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胡蝶蘭の根について知ろう!根腐れや異常の見極めと対処法

なんとなく胡蝶蘭に元気がなくなってきた、そう感じたら根に原因があるかもしれません。しかし、正しい対処法を知っておけばあわてる必要はありません。今回は胡蝶蘭の根のキホンや根腐れ、根の異常な状態についての対処法について解説します。

胡蝶蘭に大切な根について知ろう

胡蝶蘭の根

胡蝶蘭といえば大輪のお花を思い浮かべる方が多いと思います。胡蝶蘭にとって根はまさに生命線といえる大事な存在です。

大切な胡蝶蘭の根

根は水を吸い上げる機能とともに、養分をためておく場所でもあります。根には葉緑体も含んでいることから光合成もできるためとっても重要な役割を果たしているのです。ですので、これから胡蝶蘭を育てる際には根をよく観察してあげながらお世話をしてあげましょう。

胡蝶蘭が枯れる一番の原因は根腐れ

理由は水のあげすぎです。胡蝶蘭はもともと熱帯雨林の樹木に根を張る「着生ラン」という種類の植物ですので、少し水が足らなくてもたくましく生きていけるお花です。高貴でありながら、原産地でたくましく育っているというのは意外かもしれませんが多すぎる水は苦手なのです。大切にしたい思いから、お水をあげたくなりますが、胡蝶蘭にとっては水やりは控えめくらいがちょうどよいのです。

胡蝶蘭の根元をチェック!元気な根とダメになってしまった根の違い

それでは、どのような状態であれば胡蝶蘭の根は健康と判断できるでしょうか?元気な根と、残念ながらダメになってしまった根の見分け方をご紹介します。今育てている胡蝶蘭をチェックするときはもちろん、胡蝶蘭の苗を購入するときの参考にしてくださいね。

元気な根
  • 太くてハリがある
  • ポットの中に根がびっしり生えている
  • 既存の根が伸びている(根が黄色ければ伸びている証拠です!)
  • 株元から新しい根が出ている
ダメになってしまった根
  • 細くブヨブヨしている、スカスカである
  • ポットの中に根がなく、ポットを押しても簡単にへこんでしまう
  • しおれている(黒茶色ぽく変色)

胡蝶蘭からわかる根腐れの可能性

胡蝶蘭の手入れ

では、どのような症状があったら根腐れと考えられるのでしょうか?次の3つのポイントをチェックしてみましょう。

胡蝶蘭の葉にシワがあったら、根腐れの可能性アリ

アジアンテイストに合う胡蝶蘭

根腐れの初期症状は葉にあらわれるといわれています。葉がシワシワになり、つややハリがなくなった状態は、根腐れの代表的な症状です。葉以外にも茎にもシワが出ていたら要注意です。また、根腐れですぐ胡蝶蘭全体が枯れるということはないのですが、葉が根元からぼろっと落ちたりもします。

胡蝶蘭の花が咲かない、花が枯れる

胡蝶蘭が咲くであろう時期なのに花が咲かない、本来2カ月ほど咲き続けるはずの胡蝶蘭がすぐに枯れてしまった、という状態も根腐れが疑われます。特に、いただきものの鉢植えの胡蝶蘭は、水のあげ過ぎで鉢の中が蒸れて根腐れを起こし、お花が早く枯れてしまうことが多いようです。

植え込み材にカビなど変化が現れる

植え込み材の表面に白いカビが発生、またはカビ臭いにおいがするときは要注意です。胡蝶蘭本体だけでなく植え込み材にも注目してみましょう。

根の症状からわかる?

小さいピンクの胡蝶蘭

では、葉や茎やお花、植え込み材の様子から根腐れを起こしている可能性があったとき、根がどのような状態だと胡蝶蘭は根腐れしていると判断できるでしょうか?

胡蝶蘭の根が黒い

胡蝶蘭の健康な根は太く、白っぽい緑色をしていることが多いので、わかりやすいでしょう。たくさんの根が黒くなっていたら根腐れの可能性が高いです。根が黒くなってしまったら完全に根腐れしている、というわけではありませんので、それはどのような場合か後ほどご説明します。

もともと胡蝶蘭は、雨季と乾季がある東南アジアが原産の植物です。乾季の際は雨があまり降らないこともあり、胡蝶蘭は少ない水分を根にためて乾季を生き抜けるようになっています。そのため、水が多すぎるのは苦手で、水のあげ過ぎによって根腐れが起こり黒く変色してしまうのです。

胡蝶蘭の根にカビが生えている

根が黒くなる一番の原因はカビだといわれています。代表的な例を見てみましょう。

リゾクトニア菌

根腐れの原因はリゾクトニア菌が最も多いともいわれています。水をちゃんとあげているのに胡蝶蘭に元気がなくなってきた、葉がぼろっと落ちた、植え込み材にクモの糸のようなものがついている、キノコのようなにおいがする、といった症状がみられる場合はリゾクトニア菌が原因と考えられます。

対処法としては植え替えが有効ですが、本来はこの菌に感染してしまう前に、菌が繁殖しないよう植え込み材が乾燥してから水をあげることが大切です。

フザリウム菌

リゾクトニア菌と同じように、フザリウム菌は水分が多い土から弱った胡蝶蘭の根に感染します。フザリウム菌に感染すると、葉が黄色く変色して落ちたり、茎が黒く変色したりします。症状が進むと根腐れと見間違ってしまうでしょう。

対処方法としては、感染した根を取り除き、トリフミンやロブラールといった薬剤をつけ植え替えることです。予防策としては、事前に薬をかけることもできますが、一番は根が乾いた状態になってから水をあげることです。

このように細菌に感染すると、胡蝶蘭の免疫力が下がりだんだんと元気がなくなっていきます。しかし、どの細菌が原因で根腐れを起こしているかは判断がつきにくいため、根が黒くなってから対応をするのではなく、できるだけ根腐れを起こさないように、水のあげ過ぎには注意をしなくてはならないのです。

胡蝶蘭の根が黒いときは全てが根腐れではない!見極め方と対処法は?

胡蝶蘭の花畑

先ほどお伝えしたとおり、根が黒いからと言ってすべてが根腐れというわけではありません。どのような状態であれば、根腐れではないと判断できるか見極め方をみていきましょう。

胡蝶蘭の根が黒くてもOKなケースは?

黒い根があっても、他の根が元気な場合は根腐れではない可能性があります。

胡蝶蘭の根が黒くなる原因

胡蝶蘭がポットや鉢に植わっている場合、中心部分の根はどうしても通気性が悪くなりがちなため、根が黒く変色することがあります。しかるべきタイミングで植え替えを行っていたり、葉や茎にシワがあるなど根腐れの症状が出ていない場合は、根の一部が黒かったとしても、そこまで根腐れではないと思って大丈夫でしょう。

胡蝶蘭の根が黒い時の対処法

植わっている根の中心部など、根の一部が黒いと気づくときは植え替えのタイミングが多いでしょう。その際は、黒い根だけを取り除き、健康な根だけを残すようにしましょう。菌の感染などを防ぐため、黒い根を切る際のハサミはちゃんと消毒したものを使ってくださいね。

胡蝶蘭の根腐れが起きる原因は?

水やり

これまでも胡蝶蘭の根腐れが起きる原因についてはお伝えしてきましたが、改めてどのようのなことが根腐れを起こしてしまうのか見直しましょう。今育てている胡蝶蘭に当てはまることはありませんか?

胡蝶蘭は水のあげすぎで根腐れが起きる

一番多いといわれている原因は、水のあげ過ぎです。東南アジアが原産の胡蝶蘭は、あまり雨が降らない乾季の間も少ない水分で元気に生きることができる植物です。そのため、他の植物と同じような感覚で水やりをするとあげ過ぎになってしまうのです。もう一度水やりのポイントを確認してみましょう。

「控えめ」がキーワード!胡蝶蘭の水やり

  • 植え込み材が乾燥してから行

バークや水苔など植え込み材を指で押してみて、乾いていたら水やりのサインです。完全に乾ききってしまうと水分を吸わなくなってしまうので、乾燥のさせ過ぎには注意してください。

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