観葉植物に虫がつく原因とは?予防で観葉植物を守ろう
室内で育てているはずの観葉植物でも虫がついてしまうことは珍しくありません。こちらの記事では、観葉植物に虫がつく原因や、代表的な虫の駆除方法について紹介します。適切に管理して観葉植物を虫から守りましょう。
観葉植物の虫に関係する3つのポイント
一般的に観葉植物は、野菜や果樹に比べて虫による被害が少ないと言われています。しかし、その可能性はゼロではないので、虫がつきにくい環境を整えることが大切です。
大きく分けて3つのポイントを押さえておくと、虫がつく確率を下げられるでしょう。まずは、観葉植物に最適な『置き場所』について解説します。
置き場所
室内で観葉植物を育てる場合、湿気が少なく『風通しの良い場所』に置くのがポイントです。ジメジメした湿気の多い場所では、植物が弱って虫がつきやすくなってしまいます。
多くの観葉植物は明るい日陰を好みます。湿度に加え、部屋の明るさにも気を配るようにしましょう。ただし、夏の直射日光は、葉焼けの原因になります。
また、観葉植物は、頻繁に置き場所を変えるとストレスがかかって、弱ってしまうことがあります。置き場所は、決めたらあまり動かさないようにしましょう。ベランダなど外に出すと虫がつく可能性があるので、注意してください。
葉水
虫を寄せ付けないためには、こまめに『葉水』をかけてあげることも大切です。なぜなら、観葉植物につきやすいハダニやアブラムシは、水に弱い性質があるからです。葉水は、防虫効果につながります。
さらに葉水をかけると、葉についたほこりなどの汚れが落とせるうえ、乾燥を防げます。その結果、観葉植物はよりいきいき育ってくれるでしょう。
葉水をかけるときのポイントは、葉の表だけでなく裏側や幹の部分までしっかりかけることです。水やりとは別なので、できれば葉水は毎日することをおすすめします。
受け皿の水
受け皿に水が残っていると、虫がつく原因になります。さらに根腐れにもつながるので、こまめに捨てることが大切です。
水やりを終えたら、受け皿に水が残っていないかチェックし、残っている場合は必ず捨てるようにしましょう。このひと手間が、虫予防には大きな効果を発揮します。
また、鉢カバーをつけていると、受け皿に水が残っているかわかりづらくなります。水やりのときは外すか、水を吸い取れる大きめのスポイトをあらかじめ用意しておくと便利です。
植物の周りを飛ぶコバエ
「気づいたら、植物の周りをコバエが飛んでいた…」という経験、1度はあるのではないでしょうか。その主な原因は、観葉植物の土と受け皿が考えられます。
まずは、代表的な2種類のコバエについて解説します。それぞれの特徴を理解して、駆除の仕方を探っていきましょう。
チョウバエとキノコバエ
観葉植物に湧くコバエは、『チョウバエ』と『キノコバエ』の2種類に分けられます。どちらもコバエに変わりありませんが、発生する環境が違います。
チョウバエの発生源は、汚れた水や水垢です。そのため、観葉植物の受け皿から発生し、水のある受け皿に卵を産みます。体長は1〜5mmとキノコバエに比べるとやや大きく、ゆっくりと飛ぶコバエです。
一方、キノコバエの発生源は、有機用土や肥料です。つまり観葉植物の土から発生し、土の中に卵を産みます。体長は1〜2mmと小さめで細く、手足の長いコバエです。
湿った場所に卵を産む
どちらのコバエも、ジメジメと湿った場所に卵を産みます。これは、『ショウジョウバエ』や『ノミバエ』などコバエ全般に言えることでしょう。
チョウバエは卵を産んでから約2週間、キノコバエは約3週間で幼虫になります。幼虫になってからの寿命は、どちらも約4〜10日前後ですが、大量の卵を産むので、なるべく卵を産ませない環境を整えておくことが大切です。
駆除の仕方
植物の周りを飛んでいるコバエは、『掃除機』で吸い取るのが1番です。飛んでいるコバエを狙って殺虫スプレーを噴射すると、部屋にスプレーのにおいが充満してしまいます。
キノコバエの場合、土の表面2〜3cmに卵を産んでいるので、まずはその部分を取り除きます。そのうえで、表面に無機質の赤玉土を足しましょう。赤玉土には、キノコバエのエサとなる成分が含まれていないので安心です。
水を張った大きなバケツの中に鉢ごと沈めて、10分程度待つという方法もあります。水面にコバエの幼虫や卵が浮いてくるので、網などで除去すれば完了です。
薬剤は効果抜群
『薬剤』を使って駆除することも可能です。最もおすすめなのは、水で薄めたダントツ水溶剤を、土の表面全体に行き渡らせる方法です。土の中の幼虫や卵を全滅させられます。
薬剤は、土だけでなく鉢にもかけると、より高い効果が期待できます。駆除する場合は、徹底的に行うのがポイントです。
以下の記事ではコバエの駆除グッズなどさらに詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
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観葉植物の虫は病気の原因になることも
観葉植物に虫がつくと、それが原因で植物が病気になって枯れてしまうケースがあります。「何かおかしな点はないか?」と、植物をよく観察してみることが大切です。
特に、葉・幹・枝が黒いすすで覆われたようになっている場合は、要注意です。『すす病』にかかっている可能性があります。まずは、すす病について詳しく解説します。
すす病とは
『すす病』とは、すす病菌というカビが増殖して発症する病気です。観葉植物がかかりやすい代表的な病気の1つと言えるでしょう。
発症すると、植物の葉などに黒い斑点が現れ、名前の通りすすをかぶったような状態になります。これは単に見た目が悪くなるだけでなく、植物の光合成や葉の表面からの蒸散を妨げてしまいます。その結果、植物が枯れる可能性もあるのです。
すす病は年間を通して発生しますが、春や夏など暖かい時期に発生しやすい傾向があります。この時期は、特に注意するようにしましょう。
成虫になると厄介なカイガラムシ
すす病菌は、『カイガラムシ』や『アブラムシ』など害虫の排泄物や分泌物をエサに増殖します。特に排泄物には糖分が多く含まれているので、それに引き寄せられるように病菌が集まるのです。
つまり、すす病になるということは、植物に虫がついている証拠と言えます。もし、その虫がカイガラムシだった場合、成虫になると非常に厄介です。