現されます。この寒さを北海道では『リラ冷え』と呼ぶのです。

最初に寒の戻りをリラ冷えと表現したのは、北海道出身の俳人・榛谷美枝子でした。その後、同じく北海道出身の作家・渡辺淳一の小説『リラ冷えの街』で一般にも認識され、現在も使われています。

ライラックが身近な存在である北海道ならではの美しい表現です。

ライラックを自宅で育てるポイント

ライラックを自宅で育てるポイント

毎年春にきれいな花を咲かせるには、ポイントを押さえた育て方が欠かせません。植樹する際のコツやお手入れ方法を知り、元気なライラックを育てましょう。

水はけがよく西日の当たらない場所が最適

ライラックは日当たりのよい場所を好みますが、西日に弱い点に注意しましょう。植樹する際には、西日が当たらないことをよく確認してください。

また、乾燥している方が育ちやすいため、土壌の水はけのよさも重要です。特に、真夏の水やりが必要な関東や東海では、水やり後に余計な湿気が残らないよう、必ず水はけのよい土を使用します。

寒さには強いが真冬の植樹はNG

寒さに強く寒冷地でよく育つ樹木ですが、植樹は1~2月の真冬を避け『3~10月』に行うのが向いています。

地植えの場合には、ライラックがしっかり日差しを浴びられるよう、午前中に日当たりのよい場所を選んで土作りをしましょう。苗より一回り大きな穴を掘り、苗を植えて土で固定したら、水やりをして完了です。

鉢植えにするなら、土が乾燥しやすいようテラコッタや素焼きの鉢を選びます。鉢底石を敷き、土を鉢の1/3まで入れ、苗を置いて周りに土を入れ固定しましょう。このとき、割り箸などの細い棒で土をつつくと、根の隙間までしっかり土が入ります。最後にたっぷり水やりをしましょう。

手入れの方法

ライラックの手入れは、それほど複雑なものではありません。水やりは、地植えなら基本的に行わなくてOKです。過度に乾燥しないよう、夏は株元にワラや腐葉土を敷き乾燥を予防しましょう。

鉢植えの場合には、表面の土が乾いているのを確認してから、底から水が流れ出るくらい水やりをします。特に暑さの厳しい夏には、朝夕2回の水やりが必要なこともあるため、小まめなチェックが必要です。

肥料はあまり必要ありませんが、土作りのときに肥料を混ぜておきましょう。その後は、鉢植えなら花が咲き終わったタイミングで1回、地植えは葉が枯れ落ちるタイミングで1回与えます。与える肥料は、油かすや骨粉といった有機肥料がぴったりです。

害虫対策も忘れずに

害虫対策をすることも、ライラックを健康に育てるために欠かせません。新芽が出る季節には『アブラムシ』に注意しましょう。葉の様子を確認し、アブラムシが付いていたら取り除きます。すす病の原因になる『カイガラムシ』にも注意が必要です。

風通しが悪い環境や、ライラックが弱まっているときに発生しやすいため、見つけたらすぐに薬剤で対処します。成虫は薬剤よりもブラシでこすり落とす方が有効です。

暖かい地域でライラックを育てるときには、『テッポウムシ』に注意しましょう。幹内部を食い荒らし、木を弱らせる害虫です。幹や枝に穴をあけて内部へ侵入するため、穴から殺虫剤をまいて対処します。

切り花で楽しむコツ

切り花で楽しむコツ

木に咲いているライラックの花を楽しむのはもちろん、切り花にすれば室内でもかわいらしい花を観賞できます。切り花を室内に飾るときのコツを知り、長く花を楽しみましょう。

花が落ちない枝を選ぶ

切り花のライラックをできるだけ長持ちさせるためには、『花が落ちない枝』を選ぶことが大切です。

少し枝を揺らして小花が落ちる枝は、切り花として飾り始めてもすぐに花が散ってしまいます。房全体の花の様子がみずみずしくふっくらしていて、軽く揺らしても花がしっかり付いている枝を選ぶと間違いありません。

長持ちの秘訣は下処理

長持ちしやすい枝を選ぶと同時に、正しく下処理をすることも大切です。切り取った枝は、まず『葉の整理』をします。葉が多すぎると水分が必要以上に逃げていくため、枝の根元付近の葉を取り除きましょう。

水をよく吸うよう『水あげ』も行います。金づちやはさみの柄で枝の根元をたたき割るか、はさみで割り表皮をはがし、枝の根元を出して新聞紙に包みましょう。どちらの方法も、切り口から7cmくらいのところまで処理をします。

その後、バケツに入れた水に一晩浸け、しっかり吸水させましょう。水の中に切り花栄養剤を入れる方法も、長持ちさせるためには有効です。水あげがしっかりできていると、ライラックは1週間ほど切り花で楽しめます。

おすすめのアレンジメント

切り花としてライラックを飾るなら、他の花と組み合わせてアレンジメントにするのもおすすめです。春の花と合わせて季節感を楽しめます。

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