胡蝶蘭の根について知ろう!根腐れや異常の見極めと対処法

2020 7/08
胡蝶蘭の根について知ろう!根腐れや異常の見極めと対処法

なんとなく胡蝶蘭に元気がなくなってきた、そう感じたら根に原因があるかもしれません。しかし、正しい対処法を知っておけばあわてる必要はありません。今回は胡蝶蘭の根のキホンや根腐れ、根の異常な状態についての対処法について解説します。

目次

胡蝶蘭に大切な根について知ろう

胡蝶蘭の根

胡蝶蘭といえば大輪のお花を思い浮かべる方が多いと思います。胡蝶蘭にとって根はまさに生命線といえる大事な存在です。

大切な胡蝶蘭の根

根は水を吸い上げる機能とともに、養分をためておく場所でもあります。根には葉緑体も含んでいることから光合成もできるためとっても重要な役割を果たしているのです。ですので、これから胡蝶蘭を育てる際には根をよく観察してあげながらお世話をしてあげましょう。

胡蝶蘭が枯れる一番の原因は根腐れ

理由は水のあげすぎです。胡蝶蘭はもともと熱帯雨林の樹木に根を張る「着生ラン」という種類の植物ですので、少し水が足らなくてもたくましく生きていけるお花です。高貴でありながら、原産地でたくましく育っているというのは意外かもしれませんが多すぎる水は苦手なのです。大切にしたい思いから、お水をあげたくなりますが、胡蝶蘭にとっては水やりは控えめくらいがちょうどよいのです。

胡蝶蘭の根元をチェック!元気な根とダメになってしまった根の違い

それでは、どのような状態であれば胡蝶蘭の根は健康と判断できるでしょうか?元気な根と、残念ながらダメになってしまった根の見分け方をご紹介します。今育てている胡蝶蘭をチェックするときはもちろん、胡蝶蘭の苗を購入するときの参考にしてくださいね。

元気な根
  • 太くてハリがある
  • ポットの中に根がびっしり生えている
  • 既存の根が伸びている(根が黄色ければ伸びている証拠です!)
  • 株元から新しい根が出ている
ダメになってしまった根
  • 細くブヨブヨしている、スカスカである
  • ポットの中に根がなく、ポットを押しても簡単にへこんでしまう
  • しおれている(黒茶色ぽく変色)

胡蝶蘭からわかる根腐れの可能性

胡蝶蘭の手入れ

では、どのような症状があったら根腐れと考えられるのでしょうか?次の3つのポイントをチェックしてみましょう。

胡蝶蘭の葉にシワがあったら、根腐れの可能性アリ

アジアンテイストに合う胡蝶蘭

根腐れの初期症状は葉にあらわれるといわれています。葉がシワシワになり、つややハリがなくなった状態は、根腐れの代表的な症状です。葉以外にも茎にもシワが出ていたら要注意です。また、根腐れですぐ胡蝶蘭全体が枯れるということはないのですが、葉が根元からぼろっと落ちたりもします。

胡蝶蘭の花が咲かない、花が枯れる

胡蝶蘭が咲くであろう時期なのに花が咲かない、本来2カ月ほど咲き続けるはずの胡蝶蘭がすぐに枯れてしまった、という状態も根腐れが疑われます。特に、いただきものの鉢植えの胡蝶蘭は、水のあげ過ぎで鉢の中が蒸れて根腐れを起こし、お花が早く枯れてしまうことが多いようです。

植え込み材にカビなど変化が現れる

植え込み材の表面に白いカビが発生、またはカビ臭いにおいがするときは要注意です。胡蝶蘭本体だけでなく植え込み材にも注目してみましょう。

根の症状からわかる?

小さいピンクの胡蝶蘭

では、葉や茎やお花、植え込み材の様子から根腐れを起こしている可能性があったとき、根がどのような状態だと胡蝶蘭は根腐れしていると判断できるでしょうか?

胡蝶蘭の根が黒い

胡蝶蘭の健康な根は太く、白っぽい緑色をしていることが多いので、わかりやすいでしょう。たくさんの根が黒くなっていたら根腐れの可能性が高いです。根が黒くなってしまったら完全に根腐れしている、というわけではありませんので、それはどのような場合か後ほどご説明します。

もともと胡蝶蘭は、雨季と乾季がある東南アジアが原産の植物です。乾季の際は雨があまり降らないこともあり、胡蝶蘭は少ない水分を根にためて乾季を生き抜けるようになっています。そのため、水が多すぎるのは苦手で、水のあげ過ぎによって根腐れが起こり黒く変色してしまうのです。

胡蝶蘭の根にカビが生えている

根が黒くなる一番の原因はカビだといわれています。代表的な例を見てみましょう。

リゾクトニア菌

根腐れの原因はリゾクトニア菌が最も多いともいわれています。水をちゃんとあげているのに胡蝶蘭に元気がなくなってきた、葉がぼろっと落ちた、植え込み材にクモの糸のようなものがついている、キノコのようなにおいがする、といった症状がみられる場合はリゾクトニア菌が原因と考えられます。

対処法としては植え替えが有効ですが、本来はこの菌に感染してしまう前に、菌が繁殖しないよう植え込み材が乾燥してから水をあげることが大切です。

フザリウム菌

リゾクトニア菌と同じように、フザリウム菌は水分が多い土から弱った胡蝶蘭の根に感染します。フザリウム菌に感染すると、葉が黄色く変色して落ちたり、茎が黒く変色したりします。症状が進むと根腐れと見間違ってしまうでしょう。

対処方法としては、感染した根を取り除き、トリフミンやロブラールといった薬剤をつけ植え替えることです。予防策としては、事前に薬をかけることもできますが、一番は根が乾いた状態になってから水をあげることです。

このように細菌に感染すると、胡蝶蘭の免疫力が下がりだんだんと元気がなくなっていきます。しかし、どの細菌が原因で根腐れを起こしているかは判断がつきにくいため、根が黒くなってから対応をするのではなく、できるだけ根腐れを起こさないように、水のあげ過ぎには注意をしなくてはならないのです。

胡蝶蘭の根が黒いときは全てが根腐れではない!見極め方と対処法は?

胡蝶蘭の花畑

先ほどお伝えしたとおり、根が黒いからと言ってすべてが根腐れというわけではありません。どのような状態であれば、根腐れではないと判断できるか見極め方をみていきましょう。

胡蝶蘭の根が黒くてもOKなケースは?

黒い根があっても、他の根が元気な場合は根腐れではない可能性があります。

胡蝶蘭の根が黒くなる原因

胡蝶蘭がポットや鉢に植わっている場合、中心部分の根はどうしても通気性が悪くなりがちなため、根が黒く変色することがあります。しかるべきタイミングで植え替えを行っていたり、葉や茎にシワがあるなど根腐れの症状が出ていない場合は、根の一部が黒かったとしても、そこまで根腐れではないと思って大丈夫でしょう。

胡蝶蘭の根が黒い時の対処法

植わっている根の中心部など、根の一部が黒いと気づくときは植え替えのタイミングが多いでしょう。その際は、黒い根だけを取り除き、健康な根だけを残すようにしましょう。菌の感染などを防ぐため、黒い根を切る際のハサミはちゃんと消毒したものを使ってくださいね。

胡蝶蘭の根腐れが起きる原因は?

水やり

これまでも胡蝶蘭の根腐れが起きる原因についてはお伝えしてきましたが、改めてどのようのなことが根腐れを起こしてしまうのか見直しましょう。今育てている胡蝶蘭に当てはまることはありませんか?

胡蝶蘭は水のあげすぎで根腐れが起きる

一番多いといわれている原因は、水のあげ過ぎです。東南アジアが原産の胡蝶蘭は、あまり雨が降らない乾季の間も少ない水分で元気に生きることができる植物です。そのため、他の植物と同じような感覚で水やりをするとあげ過ぎになってしまうのです。もう一度水やりのポイントを確認してみましょう。

「控えめ」がキーワード!胡蝶蘭の水やり

  • 植え込み材が乾燥してから行

バークや水苔など植え込み材を指で押してみて、乾いていたら水やりのサインです。完全に乾ききってしまうと水分を吸わなくなってしまうので、乾燥のさせ過ぎには注意してください。

  • お水の量はコップ一杯ほど

季節や環境によってお水の量は変わりますが、コップ一杯ほどを目安にしましょう。

  • 水は常温またはぬるま湯で

冷たすぎても熱すぎても胡蝶蘭は苦手です。特に気温の下がる冬場は注意しましょう。

水やりについてはこちらの記事に詳しく書いてありますので、ぜひ参考にしてくださいね。

胡蝶蘭は肥料のあげ過ぎで根腐れが起きる

次に根腐れの原因と考えられるのが肥料のあげ過ぎです。野生の胡蝶蘭は木の上の、少しかげになったところで育ちますので、土から栄養を吸い上げることもなければ、光合成をたくさんして栄養を作るということも多くはありません。

こうした栄養が少ない環境で育つ胡蝶蘭ですから、肥料をあげ過ぎてしまうと根がつかれて根腐れを起こしてしまうのです。肥料をあげる際は育成期だけにするなど、胡蝶蘭が栄養過多にならないように気をつけましょう。

水栽培の胡蝶蘭は根腐れしやすい!注意するポイントは?

胡蝶蘭と聞くと、土や植え込み材を使って鉢で育てるイメージが強いかと思いますが、水栽培でも育てることができます。しかし、根に直接水が触れる水栽培は、根腐れを起こしやすくもあります。次の二点に注意して育てていきましょう。

  • 水の量は根の先が触れる程度にする(根全体を水に浸さない)
  • 水は毎日入れ替える

根腐れを起こした胡蝶蘭を復活させる方法

ピンクの胡蝶蘭

根腐れを起こしてしまったからと言って、胡蝶蘭をあきらめるのはまだ早いです!根腐れを起こしてしまった胡蝶蘭を再生できる方法があります。

胡蝶蘭の根腐れには植え替えで対処しよう

根腐れに対する一番の対処方法は植え替えです。根腐れを起こすとすぐに胡蝶蘭が枯れてしまうわけではありませんが、やがて根全体が腐り、茎、葉、花をもむしばんでいきます。植え替えの時期は、基本的には温かい春が最適とされていますが、これまでご紹介してきた根腐れの症状が確認できたら、できるだけ早く植え替えをしてあげましょう。

胡蝶蘭の植え替え方法

では、根腐れしてしまった胡蝶蘭の植え替え方法を見ていきましょう。まず準備するものはこちらです。

  • ハサミ 火であぶる、または塩素系の漂白剤で消毒したもの
  • 鉢 通気性のよい素焼きが望ましい
  • 水苔
  1. 胡蝶蘭を鉢から取り出す
    根を傷つけないように注意してゆっくり出してください。
  2. 根腐れした部分を切り落とす
    植え込み材を取り除き、根腐れしている部分をハサミで切り落とします。健康な根は、白または緑色をしており弾力があります。一方、傷んだ根は黒く変色しており、ブヨブヨになっていたり、スカスカで触ると崩れたりします。
  3. 新しい鉢に植える
    残った根に新しい水苔を巻き付け、新しい鉢に植えます。

まれに、根腐れで生命の危機を感じた胡蝶蘭が株別れをしていることがあります。その場合は、分けて植えてあげましょう

植え替え後に注意したいポイント

根腐れでダメージをおい、さらに植え替えで体力を消耗している胡蝶蘭にとって、植え替え後はかなり疲れている状態です。さらなる負担をかけないように、水やり・肥料は2週間ほど控えましょう。根が新しい環境になれる前に水やりをすると、また根腐れの原因となってしまいます。水分をあげるには葉に霧吹きをしてあげましょう。

これって異常?そのほかの根の異常と対処法

胡蝶蘭の鉢植え

胡蝶蘭の根は太く立派で、植え込み材から根が見えることもよくありますよね。根腐れ以外にも、胡蝶蘭を育てていると「これって大丈夫?」と心配になる状況が出てくると思います。根に関しては、根が伸びすぎている場合、根が出ない場合で心配になる方が多いようですので、その二つの場合について対処方法をご紹介します。

胡蝶蘭の根が伸び過ぎてはみ出している場合

「新しい芽が出てきたと思ったら根だった!」と驚いたことはありませんか?いただいたばかりの胡蝶蘭の鉢植えでも、鉢から根が伸びてはみ出てしまっている場合があります。この場合は、気にしなくても大丈夫なときと、少し注意した方が良いときがありますので、確認していきましょう。

胡蝶蘭の根が伸び過ぎているのは問題ないことも多い

野生の胡蝶蘭はもともと木の上に生えており、根が空気に触れています。そのため、空気を求めて根が鉢から出てしまうことがあるようです。胡蝶蘭の水やりは、植え込み材が乾燥してからというのを聞いたことがあると思いますが、根を乾燥させることも大切なことなのです。この場合は、自然なことですので、問題ないといえるでしょう。

水不足に注意しながら対処を

気をつけなければならない場合というのは、水不足で胡蝶蘭が空気中の水分を求めて根を伸ばしている状態です。根の状態だけで判断するのは難しいかもしれませんが、これまでの水やりのペースや量を思い出してみましょう。

あまりにもお水をあげていないようでしたら、水不足が原因と思われます。その際は、あげ過ぎに注意しながら今までよりも水やりの頻度を少し短くする、水の量を増やすなどしてみましょう。

植え替え後に胡蝶蘭の根が出ない、根がない場合

根の伸びすぎとは反対に、根が出てこない、根がないという場合は、水のあげ過ぎが考えられます。根腐れ同様、胡蝶蘭にとって水のあげ過ぎはよくないことなのです。

根が出ない原因は水のあげ過ぎ?

根が出ない原因として、水のあげ過ぎで、胡蝶蘭がこれ以上根を伸ばす、生やす必要がないと思っていることが予想されます。

根腐れの原因となる水のあげ過ぎに注意して、根を伸ばそう

植え込み材や植え方、気温や湿度の環境によって、どれくらいの水やりが適切なのかは判断が難しいところですが、胡蝶蘭の水やりは植え込み材が乾燥してからあげる、という基本を思い出して水やりをしましょう。

まとめ

豪華なお花が印象的な胡蝶蘭ですが、根がとても大切な役割を果たしているということはお分かりいただけたでしょうか?水やりは控えめに、乾燥してから水をあげるが基本です。胡蝶蘭はもともと熱帯雨林の樹木の上で育ち、少ない水分、栄養でもたくましく生きていけるお花である、ということを思い出して、根腐れしないようにお世話してあげましょう!

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